リアルにはありえないポーズを、合成写真などでよく見る。
カメラマンでもデザイナーでもない自分が無理なポーズを実現するにはどうすればよいか、自分なりの方法を探りました。
※2006年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
ふっとばされた、ポーズ
そういったわけで唐突ではあったが、マンガなんかによくある波動みたいなものを受けて突き飛ばされるシーンをやってみた。
本当にふっとばされているわけではさすがになく、合成写真である。そして、この「わー!」と吹っ飛ばされている人のポーズは寝っころがって撮影したものだ。
ありえないポーズを寝た状態でとる、というのは広告写真やなんかでよく見かける。今回はそれを真似してみた。
最初は、寝た状態でポーズをとって、それを撮影するなんて写真のプロじゃなきゃできないと思っていた。
それが今回やってみたら簡単な方法で(プロほどのクオリティーには到底達していないものの)そこそこできたのである。
はっきりいってかなり楽しい。これは立派ないち趣味として確立できるのではないか。
ぜひみなさんにもやっていただきたく、今回はやってみて私が感じた素人的ノウハウをからめて撮影の様子をお伝えします。
撮影・ポイント解説
もし、あなたが無理なポーズをとりたいと思ったなら、今すぐその場で寝ころがってポージングしていただいても何の問題もないと思う。ただ、撮影するとなると話は別だ。
寝ている状態を真上から撮らなければ、ポーズが不自然になってしまうのだ。
真上から撮影。これがなかなか難しい。プロの撮影ともなれば、クレーンや脚立(かな?)など多様な方法があるのだろうと思うが、こちとら手ぶら、丸腰である。
そこで選んだのが公園だ。そう、公園には滑り台がある。
ちなみに、会社の1Fのフリースペースに階段からまっすぐ下を見下ろせる場所があったのだが、さすがにここで寝そべっていては迷惑である。そう思って公園を選んだ。
ポイント1 身近に、真下を見下ろせて撮影できる場所を探そう! |
さて、ポイントが見つかったら寝そべる場所を確保する。
私の場合は後で写真を合成することを考え、柄のない青い布を敷いた。いっぱし、ブルーバック気取りである。
重要なのは、4つ端におもしを置くこと。野外は思いのほか、風があって物が飛ぶのだ。
ポイント2 |
ちなみに今回敷いたのは200cm×160cmの布。ダイナミックなポージングにはもう少し大きい敷物を選んだほうが良いようだった。
ええと、準備はこれだけです。続いて撮影です。
カメラマンは仲良しの人に
「ありえない、無理なポーズをとってみたい」この気持ち。基本的にはちょっと人に伝えるのは大変だ。
だが、ここは仲のよいご友人や家族、恋人などに思い切って打ち明けて欲しい。この撮影の一番のポイントかもしれない。カメラマンの手配である。
ポイント3 仲のよい人に撮影してもらおう |
なぜ仲のよい人がいいかは後でお伝えするとして、私は会社で隣の席のデイリーポータルZ コーディング担当、橋田さんにお願いした。
大事なのは連携プレー
さて、できるだけ身近な人にカメラを頼むべき、というのは、ポーズをする側と撮影側に微妙な連携が必要だからなのだ。
私が今回、一番やってみたかったポーズは「遅刻して走っている人」のポーズである。いかにも漫画っぽく両足を地面から浮かせて走る姿はどうしても普通に走ったのでは撮影できず、なんとかして写真に撮ってみたかった。
連携が必要、というのはここだ。夢に描いた自分が納得いくポーズが取れるまで、カメラマンにダメだしをしてもらうのだ。
自分が「今ポーズ取れている!」と思っても、人に見てもらうと案外うまくいっていないことがあるのだ。
ポイント4 カメラマンに細かくダメだしをしてもらおう |
参考までに、私と橋田さんのやりとりを通してだんだん「遅刻して走っている人」のポーズそのものになる様子をごらんください。
きみもやってみないか
奮闘の末、けっこうイイ線いってるんじゃない、という最後の1枚を合成してみた。
そうそう、PhotoShopのような画像レタッチソフトをお持ちでない方も大丈夫。写真をプリントアウトして切り張りすればきっと楽しいと思う。
ポイント5 レタッチソフトがなかったらプリントアウトしてハサミで切って合成! |
もっともっと無理なポーズをとり続けたかったのだが、現場は風が強く、また蚊も多かった。橋田さんと古賀、二人合わせて5ヶ所ほど喰われてしまった。仕方なく、ここまでで撤収となった。
ポイント6 野外撮影の場合、これからの季節 蚊対策は万全に |
撮影したなかで、なかなか良くポージングできたのは、この4枚。やはりなかなか思い通りのポーズを決めるのは難しい。
今度はマンガなどで予習して、とりたいポーズをあらかじめ決めてから公園で寝そべりたいと思う。
無理なポーズといえば、そもそも私は以前、ライター大塚さんの記事で、「うる星やつら」のラムちゃんのアクロバティックなポーズをとるという企画に参加させてもらっている(2005年10月5日「ラムちゃんポーズ!」)。
思い出してみればあのとき、ラムちゃんのポーズは寝ころがると上手くできなかった。どうやら、立体的なポーズは寝ころがってとるのは無理らしい(「うる星やつら」はマンガなのにポーズが立体的って、すごい)。
寝そべってやるとうまくできるのは「平面的なポーズ」だ。平べったいポーズをとりたくなったときには、ぜひ寝てみてください!