入院制限の前にやることがある – 鈴木しんじ

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新型コロナウイルス患者のうち、「重症者と重症化リスクが特に高い人以外は原則自宅療養」とした菅政権の方針に批判が高まっています。菅政権を支持する人たちは「重症者以外は原則自宅療養としたわけではない」と一生懸命擁護していますが、これに対しては「重症化リスクが特に高い」ことを適切に判断できる状況にないことは明らかです。

田村厚生労働大臣は「中等症は原則入院で、重症化リスクが低い方々が在宅になる。医師が判断する必要性に応じて入院してもらう」と5日の参院厚労委員会で述べましたが、患者がこのまま増えていけば「重症者」と定義されている患者以外は原則自宅療養となるのは目に見えています。

入院制限という負担を国民に強いる前に、いくらでもやることがあるでしょうというのが偽らざる気持ちです。

そもそも、オリンピック・パラリンピックを国内で開催すれば、どうしても国民の感染予防に対する意識が低下するとともに、行政や医療サービスの提供に影響が出てくるのは明らかです。五輪終了後には、大会そのものを通じた感染拡大が明らかになるかもしれません。五輪は閉幕まで数日しかないので仕方がありませんが、パラリンピックは少なくとも秋以降のデルタ株感染が収束しているであろう時期に延期すべきです。

緊急事態宣言の中身も変わっていませんし、政権は相変わらずまん防の適用拡大などと呑気なことを言っており、正常な政策判断が全くできないのは救いようがないです。①宣言対象地域の全国への拡大、②生活必需品以外の店舗の休業要請の徹底、③休業要請協力金の適正な拡充(事業規模の考慮)と迅速な支給、④コンビニ等でアルコールを冷やした状況で提供しないことの要請、⑤企業へのテレワークの徹底要請を行って、昨年最初の緊急事態宣言時並みに人流を減らすことを最優先課題とすべきです。個人的にはロックダウンの議論は早急にすべきだと思いますが、ロックダウンの前にできることはたくさんあります。

休業要請に関して財務省は相変わらず休業補償を嫌がるでしょうが、効果のない宣言やまん防を適用し続けても意味がないし、感染が収まらなければ税収も戻りません。同省はこんなことも理解できない法学部出身者ばかりをリクルートすることはやめて、入省後の教育も含めてキャリアが法律と経済学(特にミクロ理論)両方を理解するようにしないと同省の体質が変わらないのではないでしょうか。

ワクチン供給の遅れも政権の責任で、にっちもさっちもいかなくなり、効力が劣るアストラゼネカ製ワクチンの40代以上に使用を認めることとなりました。この場に至っては仕方がないものの、政権は非を認めて国民に謝罪するとともに、国民に対してアストラゼネカ製ワクチンを接種を強いることが無いよう、ファイザーまたはモデルナ性ワクチン接種のスケジュール見通しをしっかり提示すべきです。外国産ワクチンに頼っているからこのような状況が起きるので、塩野義製薬やアンジェスなど、国産ワクチンの開発を重点的に支援すべきです。

菅首相には一刻も早く辞任していただきたいですが、諦めたり単に辞任だけ求めてもその間に感染が拡大するだけなので、「どうすべきか」は示し続けなければなりません。

鈴木 しんじ
博士(理学)

日本型大統領制を実現するリベラル新党、
政治団体「社会民主進歩党」代表

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