大団円!
テレビドラマのエンドロールの時の映像ってなんてことないシーンの場合が多い。
僕のなんてことない様子もエンドロールにしてほしい。
荒々しい出来栄えになったが、エンドロールを扱う記事がぐだぐだみっともなく終わっていくなんて許されない。果たして記事はきれいに締まるのだろうか。
何気ないシーンがエンドロールに使われる
家でゴロゴロしながら、テレビドラマのエンドロールのことを考えた。
作品のジャンルが恋愛でもコメディでもSFでもサスペンスでも、エンドロールが流れるころには物語が一件落着して、登場人物たちがいつもの日常に戻っていく、そんなイメージがある。
今、ゴロゴロしている僕の様子がエンドロールだったとしたら、特別な能力に目覚めて世界を救った後、やっと訪れた平和を謳歌する『ゴロゴロ』かもしれないのだ。
そうだったらなんか良いよな。そういうことにさせて欲しい。エンドロールになりたい。
まずは成果物をご覧ください
テレビドラマのエンドロールになるには、僕が映っているその下に、スタッフロールが流れればいいと思った。
そしてそのスタッフロールは編集で後から入れるのではなくて、ゴロゴロしているその場でリアルタイムに、物理的に流れて欲しい。撮りながら「今、これエンドロールだなー」と思えるからだ。
以上2点を踏まえてまず成果物をご覧ください。
何をお見せしているかというと『どうでもいい映像でも下にスタッフロールを流すとエンドロールみたいになってなんか良いよね』という主張のための、実演の動画である。
スタッフロールに見えない、という方は画面から顔を離して目を細めてぼやかして見てください。忙しいところ申し訳ありません。
見えましたでしょうか。
それではここから、この映像を作る様子を紹介します。
キャタピラの工作セットを使う
あまりに荒々しいクオリティのため文体が変わってしまったが、準備の段階では大成功を確信していた。
キャタピラの工作セット。少し遊んで満足したのか、作りかけっぽい状態で箱に入っていた。
この帯の部分に字幕を貼り付けて、縦にしてカメラの前で動かせばスタッフロールじゃないか。
紙をぐるっと巻いたらキャタピラが動かなくなった。カーブの部分で紙がキャタピラを締め付けちゃっているのだ。
柔らかい素材の字幕を用意できればよかったんだけど、そんな時間もないので紙を細かく切って余白ができるように少しずつ貼る。
思えばここから荒々しさが湧き出てきた。
家でエンドロール
とにかくスタッフロールができた。あとは、カメラの画角の下のところに字幕がうまく入るようにセットすれば撮影ができる。
カメラのすぐ前に字幕を置くことになるんだけど、ちょっとした角度とか向きですごくずれて見えちゃう。
あとカメラに近すぎて字幕がボケる。色々やってみたが僕が持っているカメラではどうしようもなさそうだ。
『スタッフロールってそもそもちゃんと読まないから、ボケてくれた方がイメージの中のスタッフロールに近くなるよね』と自分を納得させました。皆さんもいかがでしょうか。
カメラの方は小さい三脚、字幕は水性ペンのセットとウェットティッシュのケースを重ねてその上に置いた。
字幕が目の前で流れていた。上に長々書いたような無いはずの物語を想像してしみじみする予定だったのだが、キャタピラがうまく動くか心配でそれどころではない。
実際に時々止まっている。
でもまあ遠くから見ればエンドロールと言えないこともない。外でも撮ろう。
河川敷でエンドロール
ものすごく暑い。日向でちょっとカメラを触ったら本体が熱を持ちだしたので慌てて日陰に移動した。
ここでも装置のセッティングが難しい。あと風がある。こういうことをしていて毎回ハッと思い出すのだけど、外は風があるのだ。家でできたことが外でできるとは限らない。
三脚で調整してちょっと撮って首を傾げて、の繰り返しである。風で小さい物が飛ぶ。
「ガタン、ゴトン!」が「ダカラ、チャント! ダカラ、チャント!」という風に聞こえる。ちゃんとどうしろって言うんだ。具体的なこと言わずに怒りだけぶつけるのは良くないと思います。
カメラの方はフタを開けたウェットティッシュのケース、後ろにリュック。字幕は地面に直に置いてケースに立てかけるようにしている。結局三脚使ってない。
大汗をかきながらエンドロールを撮った。地球がこんなに暑くなって終わる物語でいいんだろうか。ハッピーエンドなのかそれは。
待ってみたのだけどパンツ姿のままくつろいでいたので、仕方なく装置の向きを変えた。
色々あって、結局撮れたエンドロールがこちらです。
どうやったら終われるか
撮った動画を見返し、まだできることがあるのではないかと思った。公園に移動してセッティングをするけどやはりうまくいかない。字幕もボロボロになってきた。
少年:何してんの? それ何?
筆者:(なんて言えばいい…?)これをね、使ってたんだ
少年:なんか戦車みたいに見えるけど
筆者:そうそう、戦車をね、改造したんだよ
少年:お茶飲も。アクエリだけど
筆者:アクエリ良いね
少年:(飲み終わって)うん、じゃあね
筆者:じゃあね
少年が自転車で行ってしまうと僕も自分の中で踏ん切りがついた。「まだ何かできるのではないか」という執着を少年が引き剥がしてその辺にポイっと捨ててくれた感じがした。
暑い日に外でやりたいことをやったという満足感だけが残っていて、清々しい気持ちで家に帰った。