つい先日、3年ぶりの海外旅行でアメリカはシアトルを訪れたときのこと。現地在住の友人にアテンドしてもらい「ラーメン」を食べに行く機会に恵まれた。
当初は円安とアメリカのインフレに焦点を当て「ラーメン1杯のお値段」について執筆しようと考えていたのだが、それより気になったのはラーメンのぬるさ。さらにはその驚きの理由である。
・普通に馴染んでる
寿司や天ぷらと並び、今や世界中で「ジャパニーズフード」として知られているラーメン。特に寿司とラーメンはわざわざお店を探さなくても街中で見かけるほど、世界各地で馴染みまくっている。
今回、私がシアトルで訪れたのは、日本の有名ラーメン店「麺屋 空海」がアメリカで展開する「輝月 KIZUKI」というお店。平日の夕食時であったが、客席はほぼ満席であった。ジャパニーズラーメン、頑張っとる。
・1人前2000円オーバー
注文したのは “Most Popular” とメニューに記載されていたガーリックトンコツ醤油ラーメン。すなわち、にんにく豚骨醤油ラーメンである。
価格は1人前15.5ドルだから、1ドル140円換算で2170円。メチャメチャたけぇぇぇえええ! ……のだが、それよりビビったのは結果的にスープのぬるさであった。
全体的な味はさほど日本のラーメンと変わりなく、普通に美味しいラーメンだと断言できる。友人によると「全然美味しくない店もあるよ」とのことであったが「輝月 KIZUKI」のラーメンは日本基準と考えていいだろう。
・美味しいんだけど
……が、やや麺がやわらかめであったことに加え「スープのぬるさ」は非常に気になった。当然、温かいのは温かいのだが、フーフーして冷ます必要は一切なし。丼が到着した1秒後から麺を流し込める程度にはぬるい。
なぜこんなにスープがぬるいのか? 気になり友人にたずねてみたところ、その理由があまりにもアメリカ過ぎたのであった。
「スープが熱々だとヤケドしたときに訴訟になっちゃうからだと思うよ。もちろん、ピザとかパスタとか熱々の料理はあるけれど、スープ系は万が一ひっくり返したら大変なことになるからじゃないかな?
だからこの店だけじゃなくてラーメンはどこもぬるめだよ。アメリカ人はこういうものだと思ってるから気にならないと思うけど、日本人が食べるとぬるいって感じるよね。まあ、ヤケドしたって訴えられない程度の熱さってところが大事なんじゃないかな?」
……THE・アメリカ! もちろん、この見解は友人の見解であり、もしかしたら他にも理由があるのかもしれないが、少なくとも現地在住の日本人界隈では上述した理由が通説となっているようだ。
なお、シアトルに限らずアメリカのラーメンはぬるいことがほとんどのようなので、やはり「熱々だと訴えられちゃう説」は濃厚な説なのではないだろうか? 日本では考えられないことで訴訟が起きるアメリカなら、十分に考えられる話だ。
とはいえ、店を間違わなければラーメン自体は全然おいしいし、ただ「ぬるい」というだけである。わざわざアメリカで食べるラーメンも情緒があるので、機会があればぜひご賞味いただきたい。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.