イギリスの通信会社Cable.co.ukが、世界233カ国のデータ通信量1GB当たりの価格差をまとめた「Worldwide mobile data pricing 2022」を発表しました。
Worldwide Mobile Data Pricing 2022 | 1GB Cost in 233 Countries
https://www.cable.co.uk/mobiles/worldwide-data-pricing/
Cheap mobile data: UK in 59th place, US not in top 200 • The Register
https://www.theregister.com/2022/07/26/mobile_data_survey/
Worldwide Mobile Data Pricing 2022にアクセスすると表示される世界地図がコレ。データ通信量1GB当たりの平均価格によって233カ国が色分けされています。色は最安値に近いほど青色に、最高値に近いほど赤色となっています。
国にカーソルを重ねると、情報が表示されます。日本は233カ国中182位で、データ通信量1GB当たりの平均価格は3.85ドル(約520円)でした。サンプルデータになったプランは22種類で、価格は2022年4月26日時点のものとなっています。
お隣の韓国は224位で、データ通信量1GB当たりの平均価格は12.55ドル(約1690円)
アメリカは233カ国中202位で、データ通信量1GB当たりの平均価格は5.62ドル(約750円)
IT業界でも最前線を走る1国である中国は22位。データ通信量1GB当たりの平均価格は0.41ドル(約55円)と、日本のおよそ9分の1ほどでした。
最も安いのはイスラエルで、データ通信量1GB当たりの平均価格が0.04ドル(約5円)です。国民の4分の3がスマートフォンを所有しており、かなり広い地域で4GLTEあるいは5Gのネットワークが敷かれているとのこと。
逆に最も高かったのは、アフリカから1840km西に浮かぶ、人口約4000人の火山島のセントヘレナです。データ通信量1GB当たりの平均価格は41.06ドル(約5520円)で、日本の10倍以上。データ通信量1GB当たりの平均価格が高い国ベスト5のうち4つは島国です。
Cable.co.ukは233カ国から得られたデータから、以下の4つの特徴をまとめています。
・インフラが整っている国は通信料が安い:古くから4Gあるいは5Gインフラストラクチャが整っている国は1GB当たりの通信量が安くなる傾向にあるとのこと。
・モバイル回線に依存している国は通信料が安い:固定回線ブロードバンドの可用性がほとんど、あるいはまったくない国は携帯電話のモバイルデータに大きく依存します。インターネットインフラストラクチャのほとんどがモバイル回線の場合、市場が飽和状態となって多くのプロバイダーが競合するので、市場競争によって1GB当たりの通信量が安くなる可能性が高くなります。
・通信量が少ない国は通信料が高くなる:そもそもインフラストラクチャの使用が制限される文化が存在する国では、スマートフォン用のSIMカードが安く手に入るものの、1日で通信量制限に達してしまうこともよくあるとのこと。そのような国ではどうしても1GB当たりの通信量が高くなってしまいがちだそうです。
・経済的に裕福な国は通信料が高くなる:裕福な国は優れたモバイルインフラストラクチャ、適切な通信量制限、比較的健全な市場を抱えている傾向があります。また、国民も通信量を払える経済的余裕があります。
Cable.co.ukは「モバイルデータを最も安く購入できる国の多くは、大きく分けて2つのカテゴリーに分類されます。1つはモバイルおよび固定ブロードバンドのインフラが充実している国で、プロバイダーは大容量のデータを提供でき、データ通信量1GBあたりの価格が下がります。一方でブロードバンドネットワークがあまり発達していない国では、モバイルデータへの依存度が高く、経済的に余裕があるため、価格は低くならざるを得ません。また、インフラがあまり整備されていない国や、消費量が非常に少ない国もあります。一度に数十MBのデータパッケージを購入することが多く、1GBは比較的大きなデータ通信量となるため、購入するデータ通信量も高くなります。多くの国は、インフラが整備され、モバイル市場の競争力があり、料金は世界で最も安いとは言えないが、その消費者からは必ずしも高いとは思われないでしょう」とコメントしました。
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