「マーケターにとって最重要スキルはスピードと適応性」:StockXのCMOディーナ・バーリ氏

DIGIDAY

2019年にStockXのCMOに就任したディーナ・バーリ氏は、パンデミックの間に同社のマーケティングをリードし、非アパレルカテゴリーの商品を拡大させた。そして現在はStockXを国際的なプラットフォームに成長させることに注力している。課題は、配送の摩擦、そしてターゲットとなる次世代へのアプローチの仕方だ。

2019年にStockX(ストックエックス)のCMOに就任したディーナ・バーリ氏は、パンデミックのあいだに同社のマーケティングをリードし、非アパレルカテゴリーの商品を拡大させた。現在、バーリ氏はStockXを国際的なプラットフォームに成長させることに注力しているという。

データだけでなくストーリーテリングの要素が必要

「我々はつねに世界中から顧客を抱えており、そうした顧客の一部は、配送の関係で簡単に買い物ができない場所におり、面倒な手順を踏んでいる場合がある」とバーリ氏は言う。「そうした人たちのために摩擦をなくしたいと思っている。マーケティングでは、需要と供給のアンバランスといった普遍的なものと、各市場特有のダイナミクスのバランスをとることが重要だ。日本、中南米、その他の地域すべてには、需要がある商品とそうでない商品があり、それぞれ独自の文化が存在する」。

マーケティングにおける分析は比較的新しいものだが、バーリ氏は、パフォーマンスマーケティングを超えて考えることが重要だと述べている。

「ブランディングやストーリーテリングに少し回帰している」とバーリ氏は言う。「愛すべき次世代の顧客を私が賞賛している理由は、彼らはただ取引されるだけということを求めていないからだ。自分たちの心を掴んでほしいと思っている。データドリブンなマーケティングはすばらしいが、ストーリーテリングの要素がなければ、そこには魂がないかもしれない。左脳的思考と右脳的思考のバランスをとることが重要なスキルだ」。

マーケターにとって最重要スキルは、スピードと適応性

2021年6月にStockXでは、初のStockXデーをローンチした。これはパネルディスカッションや独占的なドロップなど、同社のマーケティングチャネルを横断する4日間にわたるキャンペーンだ。バーリ氏はこれを「ブランドの節目となるテントポール」と呼ぶ。また、バーリ氏はStockXの技術に精通した顧客とつながる新しい方法として、ディスコード(Discord)、ツイッチ(Twitch)、コネクテッドTVといった新たに出現したチャネルを挙げている。「ディスコードのようなプラットフォームが提供する、顧客同士やブランドと直接対話ができるというある種の双方向コミュニケーションは、マーケターに新たな機会をもたらしている」と彼女は述べている。

しかしマーケターにとってもっとも重要なスキルは、スピードと適応性だとバーリ氏は指摘した。この2年間はパンデミックに支配され、マーケターが注意しなければならない多くの急激な変化を決定づけることとなったが、他の要因を脇に追いやってはいけないのだという。

「パンデミックは終わっていないが、それによる混乱は減少している」と彼女は言う。「いまでは、感染者が急増したときに何をすべきかわかっている。現在、マクロ経済的な要因や消費者動向は変化している。私たちは、世の中の動きに反応しなくてはならない」。

[原文:StockX CMO Deena Bahri: 2022 Top Marketer]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:猿渡さとみ)


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