遅くなる部分があるとは、思わなんだ。
先日のWWDC 2022で、Apple(アップル)はM2チップとともに新型13インチMacBook Proも発表し、パフォーマンスの高さを強調してました。でも、新しいMacBook Pro、ストレージが256GBのベースモデルに関しては、SSDが前より遅いらしいんです。
MacRumorsが伝えてるように、YouTuberのMax TechとCreated Techが、新MacBook ProのベースモデルのSSDが去年のM1搭載モデルより遅いことを発見しました。それも、ちょっと遅いって程度じゃないみたいです。
読み込み速度はM1の半分
どれくらい遅いかっていうと、読み込み速度が50%ダウン、書き込み速度も30%ダウンと、かなりの違いです。Max TechとCreated Techは、どちらもBlackmagicのDisk Speed Testアプリを使ってきちんとベンチマークテストしています。Max Techの記録では、M1 MacBook Proの書き込み速度が2,215MB/秒だったのに対し、M2 MacBook Proでは1,463MB/秒でした。
上の動画、Max TechのVadim Yuryev氏による測定結果は以下のようになってます。
13インチ MacBook Pro (M1/256GB) 読み込み: 2,900 MB/秒
13インチ MacBook Pro (M2/256GB) 読み込み: 1,446 MB/秒
13インチ MacBook Pro (M1/256GB) 書き込み: 2,215 MB/秒
13インチ MacBook Pro (M2/256GB) 書き込み: 1,463 MB/秒
こういうときってテストアプリに問題がある場合も多いんですが、今回はそうじゃないようです。Yuryev氏が新MacBook Proを解体したところ、256GBモデルにはNANDフラッシュストレージチップが1枚しかなかったそうです。ちなみに前モデルは、128GBのチップが2枚入ってました。NANDチップを並行して使うことで速度を上げられるので、シングルとデュアルの差は大きいです。
現在Appleが米Gizmodo編集部や多くのレビュワーに貸し出してくれているのは1TBのモデルなので、ベースモデルでの検証はまだできてません。ただ、512GB以上のモデルは前バージョンと同じような速度が出てるので、遅いのはベースモデルのみだと考えられます。
なぜAppleがMacBook ProのベースモデルにNANDチップ1枚しか載せなかったのか、理由はわかりません。ありえそうな理由のひとつは、ユーザーから見えない形でコストを下げるため、ということ。もうひとつはサプライチェーンの問題、つまり128GBを2枚ずつ搭載するための部品調達が間に合わなかったのかも、ということです。Appleにコメントを求めていますが、記事執筆時点では回答はありません。
いずれにしても、AppleはSSDの速度が遅くなったことを今までクリアにしていませんでした。ストレージの読み書きが遅いってことは、たとえばファイルを外付けドライブに移動するときなどのパフォーマンスにかなり影響します。より多くの人が買うであろう新MacBook Airでは、こういうこっそりパワーダウンがないといいのですが…。