スラップ訴訟とは
言論の自由を脅かす「スラップ訴訟」を根絶するため、英政府が動き出した。
「スラップ(SLAPP)訴訟」とは「Strategic Lawsuit Against Public Participation (市民参加を妨害するための戦略的訴訟)」の略。1980年代に米デンバー大学の教授らが命名した。富裕な個人や大企業などが学者やジャーナリスト、市民組織に対して起こす、批判や反対運動を封じ込めるための威圧的な訴訟を指す。
「プーチン本は名誉棄損」 アブラモビッチ氏が提訴
スラップ訴訟の最近の具体例を見てみよう。
英高等法院は昨年11月、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のキャサリン・ベルトン元モスクワ支局長による著作『プーチンの人々(未訳)』(2020年、ハーパーコリンズ)の中の数か所がロシア出身の新興財閥ロマン・アブラモビッチ氏に対する名誉棄損に当たると結論付けた。