充電器15個近く買えますね。
Apple(アップル)が環境保護のため、充電に必要なUSBアダプタの同梱をiPhone 12からやめましたけど、これについてブラジルのゴイアニア市の男性が「別途自分で購入しないと充電できないなんておかしい」と同社を提訴。裁判所は男性の訴えを認め、同社に罰金5000ブラジルレアル(約13万円)の支払いを命じました。
ブラジルではiPhoneなどの電化製品に充電器を付属させない行為は基本、違法とみなされるようですね。2020年12月にはサンパウロ州の消費者保護法所轄局Procon-SPが「iPhone購入時に充電器を求める消費者には無料でこれを提供しなければならない」と同社に命じています。Apple側は「充電器はすでに持っている消費者が大半。付属品から省くことで二酸化炭素排出削減につながる」と抗弁しましたが、「削減量を示す裏付けが不十分」と退けられています。
2021年3月には全国レベルで非同梱のiPhone 12について1054万6,442.48ブラジルレアルの罰金(ブラジル消費者保護法が定める罰金としては最高限度額に相当)。同年9月にはiPhone 13についても同様の罰金が科されました。そのときProcon-SPエグゼクティブディレクターはTechTudoにこんな風に説明していました。
「充電器付きでXだった製品が本体だけでXになったら、実質値上げではないか」
「スーパーに買い物に行って400グラム20レアルだったものが、20レアルの価格据え置きのまま300グラムになるようなものだ。分量が減るならそうと、パッケージにその旨記載して、買い手がちゃんとわかるようにしないといけない」
Apple公式サイトには非同梱と明記されているんですが、それだけでは不十分で、「ブラジルで売る以上は、カモフラージュするのではなく、デカデカと書かないと消費者保護法に抵触する」というんですね。ブラジルではSamsungもGalaxy S21でお叱りを受けて充電器を無料配布しています。
今回の民事訴訟で裁判官が問題にしたのは「抱き合わせ販売」です。
「充電器を別途買わないと本体が正常に機能しない」というのはブラジル消費者保護法では禁じられています。Appleは「 USB-C – Lightningケーブルは同梱になっている。どんなUSB-Cアダプタでも利用できる」と主張したのですが、裁判官は「ほかのアダプタでは充電できないので、消費者はAppleの純正品を買わざるをえなくなる」と反論しました。う~ん…非純正アダプタでも充電できるんだけどな…。
ちなみに原告が手にしたiPhoneはどのモデルかわかりませんが、ブラジル国内の相場はiPhone 13が最安6374レアル(約16万7600円)から、USB充電器は343レアル(約9000円)です。こういうのは事前によく説明して、「同梱要りません」を選ぶと安くなるようにすれば、だれからも文句がこないんじゃ…。
Teslaも充電器同梱やめて大騒ぎ
なんか今月はTeslaもいきなり同梱をやめて大騒ぎです。事前予約した人が明細見たら、いきなり400ドルの別料金になってて「なんじゃこりゃーーー⁉⁉」となったもの。Teslaのサイトでは、車が届いても充電できなかったら死ぬってことで、275ドルの充電ケーブルも400ドルの充電ケーブルも「在庫切れ」になってしまってます。
イーロンは「だってあまり使われていなかったんだもん」と同梱撤廃理由をツイートしたんですが、「どうせコスト削減」と叩かれて、急きょ値引きを発表しました。Twitter買収成立で今はそれどころじゃないだろうけど、こういうサプライズはナシに願いたいものですよね。
Sources: TechMundo, AppleInsider