フィリピン大統領選で「独裁者の息子」が支持率トップ、国民は教科書よりTikTokを信じているとの報道

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by Prachatai

2022年5月9日に実施されるフィリピン大統領選挙で、かつて独裁者として君臨し、その後の民主運動により追放されたフェルディナンド・マルコスの長男であるフェルディナンド・ロムアルデス・マルコス・ジュニア氏がTikTokで絶大な支持を集めていると、Los Angeles Times紙が報じました。

Dictator’s son uses TikTok to lead in Philippine election and rewrite his family’s past – Los Angeles Times
https://www.latimes.com/world-nation/story/2022-05-05/dictators-son-uses-tiktok-to-lead-philippines-election-and-rewrite-his-familys-past

2022年のフィリピン大統領選の有力な候補者であるフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏、通称ボンボン・マルコス氏の実父は、 1965年12月から1986年2月まで大統領を務めたフェルディナンド・マルコスです。マルコスは大統領就任後、インフラ整備や経済成長を主導してフィリピンの発展に貢献しました。

by Bluemask

しかし、1970年代に入り学生運動や爆弾テロで国内情勢が不安定化すると、共産主義を抑え込むためとしてフィリピン全土に戒厳令を発令して独裁体制を構築しました。これにより、多くの無実のフィリピン国民が逮捕され、警察や軍による拷問などで命を落としたとのこと。また、マルコスは戒厳令下のフィリピンを支配した14年の間に不正蓄財を重ね、私腹を肥やして一家でぜいたくな暮らしを送っていたことも分かっています。

しかし、そんなマルコスの長男であるボンボン・マルコス氏の陣営は、TikTokで展開している選挙運動の中でマルコスによる圧政を否定。フィリピンに経済的な発展をもたらしたとの功績を強調した上で、ボンボン・マルコス氏が父の後を継げば、新型コロナウイルスに苦しむフィリピンが復活すると主張しています。

TikTokには、スウェーデンのポップシンガー、トーヴ・ローのヒット曲「Habits」をバックに、華麗な衣装をまとったイメルダ・マルコス元大統領夫人がイギリスのチャールズ皇太子と会見するレトロな映像など、マルコス家を支持する動画が多数投稿されています。

@__xmrcszx.editszx Imelda Marcos with Prince Charles????✨???? #imeldamarcos #princecharles #marcosfamily #marcosedits #mamameldy ♬ original sound – celestine♡


有権者の半数以上が40歳以下であるフィリピンでは、若者から絶大な支持を集めているTikTokでの選挙運動の効果は絶大です。最近フィリピンで行われた世論調査によると、ボンボン・マルコス氏は支持率第2位のレニー・ロブレド氏に33ポイントの差を付けて首位となるなど、若者を中心に圧倒的な人気を誇っているとのこと。

フィリピンの若者は、独裁政権下のフィリピンで行われた数々の不正を伝える歴史の教科書より、TikTokを重視しています。首都・マニラで家電製品の販売をしている25歳のクリスデル・アルマレスさんは、Los Angeles Times紙の取材に対し、「私たちはもう歴史書を信じません。今はソーシャルメディアがありますから」と答えました。

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2022年05月09日 21時00分00秒 in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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