「犬の目カメラ」。なんでも、犬が見ている世界を体験できるカメラアプリなんだとか。
なんだそれ面白そう! 長年犬と一緒に過ごしているけれど、無意識に自分と同じ景色を見ていると思い込んでいたところもあって、見えている世界が違うことについてはあまり考えてこなかったな。
どんな風に見えてるんだろう? さっそくアプリを起動してみると……え?
お前……全っ然見えとらんやんけ……
・ぼやけまくり
最初に言っておくと、このアプリは公開されている犬の視覚データを元にしているものの、一部のモード(認識モード)については「科学的根拠に基づくデータではない」とのこと。
また、アプリ自体が「医療機関での診断に代わるものではない」としているので、遊びで楽しむものくらいに考えているのが良さそうだ。
さて、やり方を説明していこう。犬の目カメラでは、まず犬についての情報を入力していく。犬も年齢やサイズによって視力が異なってくるらしい。
こちらは筆者家の愛犬、「バディ」。11歳のラブラドールレトリバーだ。せっかくなので、今回はバディの見ている世界を体験していこうと思う。
名前は「バディ」で……
大型犬で……
11歳で……
以下の犬種にはあてはまらない、と。
初期設定はこれで完了! たまたま近くにSwitchのコントローラーがあったので、手始めにこれを撮影してみることにした。
せーの、カシャッ……
……え? どなたか違うカラーバリエーション買ってきました???
犬の目カメラを通して見た世界は、全体的に黄色っぽくて赤色がかき消えている。コントローラーの模様は人間の目で見るとどう見ても赤色なのに、犬の目カメラを通すと薄い黄色にしか見えない。
ただ、青色はより濃くはっきりと見えているようだ。犬のおもちゃには赤系の色をした物も多いけど、もしかして青系の色にしたほうが犬にとっては見やすいのかな……?
そして最も驚いたのは、視力が弱すぎること。かなり近くにカメラを寄せないとはっきりと物の形を捉えるのは難しい。人間と違ってブルーライトを直視する機会は少ないだろうに、こんなにド近視だったとは……
以前、筆者を見失ったバディがほんの数メートル先にいるのにこちらに気が付かなかったことがあった。そのときは「噓でしょ!?」と笑ってしまったのだが、こんな見え方なら視力だけで見つけられないのも納得だ。ごめんよバディ……
・野草クイズしてみた
せっかくなので、このカメラを片手に散歩に出てみる。バディには、いつもの散歩道がどう見えているんだろう?
人の目で見てみた散歩道はこんな感じ。このあたりは遠くの山まで見渡せるお気に入りのスポットだ。これを犬の目カメラを通して見てみると……
び、微妙~~!!! 晴れていることや草の色は分かるけど、雪の残っている遠くの山までは確認できない。筆者が景色を楽しんでいる時、バディはまったく興味がなさそうにしているのも納得だ。
・野草クイズ
ついでに、そのへんにあった野草も撮影してみた。う~ん、やっぱりぼやけまくって何がなんだか……
──あ、でもこれを逆手に取れば野草クイズができてしまうのでは? ちょっとやってみよう!
それではさっそく第1問!
ヒントは、ユリ科のある花だ。身近によくある粉の名前にもなっている。
答えは……カタクリ。もともとは片栗粉の原料として使われていた花である。犬の目で見てみるとほぼモノクロ写真にしか見えない。ちょっと赤みがかっている紫色はやっぱり犬にとって認識しづらい色なのだろうか。
つづいて第2問。
こちらは春の風物詩と言っても過言ではないアレだ。
答えは……つくし。犬の目を通すともやしっぽく見えることが判明した。
いよいよ最終問題!
こちらは山菜としてよく食べられている植物である。
答えは……屈(こごみ)。先ほどのカタクリやつくしと比べると、緑は判別しやすい気がする。犬が認識しやすい黄色と青色を混ぜるとできる色だからかな?
・新しい発見ができるかも
犬は視覚にはあまり頼らず嗅覚や聴覚で身の回りのことを把握しているのは知っていたが、まさかここまで見え方が違うとは。バディのことなら何でも知っていると思っていたけれど、まだまだ修行が足りないみたいだ。
でもこのアプリを使ったことで、「最近階段を怖がるようになったのは段の境目が見えづらいからなのかな」とか、「家族の車と形が似ている車が通ると反応するのは色の判別が難しいからなのか?」などと、バディの気持ちを以前より理解できるようになったと思う。
犬と一緒に暮らしている人は、是非1度この「犬の目カメラ」を試してみてはいかがだろうか。もしかしたら、お互いの距離をさらに縮めるためのヒントがこのアプリにはあるのかもしれない。
参考リンク:PRTIMES、犬の目カメラ(iOS / Android)
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:犬の目カメラ(iOS)