2022年4月、電気自動車メーカーのテスラや宇宙開発企業・SpaceXの創業者であるイーロン・マスク氏が、440億ドル(約5兆8000億円)相当でTwitterを買収することとなりました。この買収契約が成立したのち、マスク氏は一時的にTwitterのCEOに就任することを期待していると報じられています。
Elon Musk expected to serve as temporary Twitter CEO after deal closes
https://www.cnbc.com/2022/05/05/elon-musk-expected-to-serve-as-temporary-twitter-ceo-after-deal-closes.html
Elon Musk raises $7 billion in new funding for Twitter buyout
https://www.axios.com/2022/05/05/elon-musk-equity-partners-twitter-purchase
Elon Musk Secures New Financing for Twitter Deal – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-05-05/elon-musk-secures-7-2-billion-in-new-financing-for-twitter-deal
2022年5月5日にアメリカの証券取引委員会(SEC)に提出された書類から、マスク氏はTwitter買収用の資金として約71億4000万ドル(約9300億円)を18人の投資家から調達したことが明らかになっています。
マスク氏はTwitter買収に携わる共同投資家を厳選しており、オラクルの共同創設者として知られるラリー・エリソン氏から10億ドル(約1300億円)、セコイア・キャピタルから8億ドル(約1000億円)、Vy Capitalから7億ドル(約920億円)、Binanceから5億ドル(約650億円)、アンドリーセン・ホロウィッツから4億ドル(約520億円)を調達しました。
さらに、Twitterの創設者として知られるジャック・ドーシー氏もマスク氏による買収を支持する可能性があり、買収完了前後に資本を拠出する可能性について話し合っているとことが明らかになっています。
マスク氏と共にTwitterの買収に出資するセコイア・キャピタルは、「20年以上にわたり、PayPalやSpaceX、The Boring Companyなど、イーロン・マスクはビジネスと技術の最前線に立ってきました。世界をつなぐグローバルプラットフォームとしてのTwitterの可能性を最大限に引き出すことを期待しており、有意義な製品イノベーションを推進する良い機会だと感じています」と語りました。
Twitterの最新収益レポートによると、同プラットフォームの収益化の基盤となるデイリーアクティブユーザーの数は前年同期比で15.9%増の2億2900万人となっています。しかし、マスク氏は投資家に向けて「Twitterの税金・減価償却費・減価償却前利益などが低すぎると感じている」「Twitterはエンジニアが多すぎて十分に機能していない」と語ったとCNBCは報じており、これらを改善するために同社のCEOに一時的に就任することを計画しているということのようです。
マスク氏はTwitterのビジネス面を躍進させるべく改革に取り組むことを計画しているようですが、The New York Timesは「Twitterは収益改善のために広告を必要としているものの、マスク氏は広告を嫌っているため、大きな問題となる可能性がある」と指摘しています。Twitterは収益の約90%を広告に依存していますが、マスク氏が広告を嫌っていることは広く知られており、2019年には「広告が嫌い」とツイートしました。
I hate advertising
— Elon Musk (@elonmusk)
なお、2021年11月にドーシー氏からTwitterのCEO職を引き継いだばかりのパラグ・アグラワルCEOは、従業員に向けて「取引成立後、Twitterがどのような方向に進むことになるかは不明瞭です」と語ったとロイター通信は報じています。
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