費用対効果で割り切れない防衛費問題
こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
財務省が「歳出改革部会」にて4月20日に提出・公開した資料が大きな反響(批判?)を呼んでいます。
防衛(財務省HPより)
https://twitter.com/rockfish31/status/1520422211667906560?s=20&t=ough4ioE_mKMZzo_VieXGg
特に物議を醸し出しているのが、17ページの部分。
「コスト面からみた非対称性」ということで、ミサイル防衛にかかる費用VS北朝鮮の弾道ミサイル一発あたりの単価や、戦車VSジャベリンの対比が並べられており、
「ミサイル防衛システムはコスパ悪い」
「戦車よりジャベリンで武装する方がコスパ良い」
と言わんばかりです(文脈から限りなくそう言っていると捉えて良いでしょう)。
最初にフォローをしておくと、財政の番人である財務省はある種の「コストカッター」ですから、こういうことを言うのが役割です。忠実にその役割を果たしていると言えます。
ただすでに有識者から総ツッコミが入っている通り、いくらなんでも今回は物事を単純化し過ぎであり、あまりに荒唐無稽な問題提起は財務省への信頼を失わせることになりかねません。
色々な観点から突っ込みはありますが、
・歩兵が多大なるリスクをとって使うジャベリンは「低コスト」と言えるのか(そもそもジャベリンが使える市街戦・ゲリラ戦の想定でいいのか…)
・核搭載の恐れがある北朝鮮のミサイルを「3億~10億」という値段で図ることは正しいのか
などなど、やはり防衛においてはとりわけ「費用対効果」「コストの対称性」などを算出することは困難であるといえます。
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ただ繰り返しになりますが、荒唐無稽であっても(ちょっと今回は行き過ぎだと思いますけど)こうした問題提起をするのが「嫌われ者」である財務省の役割でもあり、最後に判断するのは予算と権力を与る政治家たちです。
この点は細野代議士が指摘をする通りであると思います。
限られた予算の中で、いかにして防衛に充てる予算を確保していくか。先延ばしは許されない分野です。
国会後半の重要テーマであり、GDP比で2%の予算確保に向けた道筋がつけられるよう、政府与党と正面から論戦を交わしてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年5月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。