Boxにアドオンして電子帳簿保存法スキャナ保存へ対応運用、PFUが「あんしんエビデンス管理(Box)」販売開始 取引書類の電子ファイリングパッケージを中堅企業向けに

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 株式会社PFUは4月12日、電子帳簿保存法に対応した電子ファイリングサービスのパッケージ商品「あんしんエビデンス管理(Box)」を販売開始した。会計・販売管理・経費精算など複数の既存業務システムを運用している企業が、それらのシステムで扱う取引書類や電子取引情報の電子化ファイルの一元管理にクラウドストレージ「Box」を活用できるようにするもので、同法の法令要件に対応したソフトウェアと導入ガイドなどをセットにして提供。Boxにアドオンして、同法の要件を満たした運用が行えるとしている。

 標準価格(税別)は、専用ソフトや導入ガイド、ユーザーズガイド、管理者マニュアルなどが含まれる「あんしんエビデンス管理 基本パック(Box)」が年額150万円、ユーザーライセンス「あんしんエビデンス管理 基本ユーザー(Box)」が年額15万円/10ユーザー。このほかオプションとして、導入時にPFUのスタッフがサポート/レクチャーする「あんしんエビデンス管理 プレミアムサポート」(100万円)なども用意する。

 なお、Boxの契約・利用料は別途必要で、プランは「Business Plus」「Enterprise」「Enterprise Plus」に対応する。

 「あんしんエビデンス管理」はこれまで、オンプレミス用のOnBase版、クラウド運用のHybrid Cloud版が提供されており、これらが大企業向けだったのに対し、新たに販売を開始したBox版は中堅企業に適しているという。

 電子帳簿保存法では、令和3年度税制改正(2022年1月施行)において、ペーパーレス化をより促進する目的から、スキャナ保存制度の手続き・要件を大幅に緩和。紙の取引書類を電子化して保存するハードルが下がった一方で、不正時の罰則強化や、電子取引については電子データのままでの保存が義務化され、紙に印刷しての保存が認められなくなる(ただし、2023年末まで2年間の猶予期間あり)など、電子化の自由度が増す一方で企業に求められる責任も増え、システムだけでなく、規程・運用管理がより重要になるとPFUでは説明する。

 「あんしんエビデンス管理(Box)」では、同法の法令要件に対応したソフトなどのシステム面のツールとあわせて、業務プロセス導入ガイドなどの規程・運用管理面のツールをパッケージ化して提供するのが特徴だ。

 まず、システム面では、「電帳法サポートソフトウェア」をWindows PCに導入することで、スキャナ保存に必要なタイムスタンプ付与、電帳法の要件を満たす文書登録、検索や情報・PDF画像表示などが行えるようになる。

 PFUによると、Box自体が提供している機能でも同様の文書登録は可能だが、電帳法サポートソフトウェアではメタデータの登録・検索などが電帳法に最適化されており、利便性が向上するという。

 具体的には、Boxのウェブ画面では、1)アップロード後にメタデータテンプレートを指定する必要がる、2)全てのメタデータが入力対象になるため、分かりにくい、3)毎回、手入力で手間が掛かり、ミスを起こしやすい――という。これに対して電帳法サポートソフトウェアの登録画面では、1)メタデータテンプレートの指定が不要、2)電帳法で入力が必要なメタデータだけが表示されるため、分かり易い、3)リスト選択や過去履歴の選択が使えるため、手間やミスを軽減できる――としている。

 同様に、登録した文書を検索するための画面も電帳法に最適化。同法の要件の検索項目のみを表示するほか、同法特有の検索条件である「項目の値がない」「削除された文書」といった条件もワンタッチで指定できるようにしている。

 一方、規程・運用管理面のツールとしては、PFUの導入実績や社内実践ノウハウを集約して提供。ひな形を利用して手順通りに進めることで、社内の事務規程や業務フローなどを作成できるほか、マニュアルや操作説明書なども用意されており、導入をスムーズに進められるとしている。

 具体的には、1)導入までに必要なワークの説明と電帳法の概要(対応ポイント)を記載した「導入手順書」、2)対象書類の電子保存の方法を選択し、導入に必要なシステムの設定値などを確定するための「ワークブック」、3)電帳法に沿った事務処理を定めた規程のひな形について、スキャナ保存と電子取引のパターンを説明した「事務規程説明書」、4)書類の授受、関連情報入力から廃棄までの業務フローのひな形について、書類の授受形態、保存方法、および事務処理プロセスの違いによるパターンを説明した「システム化業務フロー説明書」などが含まれている。

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