金属加工業の人手不足やDXの課題を解決、NCプログラム自動生成ソフト「ARUMCODE1」をアルム株式会社がCEATEC 2022で展示【CEATEC 2022】

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 幕張メッセでリアル会場の「CEATEC 2022」が10月18日~21日に開催されるのに先駆け、17日はメディア限定のコンベンション(事前公開)を実施。製造工程の自動化、AI化を手掛けるアルム株式会社は、スタートアップ&ユニバーシティエリアにブースを出展し、「CEATEC AWARD 2022」のデジタル大臣賞を受賞したNCプログラムの自動化ソフトウェア「ARUMCODE1」に関する展示を実施している。

 ARUMCODE1は、金属加工業における工作機械の数値制御(NC)プログラミング作業を完全自動化するAIソフトウェアだ。

 NCプログラムの作成、特に5軸加工などの複雑な加工プログラムには、一定の知識・経験を備える加工者が必要とされるのが一般的だ。しかし、ARUMCODE1は2D・3DのCAD図面データを読み込むだけで、形状解析、特殊形状の識別解析、工具・加工条件の選定、工具の効率的な走行経路計算といった作業を完全自動化。オペレーターの経験によらない解析・プログラムの出力を実現している。

加工品のCADデータを使ったデモ。読み込むことでソフトウェア上にモデルが表示され、ワンボタンで解析を実行できる。

シンプルな加工品であれば1分ほどで解析とプログラム生成が完了。このままネットワークを通じて工作機械にNCプログラムを出力できる

 アルミ、銅、炭素鋼、一般構造用鋼材といった豊富な材質に対応。加工品の形状解析については、神戸大学との産学連携により解析技術を確立。工具・加工条件の選定や工具の効率的な走行経路計算には約40個の独自アルゴリズムを利用しており、最終的な加工品は寸法交差±10μm、形状交差±5~15μm、表面荒さRa0.5前後と、ミクロン単位の高精度で出力されるとのこと。最大50台の工作機械にNCプログラムを出力し、同時稼働させることも可能となっている。

なお、生成したNCプログラムは専用フォルダに保存される

 貢献が期待されるのが、業界全体の人手不足の解消やDXだ。金属加工業におけるコスト全体の50%を占めるとされるNCプログラミング作業を完全自動化することで、製造原価の大幅な削減を実現。近年の多品種少量生産化による生産性の低下といった問題の解決にも寄与する。そのほか、スマートフォン上での機械稼働状況の遠隔監視や機械ごとの稼働率・売上集計など、工場長や経営者向けの機能も用意されている。

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