中国の新興GPUメーカー・Moore Threadsが同社初となるデスクトップPC向けGPU「MTT S60」とデータセンター向けGPU「MTT S2000」を発表しました。公式発表によると、MTT S60はIntel、AMDなどのCPUプラットフォームに加えて、Direct3D、Vulkan、OpenGL、OpenGLESなどのAPIをサポートするとのことです。
摩尔线程重磅发布第一代MUSA架构GPU,以元计算赋能下一代互联网 | 摩尔线程
https://www.mthreads.com/news/31
摩尔线程发布基于MUSA统一系统架构的第一代桌面级显卡MTT S60 | 摩尔线程
https://www.mthreads.com/news/32
China’s First Domestic GPU Announced With 1080p League of Legends Demo | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/news/first-wholly-domestic-chinese-GPU-graphics-card
New Chinese GPU maker Moore Threads Unveils the MTT S60 Graphics Card With Vulkan, OpenGL and Direct3D Support | Geeks3D
https://www.geeks3d.com/20220401/new-chinese-gpu-maker-moore-threads-unveils-the-mtt-s60-graphics-card-with-vulkan-opengl-and-direct3d-support/
Moore ThreadsはNVIDIAの元グローバルバイスプレジデントであるZhang Jianzhong(张建中)氏が2020年10月に設立したGPU企業。今回発表した「MTT S60」「MTT S2000」は同社独自のアーキテクチャである「Moore Threads Unified System Architecture(MUSAアーキテクチャ)」を採用したGPUコア「苏堤(Sudi)」を搭載している点が大きな特徴とされています。
MUSAアーキテクチャは統合プログラミングモデル、ソフトウェアランタイム、ドライバフレームワーク、命令セットアーキテクチャ、チップアーキテクチャなど現代GPUに求められる一通りの機能に加えて、次世代GPU物理エンジン「AlphaCore」を搭載。このAlphaCoreは複雑な形状の個体や流体、柔軟な物体などを高精度で物理演算して、デジタルキャラクターの筋肉、衣服、髪の毛に映画のようなリアルさを与えてくれるそうです。
また、このAlphaCoreをベースにしたツールとして布や髪の毛向け作成ツール「VeraFiber」、気体・流体シミュレーションツール「Catalyst」、生体シミュレーションツール「Bionics」が同時にリリースされています。
このMUSAアーキテクチャのコアを搭載した今回のGPU2種は、OpenCL・SYCL・CUDA・Vulkan・DirectX・OpenGLなどのAPIや、Intel・AMD・飛騰・龍芯・兆芯などのCPUプラットフォーム、Windows 10・Linux・麒麟などのOS、H.264・H.265・AV1のエンコード&デコードをサポートしているとのことです。
今回発表された「MTT S60」「MTT S2000」はS60がデスクトップ向け、S2000がデータセンター向けという位置づけで、それぞれのスペックが以下。
MTT S60 | MTT S2000 | |
プロセスルール | 12nm | |
コア数 | 2048 | 4096 |
演算性能 | 6TFLOPS、192GPixel/s | 12TFLOPS |
メモリ容量 | 8GB(LPGDDR4X) | 32GB |
冷却方式 | ブロワー | パッシブクーリング |
2022年3月30日に行われたお披露目イベントでは、MTT S60を搭載したPCで解像度1080pかつ最高画質設定の「League of Legends」をプレイしている様子が公開されました。公式発表によると、中国製OS上で「Counter-Strike: Global Offensive」や「Dota2」などのeスポーツタイトルがスムーズに動作するとのことです。
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