今日もオレはトヨタ・ラウムのハンドルを握り、ナイロビ市内をひた走る。いちおう本業はタクシー運転手なので、客がいれば客を運ぶ。でも、客がいなけりゃPP気分(ポテト・ポリス気分)でポテロール(ポテト・パトロール)だ。
すると、とある住宅街の一角に、PPP(ポテト屋っぽいポイント)を発見した。ウインドーケースが無ければ単なる小屋にしか見えないが、オレにはポテジャとしての勘がある。近寄ってみると……やはり、そこはポテト屋だった。
車から降りて店の中に入ろうと……というか、車から降りた瞬間から激クサい。ドブとアンモニアの香りがプンプンする。そこはスラムでもない住宅街なのに、どういうわけだか “不潔なスラム臭” がするのである。
店に入っても、やはりスラムの香りが充満している。それに店内はゴミだらけ。ポテトのすぐ近くにゴミが落ちていたりと、お世辞にも清潔とは言い難い。まあでも、こういう店がウマい可能性も捨てきれない。
「ポテト1つ、コショー多めで」。
女将(おかみ)は無言でポテトを紙袋の中に入れ、まるで親の仇のごとくトマケチャ(トマトケチャップ)をドバドバかけ始めた。「コショー多めで」というオーダーも無視して、トマケチャまみれにしたのである。
ほら、いわんこっちゃない。
して、そのお味は……
ふむ。
味がしない。完全に味がしない。しかもフニャフニャ。さらに……(chips was testless. no taste. and it was so soft)
薄めているのか、トマケチャはまるで水のようだった……(tomato was like water…)。
これ系の味がするポテトはだいたい数時間後に下痢になる。
価格が50ksh(約50円)というのも下痢になる確率が高い価格帯であり、さらに店内・店の近辺が臭いというのも高確率でPP(ピーピー)になるのだ。
して、その結果は……
約5時間後、オレのおなかはグーグーと音を立て始め(five hours my stomach was making noise like , goooom , goooom…)、最終的には下痢になった。
トイレに行ったのは2回。その後、たくさんの水を飲んだら下痢っぽさは無くなった。『ENO』が出るまでもなく治まった。
ちなみに “イモを揚げたものですら体調を崩す” というのはアフリカで働いていた日本人の界隈でも「アフリカあるある」らしいのだが、「現地の人にはその辺(腐ってるかどうか)の見極め能力がある」と思っていたそうな。
買いかぶらないでくれ。そんな能力、ないよ。オレたちだって食って見極めるしかない。もしくは腹を丈夫にするしかない。だからこそ、こういう店でも商売ができるのだ。
もっとも、オレは一般的なケニア人よりもexP(ポテト経験値)が高いので、ある程度の予測はできる。しかし、今回のように、結局は食って数時間待たないと「ヤバいのかどうか」は分からない。“意外と美味いかも” って期待もあるし……。さて、今日の仕事はこれまで。家に帰ろう。クワヘリ。
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.