ランサムウェア攻撃で電子カルテシステムに障害、病院機能が一部停止 ほか【中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」2022/10/27~11/3】

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1. ランサムウェア攻撃で電子カルテシステムに障害、病院機能が一部停止

 10月31日、大阪市にある総合病院「大阪急性期・総合医療センター」は、院内の電子カルテシステムに障害が発生し、緊急性の高い手術や診療以外の対応を停止していることを公表した(ITmedia)。システム障害の原因はランサムウェア攻撃による障害としている。11月4日朝の段階でも解決したとの報告は公式になされていない。

 ランサムウェアは、ターゲットのシステムのデータを暗号化するなどして通常の情報アクセスができないようにし、そのうえで解決のための「身代金」に相当する金銭を要求するものとされている。情報を盗み出そうとする目的とは異なることから、解決に向けた対処には難しい判断が迫られる。

 最近、大規模なランサムウェアの被害は報じられていなかったが、決して鎮静化したわけではない。つい先日もトレンドマイクロがセキュリティに関するレポートを発表(トレンドマイクロ)。その中で「データを人質にして身代金を要求する『ランサムウェア』は2022年も活発で、2022年第1四半期(2022年1月~3月)だけで、5700件超が検出されており、2019年以降最多となった」と報告している。

ニュースソース

  • 大阪の総合病院でシステム障害、ランサムウェア攻撃か 緊急手術など除き対応ストップ[ITmedia

2. 活発化するマイナンバーカードの動向――健康保険証や運転免許証、スマホへの搭載

 岸田政権ではマイナンバーに対する動きが活発だ。マイナンバーは2016年に導入されて以来、それほど大きな動きもなかった。しかし、すでに報じられているように、ここにきて健康保険証、運転免許証などの機能を持たせることやスマートフォンへの搭載の動きが出てきている。

 今週、岸田首相が「社会保障や税の行政手続きをしやすくするマイナンバー制度の利活用に向けて、ロードマップを策定することを明らかにした」と報じられている(朝日新聞デジタル)。今後、さらなる適用が進むものとみられる。

 加えて、国税庁はe-Taxについて、2023年1月から提供する新機能を発表した(ケータイWatch)。それによれば、「マイナンバーカードの読み取り機会が改善されるほか、新しいユーザーインターフェイス(UI)、マイページ機能が利用できるようになる」という。また、寺田総務大臣は「紛失時などの再発行の期間を10日程度に短縮することを検討している」と発言した(Impress Watch)。

 一方、河野デジタル大臣は「デジタル庁はマイナポータル利用規約23条『免責事項』で『デジタル庁は、本システムの利用及び利用できないことによりシステム利用者または他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとする』と明記している」ことについて、「マイナポータルの利用規約は、民間のインターネットサービスの利用規約と比べて、極めて一般的なもので特殊な要素はない」と回答したことが報じられている(ITmedia)。これについては、マイナンバーカードの利用が「義務化」されているわけではないにしても、「ほぼ全ての国民への普及」を目指す国の制度を選択可能な民間のサービスレベルと比べた説明には批判もある。

ニュースソース

  • 23年の確定申告から「e-Tax」のマイナカード連携が便利に――読み取り回数の削減やマイメニュー機能など[ケータイWatch
  • マイナンバーカード、再発行期間を10日程度に短縮へ[Impress Watch
  • マイナンバー活用でロードマップ策定へ 首相が関係閣僚に指示[朝日新聞デジタル
  • 情報流出しても責任負わず? マイナポータル「免責事項」に疑義続出 河野デジタル相の回答は?[ITmedia

3. 約7割がスマホ依存――MMD研究所の調査結果

 歩きながらのスマホはぶつかったり、事故となったり、いざこざの原因になったりすることは容易に想像もつくが、もはやマナーを呼び掛けるだけでは解決不能か。

 MMD研究所が「2022年スマホ依存と歩きスマホに関する定点調査」の結果を発表した(ITmedia)。

 それによると、スマホ依存について聞いたところ「かなり依存している」が20.9%、「やや依存している」が49.0%と、2021年の調査と比較して、「かなり依存している」が3.3ポイント増になった。さらに、性年代別で「かなり依存している」と回答した最多は女性30代の32.7%、「依存していない」の最多は男性60代の32.6%だった。

 歩きスマホについては「危ないと思う」「やや危ないと思う」を合わせた90.9%が「危ない」と回答している。そして、規制の必要性について「必要があると思う」が68.5%になっている。

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  • スマホ依存の自覚は20.9%、歩きスマホへの危険意識は減少傾向に MMDが調査[ITmedia

4. Twitterをめぐる買収劇

 Twitterの買収を進めてきたイーロン・マスク氏は買収を完了し、上場を廃止するとともに、これまでのCEOらを解任(CNET Japan)、そして自らがCEOに就任した(CNET Japan)。買収を完了する前日、イーロン・マスク氏は広告主宛のメッセージをツイートしたことが報じられている。「親愛なるTwitter広告主の皆様」というツイートに添えた書簡の画像のなかで「私がTwitterを買収した理由や、広告についての考え方について、多くの憶測が飛び交っているが、そのほとんどは間違っている」と述べている(ITmedia)。

 就任後、早速「“広く多様な視点を持つコンテンツ協議会”の結成」を予告している(ケータイWatch)。また、「協議会の開催前に、重要な決定があったりアカウントが復活されたりすることはない」とし、さらに「認証マークの付与プロセスを見直し中」とツイートしている。加えて「Twitterの認証バッジは月8ドルになる」とも述べている。

 Twitterという世界的なSNS、情報発信プラットフォームがどのように変化していくことになるのか、健全な空間として成長をしていけるのかということが今後の着目点である。また、こうした流れから「離脱」するユーザーも一定数はあると考えられることから、一連の買収劇の影響は少なくはないだろう。

ニュースソース

  • E・マスク氏、正式にTwitter CEOに就任[CNET Japan
  • Twitter買収直前のマスク氏、広告主宛に「世界で最も尊敬される広告プラットフォームになることを目指している」とツイート[ITmedia
  • イーロン・マスク氏「Twitterの認証バッジは月8ドル」と示唆[ケータイWatch
  • イーロン・マスク氏がTwitterの買収を完了、「協議会」立ち上げや認証マーク付与プロセス見直しなど[ケータイWatch
  • マスク氏、Twitterサブスクの値上げと認証バッジ組み込みを示唆[CNET Japan
  • マスク氏がTwitter買収を完了、CEOらを解雇との報道[CNET Japan

5. YouTubeで「Primetime Channels」の提供を開始

 グーグルがYouTubeで新たに「Primetime Channels」の提供を開始した。ただし、提供地域は現時点では米国でのみとなっている(ケータイWatch)。

 Primetime Channelsは「さまざまなストリーミングサービスの映像をYouTube上から視聴できるサービス。現時点で対応しているのは、Paramount+やSHOWTIME、AMC+など。『Movies & TV Hub』から利用でき、30以上のサービスをYouTube上から視聴できる」という。サービスに合わせたアプリや、ページに遷移しなくても動画視聴が可能になる「動画サービスポータル」的な位置付けを狙うということか。

 日本での展開については明らかではないが、動画配信市場の再編の前ぶれの可能性もある話題だと感じる。

ニュースソース

  • 複数の配信サービスをYouTube上で視聴できる「Primetime Channels」――米国で開始[ケータイWatch

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