日本初のカップラーメンといえば、1971年発売の日清食品「カップヌードル」。続く2年間で実に14社ものメーカーが「追いつけ追いこせ」でカップ麺を生み出すのだが、その中にエースコックがある。
それから50年──。エースコックの第1号カップ麺「シュリンプヌードル」シリーズは役目を終え、人々の記憶から消えつつある……
と思いきや、実は東北地方においてのみ脈々と存続しているのだ!
・「シュリンプヌードル」&「カレーヌードル」(希望小売価格:税抜180円)
およそ50年のときを経て、いまは東北エリア中心に販売されている「シュリンプヌードル」と「カレーヌードル」。ともに1973年生まれだから、筆者よりもずっと年上である。
上記2商品が昭和時代からのレギュラーで、時期によっては「ワンタンヌードル」や「煮干しヌードル」といったゲストが加わることもある。
正確にいうと、店頭販売は東北地方中心であるものの、公式オンラインショップでは全国発送可。そのため「東北土産」「ご当地ラーメン」と呼べるほどのレア度ではないのだが、なぜか商品からムンムンと発散される東北愛がすごい。
パッケージには「東北で愛されて」のコピー
さらに東北6県のご当地キャラがデザインされている! 旅の記念になりそう。
せっかくなので食べてみよう。まずは「シュリンプヌードル」。
開封すると、中身はカップヌードルとよく似ている。謎肉のようなブロックや、エビが入っているのも一緒。
熱湯を注ぎ、3分待つ。
お味の方は……
なぜ全国展開しないのか不思議なくらい、感動の絶品!!!
……というほどではない。
ベースは醤油味。日清カップヌードルが自己主張バリバリの、匂いをかいだだけで「カップヌードルだ」とわかるくらい個性的な味つけとするなら、「シュリンプヌードル」はずっとずっと控えめでシンプル。素朴であっさりした味わいだ。
「シュリンプヌードル」1食56gに対して、「カップヌードル」78gなので単純に比較はできないが、前者の方が薄味に感じる。
スープだけ飲むと、ちょうどいい濃さ! ダシがきいて美味しい。意外なほど魚介の風味が強いな、と思ったら魚醤を使っているのだそう。
続いて「カレーヌードル」。ご当地キャラが描かれているのは同じ。
パッケージに「固形ルウ使用」とあるのだが……
開封するとかたまりのカレールウが入っている! 当時は業界初だったという。カレーの香ばしい匂いがふわっと広がって食欲をそそる。お湯を注いで3分待つという手順は同じ。
ルウがチーズのようにトロリと溶けて、このままでも美味しそうだが、よく混ぜて食べるよう指示がある。
カレーがまろやかで美味しい! これは日清よりも好きかも!!
・旅の思い出に
東北エリアの大型スーパーなどで販売しているほか、公式オンラインショップからも取り寄せ可能。ただし、東北に生まれ育っても「見たことがない」という声もあるから、どれくらいポピュラーかは地域差がありそう。筆者も購入に少し苦労した。
「特別に美味しいか」といわれれば、そうでもないのだが、素朴でホッとする味である。旅の思い出や、話のネタにはなるから、東北地方を訪れたらぜひ食べてみて欲しい。
参考リンク:PR TIMES、インスタントラーメンナビ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.