僕らは日々、多くの商品を目にしており、それらの多くはパッケージに包まれている。よく買う商品は、それこそ何十回、何百回も見てきたはずなんだけど、果たしてパッケージをよく見てきただろうか?
マルシンハンバーグのパッケージに書かれたキャラクターの名前が「みみちゃん」で、今年60歳だなんて知っていただろうか?僕は知らなかった。
みみちゃん、赤いちゃんちゃんこを着る
マルシンハンバーグというレトルトハンバーグを知っているでしょう。マルシンフーズが作っているチルドハンバーグです。「マールシン♪マールシン♪ハンバァーグ♫」というCMを覚えてたりしませんか。Google動画検索
パッケージには人間なのかよく分からない謎のキャラクターがプリントされており、名前を「みみちゃん」と言うのだそうです。
そのみみちゃんが、なんと還暦を迎えたそうな。つまり、発売から60周年ということで(おそらく)今だけの特別版パッケージになっています。「おかげさまで発売60周年 還暦みみちゃん」だそうです。
グレーに見えるパッケージは、小さい文字で「MARUSHIN BURG」とびっしり書かれています。いわゆる芳一プリントですね。
最近の商品パッケージにはQRコードが印刷されていることが多く、読み取ったらプレゼントキャンペーンのWebページが表示されました。
B側も見ていきます。
調理方法は、フライパンの場合は油をひかずに中火で片面2分、両面をカリッと焼くそうです。電子レンジの場合は、袋からお皿に移し、ラップを掛けて500Wなら約1分加熱してください、とのこと。
「ご注意」は調理中の油はねや、調理器具から取り出す際のやけどに注意。「お願い」は、開封後はお早めにお召し上がりくださいという、いたって普通の内容。マルシンハンバーグのパッケージで知らなかったのは、「みみちゃん60歳」という情報でした。
こんな調子で、納豆、ランチパック、ポテトチップス、柿の種、ビスコ、源氏パイ、カロリーメイト、チョコモナカジャンボ、ピノ、ごはんですよのパッケージをよく読んでいこうと思います。
おかめ納豆のおかめが笑っている理由を知っているか?
納豆が好きでよく食べるのだけど、至高はおかめ納豆だと思っています。小粒大豆が好きなのです。50gの3パック入りで60~90円くらい。オーケーストアで安く売っているので、オーケーストアに行くと必ず買ってしまいます。
そんなおかめ納豆、パッケージには笑うおかめの絵が描かれていますでしょう。
なぜ彼女は笑っているのか?よく見たらパッケージに書いてありました。
B面を見ると普通に原材料や栄養成分などの情報。大豆はアメリカ又はカナダ産だそうですが、一昨年の使用実績がここに表示されるようです。他の食品でも、原材料に産地が書いてある場合は昨年や一昨年など期間が書かれていました。そういう決まりなのでしょう。
だからなんだ、という情報ではありましょうが、パッケージをよく読むということはこういうことです。
隅に書かれていたURLを開いたら、納豆を使った様々な料理のレシピが掲載されていました。
僕は10年前に「衝撃のモヤモヤ体験、袋の裏のB面レシピ」という記事を書きましたが、今では自社のWebサイトでたくさんの応用レシピを紹介するのが普通になっているようです。B面どころじゃなくなってた。
余談ですが、「B面レシピ」という言葉、2021年の4月にミツカンが商標登録してしまったようです。へー。
納豆の個別パッケージや中身もよく見ていきましょう。
側面には消費期限とおぼしき日付。FTAKOはなんでしょうね。
よく見ているのに、全然読んでなかったタレの説明もよく読んでみました。
タレの小袋って、使わなかったら冷蔵庫の小袋ボックスに貯めて何ヶ月、あるいは数年、または永遠に残るものと思っていました。でも納豆と同じ賞味期限で使わなければいけないようです。
プラのPE.PAはポリエチレン.ポリアミドの略みたいです。たれのB面は開ける時の注意書き。説明書と違う開け方をしていたのだなと気づきました。下の絵だと、僕は手前に引くようにねじって開けていましたが、正解は上に引っ張るんだったのか…。
からしは、そのまんま「からし」と書かれていて、たれよりも情報少なめ。読み応えがありません。SB21と書かれているのはなんなんでしょうか。
開封の儀だな、これ
書いてて思ったんですが、これは「開封の儀」ですね。新しいものを買ったら、うやうやしくパッケージ写真を撮り、説明をよく読み、内容物を並べてまた写真を撮る。
見慣れた食品で開封の儀をやると、こうなります。開封の儀って、こういうものでやってもよかったんですね。
ランチパック たまご
次はヤマザキのランチパックたまご。この手の外周圧着タイプのサンドイッチは他のメーカーでも出していますが、ランチパックが一番美味しいと思います(個人の感想です)。
ランチパックの右上には、いつも妖精っぽいキャラクターがいるなぁと思っていましたが、調べたらちゃんと名前がありました。
女の子っぽい方が「ランチちゃん」。男の子っぽい方が「パックくん」だそうです。妖精っぽくてパックというと、どうしたってベルセルクを思い出してしまいます。 そしてランチと言えばドラゴンボールのランチさん(くしゃみをすると人格が入れ替わってマシンガンをぶっ放す人)。
文字情報としては「ヤマザキ ランチパック たまご たまごフィリングをふんわりパンにサンドしました。Two soft sandwiches filled with egg. そのひと手間でおいしさアップ リベイク1分 十分に温めたトースター(1000W)で1分 やけど注意温めすぎ注意」と書かれています。
ランチパックは開けてすぐ食べられる手軽さが魅力ですが、リベイク(もう1回焼く)が推奨されているのでリベイクしてみました。
B面には商品の優れた点や美味しさを解説する文章が書いてありました。僕は、この手の文章がとても好きです。
ハーモニーとか大活躍とか、ちょっと大げさな感じの褒め言葉が好ましいパッケージポエムです。
以前、奥多摩の山で発掘してきたサッポロポテトのB面にあったパッケージポエムも、とてもよいものでした。
昨今、食べ物の大きさや内容はよく変わるため、パッケージを定期的に観察しておくと、後で役に立つかも知れません(立たないかも知れないけど)。
他の商品同様、QRコードが載っていたので読んでみました。
お菓子のパッケージも見ていきます
みんな大好き、ポテトチップス。中でも僕が好きなのはカルビーのポテトチップスコンソメパンチ。パの○が弾ける感じでパンチ力を表しているのがとても良い。
端っこに「New パンチアップお肉の旨み」。POTATOと書かれたタスキを掛けたじゃがいものキャラクター。「人間」というタスキを掛けた人間を想像すると、これがどれくらいの狂気か測定できます。
B面は原材料やアレルゲンの情報。たまにポテトチップスを食べると量が少なくなった気もしますが、今も10年前も一袋60gみたいです。中高生に60gは少ないでしょうが、おじさんになった今となってはこれくらいがちょうどいい。
いつもは10分くらいで食べて袋もすぐに捨てちゃいますが、今日はよく見ていきます。
「2D01 10215 BP026」というのはシリアルナンバーでしょうか。おそらく、下に印刷されたQRコードの欠片みたいなものにシリアルナンバーが埋め込まれているものと思われます(違うかも知んない)。
最近、カルビーは「折りパケ運動」というのをやっています。食べ終わった袋を指定のとおりに畳んで、アプリで撮影して送ると「ルビー」というポイントが貯まります。さっきのシリアルナンバーとかQRコードの欠片は、ここで使われています。
この手のキャンペーンは商品のバーコードを切り取って集めて送るとか、点数シールを集めて送るとか、そういう物理的なものが主流ですよね。それが、カルビーの商品ではスマホ+オンラインになっており、未来来てるな、って感じがします。
亀田の柿の種のキャラクターにも名前があった
柿の種のキャラクター?と急に言われても映像が出てこないかも知れませんが、パッケージに描かれています。名前も、絵の下に書いてありました。知らなかったけど。
左のピーナッツのキャラクターが「ぴーなっち」で右の柿の種のキャラクターは「たねっち」だそうです。またどうでもいい情報で記憶容量を消費していきます(失礼)。
B面はこんな感じ。
1つ知らない情報がありました。子供に食べさせる際の注意事項です。
子供を育てたことがないので知りませんが、もしかして世界の常識だったりするんでしょうか。5歳以下の幼児や、泣いてる子供にピーナッツ入り柿の種を食べさせてはいけないみたいです。泣いてる子供は特に食べ物を詰まらせやすいんでしょうか。
ビスコを熟読
ビスコと言えば「強い子の」と思ったら、それはミロでした。ビスコは「おいしくてつよくなる!」で、同じ様なもんじゃん?(乱暴)
B面は「おいしさと素材にこだわりました! 中略 ビスコは家族みんなを応援します!」と書かれていました。いつもビスコに応援されていると思うと、少し頑張れる気がしませんか(しませんか、しませんか(残響音))。
ビスコは、パッケージよりも中身の小ささに驚きました。食べるの自体30年ぶりくらいな気がするけど、こんなにちっちゃっかったのか!ってくらいのミニサイズ。
このように、パッケージをよく見だすとキリがありません。買い物に行くと手にとった商品のパッケージを熟読してしまうので時間が掛かって仕方ない。
源氏パイの英文
源氏パイのパッケージは、商品名の下になにやら英文が書かれています。
「源氏パイは、小麦粉、マーガリン、砂糖など最高の食材で作られています。このハートの形をしたパイは1965年以来楽しまれています。源氏と一緒にティータイムをもっと楽しくしませんか?」だそうです。
最終的には源氏パイではなく源氏と楽しむことになっています。源氏にあらずはパイにあらずでしょうか?
(ちなみに、平家パイのパッケージには「Home-made style pies made from tenderly baked layers of savory piecrust sprinkled with liquor-filled raisins. Enjoy the fluffy soft texture and the rich raisin taste!」と書かれているようです。 delightful with Heikeとは書いてないんですね。)
カロリーメイトのパッケージの英文は長い
源氏パイと比べて、カロリーメイトのパッケージは字が細かすぎて原材料なども含むので、一見長文に見えます。でも商品説明は4行だけ。
大雑把に言えば、カロリーメイトはバランスの取れた栄養を含んでおり、忙しい人の栄養補給に最適です、みたいなことが書いてあります。
文字起こしをするのがめんどくさいので、Google翻訳のカメラ機能でリアルタイム翻訳させてみました。
カメラ翻訳だとやっぱちょっと変ですが、雰囲気はわかりますね。
チョコモナカジャンボは50周年
マルシンハンバーグのみみちゃんは60周年、還暦でしたがチョコモナカジャンボは50周年だそうです。
右下に「現品写真は拡大しています」と書かれています。そんなん知ってるわという気がするけど、「思ったより小さいんだけど!」ってクレームを入れる人がいるんでしょう。
B面に変わったことは特に書かれていませんが、販売者が森永製菓株式会社で製造所は森永エンゼルデザート株式会社と、グループ内で分かれているようです。(どうでもいいですか?)
ピノは45周年
森永さんは「なんとか周年」ってのが好きなんでしょうか。ピノは45周年だそうです。「SINCE 1976-PINO」と書いてあるので、僕とピノは同い年なのでした。ってことは、年で言えば2022年はもう46周年なのでは(2021年に生産された分でしょうか)。
B面にはピノの豆知識。1年間で食べられるピノを並べると4万kmくらいになるそうです。(だからなんだ感もありますが)
側面には保存方法。-18℃以下で要冷凍。ピック(つまようじ)をくわえて遊ぶと危険だそうです。みんな知ってるけど、書いておかないとあとで文句を言う人がいるのでしょう(PL法的なやつ?)。
開けると、蓋の裏に「なかよしで行こう。」と書かれていて、なんかとても優しい文章が書かれていました。
9割は「知ってる」だし「だからなんだ」なんだけど
パッケージをよく見ても、書かれているのは原材料とか販売元など、知ってるというか、読んでも大した意味がない情報(だけど大事な情報)である。が、たまに「え、そうだったの?」という情報に出会える。
最初に書いた、みみちゃん60歳だったり、地味に有名だけど「のりたま」の原材料にこしあんが入っていたり、最近知ったけど「ごはんですよ」は瓶を開けたら2週間で食べなきゃいけなかったり。
気になると、すべての食品パッケージを隅々まで見たくなったり、すべてを写真で残したくなったりしますが、キリが無くなるのでほどほどで楽しんでください。じゃないと、写真フォルダが食品パッケージだらけになってしまいますよ…。
ところで、最初の方に「いわゆる芳一プリントですね」って書いたけど、いわゆらないよね、一般的には。