令和の時代にも沖縄の100円弁当は存在しているのか

デイリーポータルZ

沖縄の弁当は安い。普段生活していて本土と比べ特に物価が安いと感じることはないのだが弁当は安い。パックにごはんをみっちり敷き詰めた上に様々なおかずをのせた、いわゆる「ウチナー弁当」と呼ばれるスタイルの弁当も多く、安いうえにボリューム満点なのも特徴だ。

10年前はあった100円弁当

今から10年ほど前、那覇市の牧志公設市場付近に100円で弁当を売る店がいくつか存在しており記事で紹介したことがあったのだが、あれから時が経ち時代は令和。あらゆる物価が上昇した現在でも果たして100円弁当は存在し続けているのだろうか。今、再び100円弁当を探す旅に出た。

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2013年撮影の100円弁当。
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2014年撮影。こちらは100円丼ぶり。

まずは検索やSNSなどで情報収集しつつ、100円弁当を売ってそうな店を探してみる。が、なかなか無い。GoogleMapのクチコミで100円弁当の記述を見つけて一瞬喜ぶものの、それは7年も8年も前の書き込みで現在は値上がりしている店がほとんどのようだった。やはりもう沖縄の100円弁当は幻となってしまったのだろうか。

弁当の店 井筒屋(宜野湾市)

看板に「100円弁当」の文字を見つけて飛び込んだ宜野湾市の『弁当の店 井筒屋』。なんと24時間営業だ。

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しかし、入口横に掲げられた垂れ幕のメニューからは100円弁当の文字が消えており130円からとなっていた。残念ながらこちらも数年前に値上げしたそうだ。

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130円弁当はカレー弁当、カツ丼(小)、野菜炒め弁当の三種類。130円でも十分安いし、沖縄そばは現在も100円だ。

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この時はカツ丼は無かったが、焼きそばやスパゲッティも130円コーナーに並んでいた。オムライスやチャーハンも200円なのにパックにみっちりと詰まっており小腹は十分に満たせそうだ。

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野菜炒め弁当(130円)とオムライス(200円)。2つ買っても230円。野菜炒め弁当はマカロニ和えとナス味噌的ななにか、ごはんに油みそが添えられていた。もしかしたら日によってこのおかず部分は変わるのかもしれない。

満腹弁当(中城村)

交通量の多い国道沿いにあり大型車がよく立ち寄る人気の弁当屋『満腹弁当』。「激安」と書かれた旗からも100円弁当の気配を感じるが果たしてどうだろうか。

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弁当屋というとお昼前がいちばん品揃えが豊富と思いがちなのだが、こちらは早朝5時から営業しており朝7〜8時頃がいちばん弁当の数が多いとのことだった。そして13時には閉店。

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弁当の価格帯は300〜450円ぐらいで、450円弁当に至ってはみっちり詰まったごはんの上におかずが何種類ものっており成人男性でも満腹になるであろうボリュームだ。

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レジ前にひとつだけ残っていた150円弁当。弁当でいちばん安いのはこの150円弁当だそうだ。

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ごはんの上にはゴーヤーチャンプルーをメインに卵焼き、ポーク、福神漬け。ゴーヤーは時期的にまだ高いのにたっぷり入っていて嬉しかった。

美江食堂(豊見城市)

もしかすると沖縄の100円弁当はひっそりと途絶えているのかもしれない。
不安になりつつも、沖縄県立南部農林高等学校の近くにある美江食堂へ。

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食堂ではあるが、ここも10年前には100円弁当が販売されていた。

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食堂に入ってメニュー看板を見てみると。
左端に100円弁当の文字!あった!

250円弁当もあるようだが、他の食堂メニューも驚くほど安い。
さすが育ち盛りの高校生の胃袋を支える食堂である。

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100円弁当を頼むと、3種類あるという。
左からチャーハン弁当、豚肉弁当、ナゲット弁当らしい。潔いほどのおかずの少なさ。これぞ100円弁当である。

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チャーハンを買うと、「これもあげようね」とコップ渡された。
麦茶に見えるかもしれないが、中身は沖縄食堂の定番甘いアイスティーだ。
これで100円。おばちゃんの心遣いにお腹も心も満たされたのであった。

太平通りの弁当屋(那覇市)

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最後は那覇市の牧志公設市場のほど近くにある太平通り。昔ながらの総菜屋があり、昼前はいろいろなお店がずらりとお弁当を並べている。2013年では3種類ほど100円弁当が観測されているのだが、現在はどうだろうか。

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こちらは100円だが、惣菜のみでご飯が入っていない。100円弁当とはいえないだろう。

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「すし」とだけ書かれた大きないなり寿司!これは100円弁当にカウントしてよいのかちょっと微妙なところ。

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150円の弁当はちらほら見かけるのだが、100円弁当は見当たらない。さすがに令和のこの時代、100円弁当はなくなってしまったのか…。

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諦めて帰ろうとしたが、あった!ようやく1つだけ100円弁当を見つけることができた!

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こちらが太平通りで見つけた100円の人参しりしり弁当。パッケージは少し小ぶりだが、人参しりしり(細切りにした人参の炒め物)とミートボール、ウインナーが入っている。肉も野菜もバランスよく入っているだけでなく、3粒だけ入った枝豆が彩りを加えていて小さいながらにまとまった構成になっている。

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これは100円かもしれない!と購入した弁当。200円だった。

というわけで、令和の時代にも沖縄では100円弁当がまだ存在していた。とはいえその数は減りつつあり、そろそろ無くなってしまうかもしれない。いや、まぁ150円でも全然安いとは思うのだけど。100円弁当がどうなっていくのか、引き続き定期的にチェックしていきたいと思う。

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ちなみに沖縄の弁当屋にはだいたい「100円そば」というものがあり、沖縄そばを100円で買うことができる。予め容器に入った麺にお鍋などからセルフでだしを注ぐスタイルが多く、具はシンプルにかまぼことねぎのみという店が多い。100円そばに関してはまだまだ多くのお店で健在であり、お店によってトッピングなどに様々な違いがあって面白いのでそのうち紹介できればと思う。

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