酒の穴のふたりと、デイリーポータルZのライター、トルーさんの3人で雑談をしていて、新しいゲームを思いついた。その名も「スガシカオゲーム」。
想定上は、ごく簡単な準備だけで始められ、オンラインでも対戦可能なはず。そこでひとまずやってみたところ、これが飲みながらだらだらとやるのに最高のゲームだった。
発端は3人の雑談から
パリ:
最近、我々酒の穴とトルーさんの3人のLINEグループがなんとなくできて、そこで日々雑談をしてるんですよね。「この看板、おもしろくないですか?」って写真送ったり。
トルー:
ありがとうございます。
パリ:
そこでこないだ、もともとはなんか、ダジャレについての話かなんかをしていて、それでトルーさんが「『スガシカオ』ってアナグラムにしたくなりますよね」とか言いだしたんですよ。
トルー:
あぁ、そうでしたっけ。
ナオ:
それで試しに文字をあれこれ入れかえてみたら、いくらでも新しい文章ができて。
パリ:
奇跡的なバランスだなと。
トルー:
ですよね。他の5文字ではなかなかこうならない。
パリ:
それこそ「スズキナオ」だと、だいぶ手数が減る。
ナオ:
はは。面目ない。
パリ:
これもう「スガシカオゲーム」というカードゲームになるんじゃないかと。で、あれこれルールについて考えていたら、けっこう単純なところに落ち着いて、オンラインでもできそう。
ナオ:
それを今日はやってみようというわけですね。飲みながら。
トルー:
やりましょう!
「スガシカオゲーム」のルール
まず、我々が考えたスガシカオゲームのルールが以下。
【用意するもの】
・カタカナ50音と、濁音、半濁音の文字が書かれたカード
・さいころ
※今回はオンラインで行うため、オンラインでさいころが振れたり、ランダムに50音が表示される下記のようなサービスを利用します
・さいころ
https://jp.piliapp.com/random/dice/
・50音
https://randommmm.com/hiragana/
【ルール】
1)
場に、「ス」「ガ」「シ」「カ」「オ」という5枚のカードを、まずは順番通りに並べる。
2)
参加者が順にサイコロをふる。1〜5が出た場合、その数字に応じた位置にあるカード(現状で「3」なら「シ」)を好きな場所に入れ替え、新しい意味となる文章を作る。
前に出た文章とかぶったり、意味が通らなかったりしなければOK。
判定は参加メンバーによって行う。
3)
6は「シャッフルチャンス」で、別の山にあるスガシカオ以外のカタカナが書かれたカードのなかから1枚を引き、1回限りそのカードを加えた6文字の文章を作ることができる。しかも、入れ替え文字数も無制限。
そのターンが終了したら今回引いた50音カードは破棄。
4)
どうしても文章が作れなくなった人が脱落してゆき、最後まで残った人が勝ち。
ゲーム開始!
【ターン1】トルー
トルー:
じゃあ、さいころ振ってみます……あ、いきなり「6」出ちゃいました!
パリ:
初回からシャッフル!
トルー:
ということは、50音カード追加ですよね。「コ」が出ました……あれ? すごい、困りますねこれ。
パリ:
いきなり自由が与えられすぎて。
トルー:
いやでも、なにかはできるはず。はい、できました。
「カオガスコシ」(顔が少し)
ナオ:
ははは!
トルー:
ちょっと途中っぽいんですけど。
ナオ:
余韻がある。
パリ:
いろんなシチュエーションが想像できますね。ほら、お見合いとかでさ、仲介人の人に「ふたりともどうだ? 気になることがあったらなんでも言っていいんだぞ!」とか言われて。
トルー:
ふふ。「顔が少し…」。
ナオ:
奥ゆかしい人だ。
トルー:
ここで「コ」のカードを退場させるんですよね。すでに「顔が寿司」になってますね。
パリ:
はは。この調子でどんどんやっていきましょう!
【ターン2】スズキナオ
ナオ:
「4」が出ましたよ。とりあえずここは無難に。
「カオス菓子」(カオスガシ)
パリ:
はいはい。
トルー:
どういう菓子なんだ。
パリ:
「ねるねるねるね」とかですかね。
ナオ:
確かに、あれカオスですよね。子供に「てつだって〜」とか言われたらおろおろする。
トルー:
ははは。最近、グミを自分で作ったりするのもありますよね。
ナオ:
そうそう、さらにそれでネタとシャリを作って、寿司の形にするやつとか。
パリ:
カオス寿司でもあるわけだ。
【ターン3】パリッコ
パリ:
「1」です。あ、これはもう。
「オスが鹿」(オスガシカ)
パリ:
スガシカオゲームでは王道というか。
トルー:
ははは。でもどういう状況なんだ。
パリ:
えーと、メスが別にいて……。
トルー:
あ、オスとメスが目の前にいますと。
ナオ:
で、「当ててください」って言われてるわけですね。
パリ:
そうそう。「え〜と、オスが鹿! 角が生えてるから。メスが牛! 」
ナオ:
いや、簡単すぎるでしょう。
【ターン4】トルー
トルー:
「1」です。あ、これ、スガシカオにできちゃう!
パリ:
あ、事前に話してたんですよね。そこにだけは何度でも戻していい「スガシカオチャンス」。ありにします? なしにします?
ナオ:
なにかメリットがあるといいですよね。
パリ:
う〜ん、スガシカオの好きな歌が聴けるとか?
ナオ:
はは。けっきょく全員聴ける。
パリ:
長引きますね。
トルー:
戻さない方向が良さそうですかね。
ナオ:
そうしましょう!
「素顔鹿」(スガオシカ)
トルー:
これはね、もう。
ナオ:
メイク鹿が別にいてね。
パリ:
わはは。素顔のシカってこと? この世のほとんどの鹿じゃん。
いよいよスガシカオゲームの深淵へ……
【ターン5】スズキナオ
ナオ:
「2」がきました。
パリ:
……あれ、想像してみると、これけっこう難しいですね。だんだん厳しくなっていくのかな。
トルー:
うん……。
パリ:
いや、でもここからがスガシカオゲームの本領な気がしますよ。
ナオ:
ですね、苦しさを楽しむというか。じゃあこれかな。
「酢推し画家」(スオシガカ)
トルー:
ははははは!
ナオ:
大丈夫ですか?
パリ:
ありでしょう! 描くモチーフが酢ばっかり。もしくは画材として使う人?
ナオ:
はは。もう、絵がにおう。
パリ:
このワードがスガシカオから生み出されるの、すごい。
【ターン6】パリッコ
パリ:
そろそろ6出したいな〜……「5」だ。うん、まだいけますね。
「カス推し画」(カスオシガ)
ナオ:
はは! どういうことっすか。
パリ:
いや、カスを推してる画家の描いた絵ですよ。
トルー:
え〜と、人格のことですか?
パリ:
そうですね。カスの絵しか描かないという……。
ナオ:
そういう芸術。
トルー:
個展で絵がずらりと並んでるの、見たいですね。
【ターン7】トルー
トルー:
「2」です。え〜…………。
「顔死ガス」(カオシガス)
パリ:
わはは。
ナオ:
こわいな〜このガス! 全体が死ぬほうがまだマシ。っていうか「顔死」ってどういう状態ですか?
パリ:
確かに、物言いですよこれは。
トルー:
ふっ。ですよね。
ナオ:
でも意外と「おい君、顔が死んでるよ」って言うことはありますよね。
パリ:
あ〜。
トルー:
嗅がされると徹夜した感じになっちゃう。
パリ:
東急ハンズのパーティーグッズ売り場にあるやつだ。
【ターン8】スズキナオ
ナオ:
「5」が出ました。ゲームが進行するにつれてどんどん狭められていくんだな。やべぇやべぇ。
パリ:
うん。でも、自分が一生聞く機会もはいはずだった言葉がどんどん降ってくるのは楽しいですね。脳が活性化してくる感じで。
トルー:
はは。確かに。
「顔死すが…」(カオシスガ)
ナオ:
ちょっとこれでいくしかなかったっす。
パリ:
続きもので。
ナオ:
そうそう。顔死ガスで顔死すが……はたして!?
パリ:
はたして!? じゃないよ。
【ターン9】パリッコ
パリ:
「3」で。できればストーリーを続けたい気持ちもあったんですが、難しかったんでがらっと変えちゃいます。
「カシオ菅」(カシオスガ)
ナオ:
誰!? あ〜、でも浮かぶっすね、不思議と。計算の早いやつで。
パリ:
はは。ハリウッド映画に出てくる日本人。もしくは中学校に、いきってデジタル腕時計をつけていっただけでそういうあだ名になっちゃったやつ。
トルー:
キーボードという可能性もありますね。
パリ:
はは! 「菅ーズ」というロックバンドのキーボード担当。
【ターン10】トルー
トルー:
「1」ですね。え〜と……。
「塩か菅」(シオカスガ)
ナオ:
ははははは。なんのマッチ?
パリ:
説明欲しいですね。
トルー:
はい……料理を作ってて、その……。
パリ:
ふふふ……。
トルー:
もう、どうしたらいいかわからないと。そんなときに「ひとつお助けアイテムを使っていいですよ」と言われて、塩か、それともカシオ菅がやってきて手伝ってくれるか、その二択という。
パリ:
それ、どこで料理してるんですか? TV番組?
ナオ:
そもそも塩はキッチンにないんすか?
トルー:
塩は与えられてなかったんですね。
パリ:
そもそもカシオ菅って料理得意なんすか?
ナオ:
はは。苦手でしょ、たぶん。
トルー:
そこは、時間を計ってもらったりできますから。
パリ:
状況めちゃくちゃだけど、おもしろいからありですね!
不本意ワードが登場しはじめる
【ターン11】スズキナオ
ナオ:
「2」で、ちょっと不本意なんですけど。
パリ:
そろそろ不本意も出はじめる。
「鹿(オス)が…」
トルー:
あ〜。
パリ:
新しい文章だけど、前に出たワードを使うのは悔しさありますね。あと、ナオさん、余韻系好きですね。
ナオ:
はは。どうしてもね。
【ターン12】パリッコ
パリ:
「4」です。う〜ん、難しいな。
「シカオガス」(シカオガス)
ナオ:
はは。このシカオは、スガ?
パリ:
スガです。
トルー:
ははは。
パリ:
ライブとかでほら、ファンがみんなうっとりしちゃって。
ナオ:
なるほど、スガシカオファン独自の用語というか。
パリ:
「ここのメロディー、ガス出てるよね〜」「出てる出てる!」って。
ナオ:
そんないい状態を「シカオガス」って表現するんですね。
トルー:
「ガス」ってねぇ。
【ターン13】トルー
トルー:
「3」です。これでいきます。
「潮嗅がす」(シオカガス)
パリ:
はいはいはい。
ナオ:
この「潮」なのがいいなぁ。
パリ:
「うしお」のほうの。
トルー:
海辺に連れていってあげてね。
ナオ:
あ、だから、「海にでも連れてってやろうか?」のぶっきらぼうな言いかたというか。
パリ:
わはは! 少女漫画で、失恋した女の子にちょっと不良っぽい幼馴染がね。
トルー:
それ、キュンとくるんすか?
パリ:
キムタククラスならいけるんじゃないですか? 「ちょっと、どこに連れてくのよ?」「……潮嗅がす」。
ナオ:
わはははは。どうしても「嗅がす」が嫌なんだよなぁ。
トルー:
鼻に袋を当てられてるイメージですよね。
いろんな「推し」が登場
※ここでいったん、数分間録画が途切れていたことに気づいてなかったようで、次のターンはふたたびトルーさんから始まります。その間、「GAO」が登場したり、「滋賀侵す」などの回答が出ていた模様。
【ターン14】トルー
トルー:
「6」が出ました! 出ましたやっと。じゃあ追加50音カードを。
ナオ:
いいなー! やりたいそれ。
トルー:
「り」です!
トルー:
ちょっと、チャンスにこれかよ? っていうのいいですか?
「オシリス加賀」(オシリスカガ)
パリ:
マジですか!チャンスにこれですか?
ナオ:
マンションの名前?
トルー:
人名……なんですかね。オシリス神っていうのがいまして。
パリ:
芸人でいそう。
トルー:
そうかもしれないです。大西ライオンみたいな。
【ターン15】スズキナオ
ナオ:
ってことは次は「オシスカガ」から始めるわけですね。よし、「5」が出ました。「ガ」を動かしていいわけだ。じゃあ、これで!
「GAO死すか」(ガオシスカ)
ナオ:
さっきのGAOがほら、飲み会で酔いつぶれて寝ちゃってさ。「ああ、GAO死すかー」っていう。
トルー:
寝ちゃってるんだ。
ナオ:
カシス系の酒をいっぱい飲んでね。
パリ:
カシス系でそこまで酔いつぶれますかね。
トルー:
GAO、お酒弱いんですね。
パリ:
「またGAO死すだよー」みたいなね。
ナオ:
そうそう。メンバーにとってもいつものことで、「飲み会もここからが本番だ!」みたいな。
パリ:
これは、いいんじゃないですか?
ナオ:
やった!
【ターン16】パリッコ
パリ:
「1」です。だいぶ厳しいんじゃないかなもう。架空の人名ならけっこういけるんですけどね。これも、スガシカオゲームの中では凡庸な文章になってしまいますけど。
「推しがスカ」(オシガスカ)
トルー:
推してみたらスカだとわかったんでしょうか。それともスカな部分が推せたのか……どうなんですかね。
パリ:
スカばっかり推しちゃうんだよねーみたいなね。いや、そのくらいしか話が広がらずすみません。
【ターン17】トルー
トルー:
「4」です。とりあえずオーソドックスな感じでいきます。
「お寿司画家」(オスシガカ)
パリ:
「酢推し画家」よりだいぶまともな!
ナオ:
むしろ待望してた感すらありますよ。お寿司ばっかり描いてる画家ですよね?
トルー:
そうですね。
パリ:
煩悩にまみれてる感じがいいな〜。
ナオ:
また、美味しそうに描くんでしょうね。
トルー:
「お寿司」っていうところがいいですよね。ちゃんと「お」をつける。
【ターン18】スズキナオ
ナオ:
「2」が出ました。
「推し、菅か」(オシスガカ)
パリ:
すげー! もうどこに入れても前に出た文章になっちゃって、自分だったらギブしてた局面かもしれないのに、まだあったとは。
ナオ:
今まで「スカ」とかさんざん言われてた「推し」っていうのが、実は「菅」なんじゃないか? という。
パリ:
「あいつの推しって、菅だったのかー」っていう。まだまだいける気がしてきた。
【ターン19】パリッコ
パリ:
「3」です。また「ス」だ。これもうサクッといっちゃいますね。
「推しがカス」(オシガカス)
ナオ:
「スカ」と「カス」はちょっとニュアンス違いますもんね。
パリ:
「スカ」であり「カス」であり「カシオ菅」であると。
回答がどんどん無理矢理に
【ターン20】トルー
トルー:
「1」!
ナオ:
だいぶ出たけどなーもう。
トルー:
もう出た単語がけっこうありますもんね。
パリ:
ここらへんからは、もう無理矢理いくしかないですよね。
ナオ:
悪あがきタイムに入ってきてますよ。
トルー:
いやーかぶってきちゃうなー。じゃあこれで!
「死が丘す」(シガオカス)
パリ:
はは! これは……なんですか?
トルー:
「丘っす!」って。先輩に「お前の丘はなんだ!」って言われて。
ナオ:
え!
パリ:
ははは。
ナオ:
先輩が「お前にとっての丘とはなんだ?」って聞いてきたと?
トルー:
聞いてきて、「死が、丘す!」と。
ナオ:
ははは。先輩のその深遠な質問はなんなんですか? 人生における丘みたいなことですか?
トルー:
そうですね。人生のピークみたいな。
ナオ:
丘なんだ。山とかじゃなく。
トルー:
ははは、たしかに。丘ってなだらかですもんね。
ナオ:
しかもそいつにとっての丘は「死」なんだ。
パリ:
いいですね。ふくらんできましたね。
ナオ:
さっきの私の回答で「滋賀侵す」っていうのがあったけど、同じ音でこんなに意味が違うっていうのもすごい。
【ターン21】スズキナオ
ナオ:
「5」でした。あ、もうこれしかないわ。
「寿司ヶ丘」(スシガオカ)
パリ:
おお! いいですね。しっくりくる。
ナオ:
「寿司ヶ丘」ってさ、パソコンで一発でスムーズに変換できるんですけど、なんでだろう。
パリ:
ははは。
トルー:
あるんですかね。ああ、できるできる。
パリ:
ここはもう、これしかないって感じですね。
【ターン22】パリッコ
パリ:
「2」……ああ、ぜんぜんなんかもう、ありきたりの言葉しか出ないな。強いていえば、これですね。
「素が塩か」(スガシオカ)
トルー:
塩対応みたいな。
ナオ:
ああ、そういうことか! これはありますね。素の時は塩対応なのかーっていう。
【ターン23】トルー
トルー:
「5」です。どうしようかな……。
パリ:
おっこれ、スガシカオチャンスでもあるんですね。
トルー:
それだけ巡ってるってことですよね。じゃあこれで。
「スカ貸し男」(スカガシオ)
ナオ:
おっ! いいっすね。……え、どういうことですか? がしお?
トルー:
スカばっかり貸してくる人がいて、「ほんとお前はスカ貸し男だな」っていう。
パリ:
その割にはみんなそいつになにかを借りにいくんですね。
トルー:
漫画とか。
ナオ:
ああ、なるほど。「お前の貸してくる漫画もゲームもホントつまんねえんだよなー!」っていうね。
パリ:
「スカガシオ」、文字の並びは「スガシカオ」にそっくりなのにね。
センスは全然ない。
【ターン24】スズキナオ
ナオ:
「1」でした! これはなぁ、これしかないなもう。
「嗅がし雄」(カガシオス)
トルー:
これは嫌ですね!
ナオ:
これはもう、最悪でしょう。でも、なんか動物とか昆虫のね、求愛のモーションだとすれば。
トルー:
なんかでも、生理的に嫌な単語になりがちなの、なんでなんでしょうね。
ナオ:
ははは。このゲームね。
【ターン25】パリッコ
パリ:
6出てくれ! だめだ「2」だ。あ、意外ときれいなの残ってましたよ!
「歌詞が押す」(カシガオス)
トルー:
おお、いいですね。なんか勇気をくれそうな。
パリ:
背中を押してくれる。
ナオ:
もうこれはスガシカオの持っている機能みたいだ。
パリ:
スガシカオの語源、これかもしれない。
ナオ:
まさか「嗅がし雄」からこれに行くとは。でもスガシカオって「嗅がし雄」でもあるしね。フェロモンみたいな。
パリ:
いや、フェロモンが溢れてる人のことを「嗅がし雄」って言わないでしょ!
【ターン26】トルー
トルー:
振ります。あ、また「6」が出ました! 僕ばっかりすみません。え! 50音引いたら「ガ」が出ました!(※オンラインのランダム50音サービスを使っているため)
ナオ:
ははは。ダブることもあるんだ。
トルー:
「ガ」がふたつ、キツいっすね!
パリ:
でもオールシャッフルしていいんでね。
トルー:
うーん……。
パリ:
いやートルーさん、奇跡を呼びますね。6を出して「ガ」を出すとは。あきらかに、僕よりスガシカオゲームがうまい。
ナオ:
ついにうまいヘタの概念が。
トルー:
はは。これはどうでしょう。
「すかし顔が」(スカシガオガ)
パリ:
ああ、これはもう、気持ちいいですね! やっぱりうまい!
ナオ:
すごい。「スガシカオ」に「ガ」を足すと「すかし顔が」になるんだ!
トルー:
これも、お見合いでね。
パリ:
「すかし顔が少し……」
ナオ:
ああ、そっちなんだ! 「このすかし顔が!」って吐き捨てる感じかと思いました。すかし顔ってなんなんだ、そもそも。
パリ:
この文章だけでもいろんなシチュエーション考えられますね。
【ターン27】スズキナオ
ナオ:
おっ! ついに出ましたよ「6」が! ドキドキする。50音カードは……「セ」です!
トルー:
おお、「セ」よさそう!
パリ:
よさそうですよね!
ナオ:
いいですかね?
パリ:
わかんないけど!
ナオ:
これは……どうだろう。
「背がお寿司か」(セガオスシカ)
パリ:
え?
ナオ:
とっても小さな生き物の身長が、ちょうどお寿司ぐらいって。
トルー:
5cmぐらいの。
パリ:
「背がお寿司か」って言います?
ナオ:
ははは。ちょうどお寿司ぐらいの身長の生き物で。
パリ:
これは、だいぶ苦しくなってきてますよね。
勝負が大きく動く
【ターン28】パリッコ
パリ:
「4」だ。なんでも文章にはまだまだできるんですよね。あとはプライドの問題になってくる。「GAO寿司か」とか、そういうことじゃないんだよなもう……。
パリ:
ちょっとこれ、無理かもしれない。無念だけど、ここでギブアップします!
ナオ:
ついに!
トルー:
こうなったところで、試しに「6」が出たことにして、最後の一文を見てみたい気もしますね。
ナオ:
はは。いいですね。
パリ:
じゃあもう、卒業記念みたいな感じで。「テ」が出ました。いい気がするぞ。
ナオ:
いや、でもこれがね。残りの5文字は使い古したやつなわけですから。
パリ:
ね〜。これがまぁ、自然かな……。
「スガオ貸して」(スガオカシテ)
ナオ:
これ、いいじゃないですか!
パリ:
ね。自然なシチュエーションというか。
ナオ:
ミュージシャン同士で、「スガオちゃん、こんどこっちにも貸してよ」みたいな……え、「スガオ」って誰でしたっけ?
パリ:
あ! ははは。「シカオ」か。「スガオ」って誰でしたっけ?
ナオ:
いないそんなやつ!
トルー:
ははは。無理に考えて、略して特殊なニックネームみたいに呼んでるか。
パリ:
これはもう、どっちみち脱落でしたね。
【ターン29】トルー
トルー:
「2」だ。えー、どうしましょうねぇ……。
パリ:
麻雀とかと違って、もはやただただ、相手をアッと言わせたいゲームになってきてますもんね。
ナオ:
たとえば、6が出たときに加わった文字がスライドしていくのもいいのかもしれないですよね。「テ」が入ったらどれか一文字抜けて続くみたいな。
パリ:
それで朝までずっとやってるっていう。
トルー:
実のない感じの。いやこれ、どうしましょう。脱落かもしれないんですけど、一応。
「主、尾が樫」(スオガカシ)
ナオ:
ははは。
パリ:
これ、なに? なんて書いてあるんですか?
トルー:
「す、おがかし」
ナオ:
「す」ってなんなんですか?
トルー:
あの「主」ですよね。あるじですね。その、あるじが人ではなくて、尾っぽがついていて、それが樫の木でできている。
ナオ:
それはすごい。「尾が樫」って。
パリ:
1から10まで変だもんな。
トルー:
でも、「ス」を「主」としちゃ、ダメですよね。
パリ:
でも「す」ってあるんですか?「主」を「す」と読むのは。
トルー:
変換ではでてきたんですけど、あるんですかね? わかんない。どうなんだろう。まあ、でも「しゅ」ですよね。
ナオ:
そして「しゅ」だとしても変。
トルー:
「しゅ」だとしても成立してない。
パリ:
だいぶ苦しいですよね。ここはもう、次のナオさんと一騎打ちでいいんじゃないですか?
ついに勝者決定!
【ターン30】スズキナオ
ナオ:
「5」が出ました。「酢推し画家」もあったしな……。
パリ:
「酢推し画家」の時代が懐かしいですよね。
ナオ:
あのころはなんでもありだったな。うーん、いや、むずい。ギブアップかも……。
パリ:
うおー! では勝者は、最後無理やりにでもひねり出したトルーさん?
ナオ:
そうですね!
パリ:
あ、じゃあ最後にさ、ナオさんも記念シャッフルチャンスやって、さらにトルーさんにもお願いして、アンコール一騎打ちといきましょうよ。
ナオ:
ははは。泣きの6枚目、やってみていいですか? 「フ」が出ました。
パリ:
なんかよさそう!
ナオ:
じゃあもう、これで行くしかない。
「スカオが不死」(スカオガフシ)
パリ:
はは。ちょっと待って、「スカオ」? これは?
ナオ:
こいつは、今初めて出てきたやつです。
パリ:
さっきの「スガオ」と同じじゃないですか!
ナオ:
また別のやつなんですけど、不死なんです。
トルー:
不死なんですね。永遠の命。
パリ:
はは。でもスカオが不死って、せっかくの不死が意味なさそうでいいですね。
ナオ:
確かに。よりによってスカオが不死っていう。
トルー:
ずっとパチンコしてるみたいな。
ナオ:
スカオ自身も不死で困ってる感じ。
【勝者アンコール】トルー
トルー:
じゃあ、平仮名決めますね。うわ! ツに点々の「ヅ」です!
パリ:
ははは! こんなの無理じゃない?
トルー:
この「ヅ」って、いつ使いますっけ?
ナオ:
小津安二郎ぐらいしかない。
パリ:
これはキツいよ!
トルー:
えー!
「塩ガス塚」(シオガスヅカ)
パリ:
ははは!
ナオ:
やばい!
パリ:
天才! ちゃんと「ヅ」を活かしてるの、すごすぎる!
ナオ:
「ヅカ」は思いつかなかった! すごいわ。
パリ:
完全にファインプレーというか。お見事です。
ナオ:
確かに。石碑みたいなのが頭に浮かびましたもんね。
パリ:
江戸時代からあるようなね。
ナオ:
でも「塩ガス」ってなんなの?
トルー:
なんか、出てるんでしょうね。
パリ:
はは。けっきょくまた「ガス」だしね。でも、スガシカオに一文字足しただけで塩ガス塚になるなんて、今日いちばん感動したかも。
トルー:
良かったです。
ナオ:
さすが「第1回スガシカオ杯」の勝者!
「スガシカオ」という5文字のすごさを知った夜
トルー:
なんか、満足感ありますね。
パリ:
楽しかったです。これやっぱ、たとえば最初にランダムに引いた50音のカード5枚でスタートとかにしても、「スガシカオ」ほどのバリエーションは出ないと思うんですよね。
ナオ:
そう考えるとやっぱり「スガシカオ」ってすごいんだな。
トルー:
いま「カガマリコ」で想像してみたんですけど、バリエーション出ないですね。
パリ:
あ、「リ」とかがあんまり使えないのか。
トルー:
「マ」も難しい。
ナオ:
「カガタケシ」は?
トルー:
あ、ちょっといい。
ナオ:
「怪我、したか?」とか。心配してくれてる。
パリ:
いいですね!
ナオ:
「下が、崖」とか、「画家・たけし」。
パリ:
「スガシカオ」以外にスタートデッキをたくさん考えておくと、さらに楽しめるかもしれませんね。難易度別に。でもやっぱり、「スガシカオ」って最初にどの文字を入れ替えてもいけるっていう、そこがやっぱりすごいんですよ!
ナオ:
とにかく「スガシカオ」がすごいということがわかったと。発見でしたね。おもしろかった!
今、世界に産み落とされたばかりの「スガシカオゲーム」。オンラインで酒を飲みながらやるには最適な遊びだった。
無理矢理な回答に笑いつつ、言葉の組み合わせによって様々なイメージが脳裏に浮かんでは消えていくのが楽しくてしかたない。
よかったらみなさんも一度やってみてください! 「スガシカオ」という5文字のバランスのよさに圧倒されるはず!