国税庁は3月18日、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」の接続障害に伴う65万円の青色申告特別控除の取り扱いについて発表した。
令和3年分(2021年分)の所得税について65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、55万円の青色申告特別控除の要件を満たした上で、「e-Taxによる申告」または「電子帳簿保存」のいずれかを行うことが要件となる。
しかし、3月14日から申告期限の3月15日にかけて断続的に発生したe-Taxの接続障害が原因で、e-Taxによる申告ができなかった納税者については、以下の方法で申告書を提出することで、65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができるとしている。
e-Taxの接続障害が原因で、3月15日までの申告期限内にe-Taxでの申告書提出ができなかった場合
申告書に「e-Taxの障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載し、e-Taxで提出する。これにより、期限内に提出された確定申告書として扱われる。
e-Taxの接続障害が原因で、3月15日までの申告期限内に、e-Taxではなく書面で申告書を提出してしまった場合
申告書に「e-Taxの障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載し、あらためてe-Taxで提出する。これにより、あとからe-Taxで提出された申告書が期限内に提出された確定申告書として扱われる。
これらの方法により延長申請ができる期間は4月15日までとしている。
なお、令和2年(2020年)9月30日までに仕訳帳および総勘定元帳について税務署長の承認を受け、電子帳簿保存を行っている場合は、後日、「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記載した申告書をe-Taxまたは書面で提出することで、65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができる。
国税庁では「e-Taxの接続障害による個別延長手続に関するFAQ」も取りまとめて公開した。
障害の原因が判明、利用増加による大きな負荷で処理パフォーマンスが低下
今回の接続障害では、利用者がe-Taxで申告・納税を実施しようとした際、主に以下のような事象が断続的に発生していたという。
- ログイン困難(一部ログイン不可・混雑通知が表示される)
- 送信困難(送信不能または送信所要時間の長期化)
- 国税庁からの通知確認困難(国税庁からの通知メール遅れ)
国税庁によると、今年は多くの人がe-Taxを利用したため、申告データを国税庁のデータベースサーバーに格納する際の処理や取り出す際の処理に極めて大きな負荷がかかり、処理パフォーマンスの低下が発生したことが原因。
3月16日以降は、e-Taxによる申告件数の減少もあり、こうした事象は発生しておらず安定的に稼働しているとしている。