「米国での プライバシー に関する議論を、グローバルにも活用したい」:電通インターナショナル ブランド保証部門グローバル責任者 デヴァ・ブロンソン氏

DIGIDAY

ブランドセーフティは多くの広告代理店が顧客のために目を光らせている注意事項のトップに、もしくは少なくとも上位3位に入っている。デジタル業界はマーケティング担当者からプロセスの透明性を高めるよう要求され、状況を正そうと努力しているが、まだ注視すべき暗部が残っている。

そしてこれこそが、電通インターナショナル(Dentsu International)のブランド保証部門グローバル責任者に新たに任命されたデヴァ・ブロンソン氏が担っている3つの仕事のうちの1つとなっている。ブロンソン氏は先月、北米担当からグローバル担当に職責を拡大した。ただし、北米担当の時点でブランドセーフティ、ブランドスータビリティ、ブランドレスポンシビリティという幅広い責任を負うポジションであった。

この広範な責任が何を意味しているのか、そしてそれを北米だけでなくグローバルでどのように実行するつもりなのかを明らかにするため、米DIGIDAYはブロンソン氏にインタビューした。

以下のインタビューは、長さと明瞭さのために編集してある。

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ーーどのようにしてグローバル担当につくことになったのか?

私は北米担当として電通だけでなく市場全体において、広告主やそのブランドを保護し、安全でクリーンかつ責任ある環境でメディアバイイングができるよう独自に(あるいはパートナーとともに)、長年にわたって経験を蓄積し、学び続けてきた。それが、ある意味で(今回の異動における)核心となっている。

しかし、多様性、そして多様なメディアの支出に関する役割が追加されたこと、そして私たちがサステナビリティに関する取り組みを始めたことは、幸運な偶然だった。それらは私にとっても深い情熱を持って取り組んでいる領域だったからだ。この業界で23年以上、黒人女性として勤務してきた私にとって多様性は明らかに重要だ。そして、サステナビリティに関する問題は、私たち全員にとって重要であるべきだ。だからこそ、今の状況は私にとって「幸せな偶然」だと言える。アメリカでの私のチームも、世界中の同僚も、すでにこうした多様なトピックに関心を寄せている。

ーーグローバルでのブランド保証の実装はどのようなものになるのか?

私たちがもっとも心に留めておくべきことは、電通はクライアントドリブンであり、ニーズドリブンでもあるということだ。そのため、今は(実装のあり方の)探索の段階にある。それらがどのように行われるのか、ハイブリッドなのかバーチャルなのか、対面で行われるのか(明らかに、私たちはまだコロナウイルスの対応を必要としている)についてはまだコメントできない。

私たちは、まずニーズを見極めることなく、全力投球するというようなことはしたくない。大勢の人を集めてみたものの、自分達でも何をしているのかよくわかっていない状況になることだけは避けたい。

ーーあなたの担当分野に関して、最近のクライアントの優先事項は何か?

私が最初に取り組もうとしていることは、すでにアメリカで取り組んでいることだが、ブランドセーフティ、ブランドスータビリティ、フラウドなど、ブランド保証の基本原則のすべてだ。これらは、私たちが最初に取り組むべき最も重要なことだ。すでに私たちは(アメリカでの実践から)活用できる多くの知識と経験を持っている。

そもそもなぜブランド保証が重要なのか。なぜなら私たちは、世界中のさまざまな市場で安全性やユーザー確認に関するさまざまな規制が存在することを認識しているからだ。これらの要素は実はプライバシーにも通じることで、そのためのルールも異なっている。米国ではプライバシーに関する議論が盛んに行われており、そこから得られた知識の一部をグローバルな議論に活用できればと考えている。

ーー最近、顧客はよりリスクを回避しようとしているのか?

何年も前からデジタルにいる身としては、そうは思わない。まだたくさんのチャレンジが行われていると感じている。前進や改革にはある程度のリスクが伴うことは誰もが知っている。たとえば、広告提供と共にアドテックとマーテックが進化したことで、市場における真のリスクは少なくなった。存在するブラックホールも少ない。

ーーアドテックとマーテックには自浄作用が働いたということか?

業界は進歩したと思う。私たちにとって重要なのは、安全性の観点から最高の基準を維持するだけでなく、購入するものに対して最高の倫理基準を維持することだ。透明性はそれに沿ったものであり、内容や価格だけでなく、モラルも重視した上で市場をナビゲートしていくことが重要だ。

このようにいくつかの進歩があり、現在、業界を超えた本当に素晴らしい会話が行われている。しかし、より多くの、より根本的なコラボレーションがまだまだ必要だ。

[原文:How Dentsu’s new global brand assurance chief uses ‘radical collaboration’ to tackle responsibility and suitability

Michael Bürgi(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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