「推す飯」とは、明るくてらいない気持ちでただ好きな飯を推す活動です。
今回の推し手はライターパリッコ、乙幡啓子、編集部安藤昌教、古賀及子の4名。メンバーがいま確実に推せるものをノンジャンルで持ち寄りました。
こちらの記事では乙幡さんがワーフルハウスの「ストロープワッフル」を推します。
登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。
「ストロープワッフル」ってなんですか
乙幡:
「クアトロえびチーズ」に続いて、またまた私の薄いもの百選の中から。
古賀:
乙幡さん、昔っから薄い食べ物が好きなんですよね。
乙幡:
なんでかね……。これは「ストロープワッフル」っていう、うすいビスケットでキャラメルを挟んだオランダのお菓子です。
古賀:
あ、ナチュラルローソンで買ったことがあるかも!
乙幡:
そうそう、セブンでも「オランダワッフル」って名前で売ってますね。今回のこれは神戸の六甲町にある「ワーフルハウス」っていう個人でやってるお店のものです。
乙幡:
ここのお店はワッフル専門店なんです。店でがっしゃんがっしゃん、平べったいものを焼く機械でやってて。
安藤:
店頭で焼いてるんだ。
乙幡:
そうそう。神戸に仕事で行ったときに、仕事先で甘いものでおすすめのお店と聞いて、それで買ったら美味しかったという。オランダ人の方が焼いてるんです。奥さんが日本人で、ご夫婦でやっててみたいな。それそれ以来、機会があるとご進物として買ってます。
古賀:
「ワーフルハウス」さんは、これ一本で商売してるってことですよね。
乙幡:
そう、これしかないのよ。この同じ包みでバニラとかりんご、いちご、チョコとか味が違うのが何十種類も置いてある。でもあとは砕いた、端っこのワッフルを砕いて袋に入れて売ってるとかそういう感じ。
古賀:
専門店は強いぞ……。
マグカップの蓋にしてとろけさせる
乙幡:
味がとにかくいろいろあるから、今日はスタンダートなやつを4種類用意しました。バニラとオレンジとシナモン。あと、もう一つがスペクラースって味で、
パリッコ:
スペクラース?
乙幡:
オランダではすごくポピュラーなクッキーの味なんだって。甘みとともにスパイスが効いてて、修道院クッキーみたいな。
古賀:
トラピストクッキーみたいな。えっ、それ絶対わたし好きですわ。私スぺクラースいきます。
パリッコ:
僕はこのオレンジを。
古賀:
薄いな~。
パリッコ:
でも1枚に重みがありますね。こんなに薄いのに。なんていうのかな。薄いけど厚みがちゃんとある。
古賀:
存在感ありますよね。
パリッコ:
パッケージの絵が可愛い。
乙幡:
パッケージの通り、マグカップにコーヒーとか紅茶を入れた上に蓋をして、熱でトローってなってっていうのが特徴的な食べ方なんですよね。
古賀:
しゃれてるなあ。
ちょっとやそっとの菓子じゃない!
安藤:
あっ! これはちょっとやそっとのお菓子じゃないぞ。
パリッコ:
お、これは密度濃いですね。
古賀:
……わかった! もうわかりました。スペクラースのこと。ロータスですよね。ロータスビスケットの感じだ。うううう、うめーーー!
乙幡:
あっ、そうそう、ロータスみたいなね!
これみたいな感じの味!
安藤:
いやほんと、ちょっとやそっとじゃないですよ。
古賀:
これ、味はキャラメルの部分で違うんですよね。
乙幡:
そうそう。寒いともっとぱきっと硬い感じになるんだけど、今日はちょっとやわらかい。昨日届いたばかりだからできたてに近いかも。
パリッコ:
ほぼケーキですね。紅茶ないともったいない。
古賀:
水で食べるのもったいないですね。
安藤:
うまいなー。体験したことない食べ物です。
乙幡:
あちこちで売ってるストロープワッフルもおいしいんだけど、ここのは手作りでまぜもんがないんですよ。自然なおいしさ。で、大満足でカロリーも1枚128kcalなんです。
古賀:
へぇ~!
安藤:
こんなの、おじいちゃんとかに食べさせたらびっくりしちゃいませんか。食べたこと無いぞって。
パリッコ:
割るとキャラメルが糸を引くから、腐ってるぞって言うかもしれない。
古賀:
どんな意地悪爺さんですか。
気取らない、真面目な郷土の味
古賀:
本当においしいね。いいお味ですよ。ジャンクみがゼロ。
パリッコ:
ティータイムって感じがする。
安藤:
こりゃ、この店、これ一本で行くわけだよ。真面目に作ってますよね。
乙幡:
おわかりいただけました?
安藤:
ただのお菓子じゃない(3回目)。
古賀:
スカした感じが全然しないですよね。嫌味な感じがぜんぜんしない。洋風という意味ではおしゃれだけど、気取ってない、おしゃれしてない味ですよねこれは。
乙幡:
デパ地下で回転が早い店って感じじゃなくね。素朴ですよね。
古賀:
郷土の味を食べさせてもらってる感じがすごくします。初めてなのに懐かしい。特にスペクラース味がそうなのかも。外国の田舎の味なんだろうな~~って伝わってくる。興奮するなあ。
神戸~~~!
乙幡:
店先に無人野菜売りみたいなロッカーがあって、自販機みたいにお店やってないときでも売るようにしてました。今でも自販機やってるかな。(公開日現在で、ホームページには自販機でいつでも買えると書いてありました!)
パリッコ:
それまたいいじゃないですか。
古賀:
本当に、日常の毎日の味なんですよね。
安藤:
これが神戸の力。
古賀:
神戸はすごい! 本当に。
乙幡:
神戸はお菓子体力がマッチョですよね。
古賀:
肩が本当につよい。これ行きたいなあ、店に。
パリッコ:
みんなで行きましょうよ。来たよーって。
乙幡:
六甲町から徒歩5分です。本当にいいお店だったので。行きましょう。ちなみに、通販は1枚から買えます!
パリッコ:
1枚ってすごい。さっき乙幡さん言ってた切れ端もほしいな~~~。
乙幡:
切れ端はアイスクリームとか、そういうのにまぜてどうぞって。大量に袋に入れて売ってました。
古賀:
神戸~~っ。
登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。