東海道線の静岡県内の駅に全部降りて見どころを探す旅、今回は富士駅からスタートします。
東海道線 静岡県内の駅に全部降りて観光する
富士駅:ご当地グルメ「かつ皿」
ひとつ前の吉原駅で久しぶりの自転車を全力で漕いで一気に足に疲れが溜まってしまった。休憩も兼ねて次の富士駅でランチとしたい。
ここ富士駅で食べたかったのが富士ブランド認定品でもあるご当地グルメ「かつ皿」だ。
ちょうどお昼時だったこともあり店内は地元の方らしきお客さんでいっぱいだった。店内のテレビで流れていたヒルナンデスの物件の家賃を当てるコーナーで発表されていた都内の家賃に驚いていたのでたぶん地元の方で間違いない。
待つこと約10分、お待ちかねのかつ皿とご対面。
かつ丼はかつを卵でとじているが、このかつ皿はかつの上からそばつゆベースのふわとろな特製たまごタレがかかっている。このタレのおかげでかつ丼とは全く違った食感に仕上がっていてすごく口当たりが優しい。
そば屋のカレーはそばの出汁がルーにも活かされていて美味しいことが多いが、このかつ皿はそれをカレーではなくかつ丼に応用した一品といった感じだ。よく「カレーは飲み物」と言ったりするが、かつ丼を飲み物にしたらこんな感じだろうか。そのくらいどんどん食べられる。
他のお客さんもみんなかつ皿を注文していて本当に地元で愛されているメニューなんだなーというのが伝わってきた。これは良いご当地グルメを食べることが出来たぞ!
富士川駅:キウィの名は。
お腹も満たされ自転車の疲労もいい感じに癒されたところで次に降り立ったのは富士川駅。駅というより町役場や小学校のような佇まいで、全ての駅の中で一番「”真面目”な駅」だった。
さて、富士川駅だが事前調査で周りに見どころが全然見つからなかった。どうしたものかなと駅前を見渡すと駅周辺の観光マップがあった。頼む、何か見どころあってくれ!
旧富士川町では近隣の市町村に先駆けて昭和49年にニュージーランドから輸入した苗木からキウイフルーツの栽培が始まった。そんな所縁で富士川駅前公園にキウイパークという通称がつけられたようだ。園内には御影石で作られたキウイフルーツと鳥のキウィの像がある。富士川駅前でニュージーランドの風を感じられるわけだ。
御影石のキウイフルーツがけっこう気に入ってしまったのだが、人気(ひとけ)のない公園の隅にポツンと設置され寂しそうだったので仲間に会わせてあげることにした。
きっと御影石のキウイフルーツも喜んでいるだろう。いつかキウイフルーツをどっさり抱えて、「あの時のキウイフルーツです」と我が家を訪ねてくるのを期待したい。
事前にめぼしい見どころが見つけられなかった富士川駅もきっちり満喫しキウイフルーツのお土産まで手に入れてしまった。いい調子だ!
新蒲原駅:江戸時代の旅籠
お次は新蒲原駅。ここから二つ先の由比駅あたりまでは東海道沿いに昔ながらの街並みが多く残されているようなのでそれを見に行こう。
片浜駅で海まで向かう時に横切った東海道はそれなりに交通量のある道路だったが、このあたりでは車の往来は減り、旧道っぽさを醸し出している。
この辺りにはこのような歴史のある建物がいくつか残っているのでそのまましばらく東海道を歩きたいところだが、この旅は時間との勝負でもある。東海道散歩はまた別の機会ということで、急いで駅に戻ろう。
蒲原駅:静岡名産 青島みかん
つづいての蒲原駅も事前調査でこれというものが見つけられなかった。一体何かあるだろうか。
頼みの綱の駅前観光看板も見当たらないのでとりあえず駅前にあったいい感じの路地を進むことにした。目的のない散歩は大好きだが時間の制約もあり何とも言えない緊張感に自然と小走りになる。
「路地の先にある屋根の色が秀和レジデンスみたいな神社」が見どころになるか自問自答しながら、次の電車まであと10分強あるのでもう少しぶらぶらしてみることに。
さらに近くにもう一つみかんの無人販売所があった。コンビニ並のドミナント戦略である。ドミカント戦略とでも呼ぼうか。
そういえば青島みかんは静岡市の名産品だ。青島さんの畑で見つかったから青島みかんと名付けられた。自分の畑で新種が見つかるなんて羨ましい。うちのキッチンの豆苗も調べたら新種だったりしないだろうか。
せっかくなので一袋買って食べてみるとなかなか甘くておいしかった。無人販売で買う名産品、自分だけのお土産って感じでいいな。さっきから果物ばかり買っているのでリュックが重くなってきた。
由比駅:さくらえびを食べたい
今日の宿は焼津でとっている。まだまだ先があるが、既に日が傾いてきた。冬至直後を舐めたらいけない…先を急ごう!(ずっと急いでるけど)
次の駅は由比駅。なんか聞いたことあるな、と思ったがそれは由比ヶ浜かもしれない。由比ヶ浜とは関係ない。
由比駅は歩いていける範囲に由比港という港がある。新蒲原駅前にオブジェもあったさくらえびが有名だ。そもそもさくらえびの漁が認められているのは日本国内で駿河湾だけで、国産のさくらえびは全て静岡産なのである。
次にさくらえびを食べる時には絶対静岡県に想いを馳せてほしい。
由比港には桜えびを食べられるかき揚げ屋や直売所があるようだが食べている時間はないので何かしらテイクアウトできるといい。
歩いて10分、正確には小走りで5分くらいで港に到着した。
小走りでやってきた由比港だが、結果からいうとかき揚げ屋も直売所も閉まっていた。年末だからなのか時間のせいなのかは分からないが閉まっているということだけは間違いなかった。
残念な気持ちと一緒に、行った店が開いていないことがよくあるライター江の島さんの顔が自然に浮かんできた。いつもこんなに悲しい気持ちになっているのか。すごいな江の島さん。タフだね。
とはいえ悲しみに暮れている暇はない。小走りではなく普通に走って駅まで戻った。次は絶対さくらえび食べるぞ!
興津駅:だんごで休憩
思った以上に走って疲れてしまったので、次の興津駅ではおやつにしたい。ちょうどだんご屋があるようなので。
駅から徒歩3分ほどの場所にあるだんご屋さん「ささご」さん。種類豊富なだんご以外におしるこも売られている。お土産や名産品というわけではなく、地元に根付いた町のだんご屋さんだ。
駅に戻ってホームのベンチで食べて電車を待つ。なんてことはない普通の団子だが、疲れた身体に染み渡る美味しさだ。ずっと急いでいる旅なのでこういうちょっとした一息がすごく染みるなー。
というわけで旅の方も一旦落ち着いてしまったので記事も今日はここまで。次回は清水駅から!
この記事で紹介した見どころはこちらの地図からどうぞ。
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