以前にいろいろ試したことで、iPhoneだけでもある程度は仕事がこなせることが分かった。そういえば、うちには一昔前のAndroidタブレットがあったが、これもテレワークの役に立つかもしれない。
……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が適用されてから14日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はタブレットのテレワーク活用について考えてみた。
1月31日(月):まずは前回と同じく周辺機器の準備から……
さて、手持ちのAndroidタブレットだが、これは4年前に発売されたファーウェイの製品。OSのバージョンは7.0で、昨年の秋にバージョン12が正式リリースされることを考えると、なかなかの型落ちマシンと言えるだろう。
とはいえ、簡単な書類仕事をするぐらいなら、このタブレットでも問題はない。まずは、前回と同じようにBluetoothキーボードを接続。iPhoneとの違いは日本語/英語の切り替えを「Ctrl」+「Space」ではなく、「Shift」+「Space」で行うくらいだろうか。もちろん、接続するとソフトウェアキーボードの表示が消えるので、画面全体にOfficeのファイルなどを表示しながら作業ができる。
Androidタブレットは基本的に搭載されているポートがUSBなので、iPhoneのようにマニアックな変換コネクタを用意することなく、PC用の周辺機器が利用できるのもありがたい。このタブレットではUSB Type-Cポートが採用されていたので、USB Type-Aへの変換コネクタを数百円で買ってみた。これで、PC用のマウスやキーボードも、タブレットで使えるようになるだろう。
2月1日(火):あれ、デスクワークにはドロタブの方が優秀?
発注していたUSB Type-Aへの変換コネクタが届いたので、さっそくタブレットに装着。PC用のマウスとキーボードをつないでみたところ、いちいち設定を変更しなくても、すぐに画面上にポインターが表示された。しかも、ちゃんと矢印の形をしていて、丸型ポインターのiPhoneよりも使いやすい。
そのまま、色々と操作をしていると、マウスの操作でいきなりアプリが閉じたので焦ったが、どうやら右クリックに「戻る」ボタンが割り当てられていたらしい。ほかにも、「Esc」キーでホーム画面に戻るなど、大抵の操作がマウスとキーボードでできるので、タブレットをタップすることなく作業ができる。というか、操作性がWindowsに近いので、PC的な作業をするなら、iPhoneよりもAndroidタブレットの方が使い勝手がよさそうだ。
続いて、撮影した写真データを保存したSDメモリーカードを、メモリーカードリーダーに装着。それを、USBコネクタに接続したところ、このタブレットに標準で搭載された「ファイル」アプリで、カード内の画像を開くことができた。
iPhoneでは直接ファイルを開くことができず、一度データを端末にコピーしないといけなかったので、フォトビューワーとしての利便性もAndroidタブレットの方が上と言えそうだ。これならデジカメで撮影した際に、いちいちPCのある場所まで戻らなくても、写真の出来を手早く確認できるだろう。
2月2日(水):会社のプリンターやNASをタブレットで利用したい!
今日は朝から外出の予定が入って、仕事を片付けた後は、会社に立ち寄って作業することに。ノートPCは持ち歩かず、タブレットだけをカバンに入れていたが、これだけでも十分に仕事を片付けることができた。Windowsのようにウィンドウを複数同時に表示することはできないが、机の上に「メール」アプリを起動させたiPhoneも一緒に置いておけば、画面の切り替えなどで作業を止めずにメールをこまめにチェックできる。
仕事がひと段落したところで、経理関係の書類を作成。経理に提出しようとしたのだが、Officeアプリの印刷画面に会社のプリンターが表示されない。iPhoneのときは特に設定しなくても、AirPrintで印刷できたのだが……。どうやら、Androidタブレットでは、各メーカーのユーティリティアプリをインストールする必要があるようだ。
うちの会社では旧・富士ゼロックス時代にリースしたプリンターを使っているので、富士フイルムビジネスイノベーションの公式アプリ「Print Utility V3」をインストール。このアプリをオフィスで起動すると、すぐにネットワーク上にあるプリンターが認識された。一度この操作さえしてしまえば、あとはWordなどの印刷画面から、会社のプリンターを指定して印刷できるようになるらしい。
さっそく印刷してみたところ、PCで印刷した時と同じように、体裁の崩れなど無く書類を出力できた。これならバックオフィスの作業も、タブレットだけで対応できるだろう。
ただ、バックオフィスで利用する書類は、会社のNASに保存されているのだが、このタブレット標準のファイルマネージャー「ファイル」ではアクセスすることができなかった。そこで、サードパーティのファイルマネージャーを、急遽インストールすることに。この手のアプリはいろいろあるが、今回は「FE File Explorer」を利用することにした。
「FE File Explorer」でNASを利用するには、最初にIPアドレスなどを登録しておく必要がある。ホーム画面の右下にある「+」をタップすると、新しい接続先の一覧が表示されるので、メニューから「NAS」を選択。あとは、NASの情報をすれば、NASのファイルにアクセスできるようになった。
2月3日(木):自宅からVPN越しで会社のNASにアクセスできる?
今日は自宅でテレワーク。タブレットで仕事をしていると、会社のNASに保存されたファイルが必要になった。
うちの会社ではFortinetのVPNルーターを利用しており、公式アプリの「FortiClient VPN」でVPNネットワークにアクセスすれば、自宅から会社のNASにアクセスできるようになる。このアプリにはAndroid版もあるようなので、さっそくインストールして接続設定を登録。VPNネットワークに接続した状態で「FE File Explorer」を起動したところ、自宅のタブレットから会社のNASにアクセスできた。
これで、マウスやキーボードだけでなく、プリンターやNASといった会社の周辺機器もタブレットで利用できるようになった。あとは、仕事用のアプリを充実させれば、会社の業務をタブレットでこなせるようになるだろう。