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ここ数年Facebook――もといMeta(メタ)――は、AppleのiOSとATT絡みでターゲティングや測定に打撃を受けたことを筆頭に、一連の逆風に直面しているが、意外にもパフォーマンスマーケターにとっては、以前と変わらず急速に伸びる広告界の巨人であり続けている。
パフォーマンスエージェンシーのティヌイティ(Tinuiti)が先日発表したレポートによると、Facebookとその傘下で拡大を続けるインスタグラムは、いまでも着実に売上を伸ばしている。具体的にMetaがどれほどの成長率を達成したかは、2021年の通年業績を発表する2月2日に明らかになるだろう。
差し当たってわかっているのは、ティヌイティのFacebook広告ベンチマークレポートで2021年第4四半期のMetaに対する広告支出が前年同期比で32%伸びているということと、それが第3四半期に比べて若干の減少にとどまっているということだ。
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ティヌイティの調査担当バイスプレジデントのアンディ・テイラー氏は「彼らは新規の広告主を未開拓の消費者の目前に差し出す商品で大量の消費者にリーチする能力にかけては、かなり独特な存在だ」といい、「ターゲット対象がターゲティングされ続けるようにFacebook側でオーディエンス関連の仕組みを調整せざるを得ないのは明らかだ。だが、とても強力なマーケティングチャンスであることに変わりはない。実際に影響が出るほどの規模でユーザーが大挙して去っていくことのないかぎり、今後もブランドのマーケティングの大きな部分を占めていくことになるだろう」と話す。
テイラー氏は、Facebookのユーザー減があったとしても、兄弟分のインスタグラムの拡大で補えると指摘する。「Facebookをやめる人たちがいても、インスタグラムはそれほど打撃を受けない。インスタグラムは特に、成長拡大につながるような新しいインベントリー源を常に見つけ出している」。
Facebook人気の衰えない理由
人気の衰えない理由のひとつは、マーケターやエージェンシーがメディアを通常どのように購入しているのかをMeta/Facebookがリバースエンジニアリングし、マーケターにとって必要なものを得やすくしていることにある、とデータ学習を活用するアドテク企業クワントキャスト(Quantcast)のCEO、コンラッド・フェルドマン氏は話す。
フェルドマン氏は「Facebookが広告主に対してどのように機能するかを見てみると、とても簡単に利用できるようになっていることがわかる。ほとんどのDSPではそうではなく、利用者が必要な設定をすべて指定して管理し、環境の変化に合わせて変更していかなくてはならず、かなり複雑だ」と語る。「Facebook広告マネージャーの場合、マーケターは目的(もっと多くの商品を売りたい)と制約事項(特定の国には配送できない、など)を伝えるだけで後は機械学習が対応してくれるため、キャンペーンの設定が早くできる」。
テイラー氏は、プライバシーに関するApple ATTの動きも、ソーシャルメディア界の超大手Facebookの広告販売には最小限の影響しか与えていないと述べ、「彼らのターゲティングは、Apple ATTが個人に対するリターゲティングに制限をかけているにもかかわらず、今でもかなり強力だ」と話す。
Androidでの需要が高まる
先述のレポートによると、2021年末にFacebookのPCオーディエンスのシェアは下がったものの、モバイル利用者は増えているそうだ。
そのモバイル利用に関連したところでは、ティヌイティのレポートはアプリ内広告を制限するApple ATTの影響でAndroidユーザーに対する需要が高まっていることを指摘する。同レポートは「モバイルIDを使用してターゲティング、測定できる個人に対する需要が相対的に増えている」とし、iOSに対する広告費が2021年を通して下降したことにも触れている。
「iOSユーザーは今も広告を目にしているが、彼らをターゲティングできる方法は変わってしまった」とテイラー氏は語る。「このため、特にAndroidの世界でオークション需要が高まり、結果としてCPMも高くなっている。AndroidとiPhoneのあいだに、かつてはなかったギャップが確実に生まれている」。
[原文:Tinuiti Report: Facebook still in hot demand with clients, despite Apple ATT hit]
MICHAEL BÜRGI(翻訳:SI Japan、編集:長田真)
Illustration by IVY LIU