Androidスマホをぶっ壊してしまう写真を撮った人のお話

GIZMODO

2020年6月14日の記事を編集して再掲載しています。

スマホをぶっ壊す写真はこれ!

アマチュアカメラマンのGaurav Agrawalさんという方がモンタナ州のグレーシャー国立公園を訪れた時のこと。目の前に広がる美しい夕焼けをカメラでパシャリ。きれいに撮れたその写真をFlickrにアップしたところ、なぜかAgrawalさんのその美しい写真がAndroid 10のスマホを出荷状態にしてしまうことがわかりました。

Agrawalさんが写真の編集をLightroomでしたところ、コンピュータで見てもウェブで見てももちろん写真は息を飲む美しさのまま。なんの問題もありません。その写真をエクストラワイドHDRで出力しました。普通ならそれも問題はないはずなのです。でもAndroid 10に内蔵されているカラーレンダリングエンジンは、Agrawalさんの写真のHDR色空間を表示することができず、その写真をAndoridスマホの壁紙にしようとするとリブートがループで起こってしまい、データが出荷状態にリセットされてしまうという悲劇が起こることがわかったのです。

スマホをぶっ壊してしまうけれど、大変美しいこの写真はナショナルジオグラフィックにも掲載されました。BBCのインタビューでAgrawalさんは、出力のフォーマットでこんな問題が起こるとは全く予想もしていなかったと話し、「もっといい理由でこの写真がバズってくれてたらうれしかったです。そうなるために、またいい写真を撮ろうと思います」と話しています。またAgrawalさん自身は、「僕はiPhoneを使っていて、壁紙はずっと自分の妻の写真なんで…」といやはや、惚気ありがとうございます。

写真がネットに出回ると、Ice Universeのような大きなサイトも注意を呼びかけ始めました。古いAndroidデバイスでは問題は起こらないようですが、工場出荷状態に戻されたくないなら、この写真を壁紙にするのは諦めた方がよさそうです。でもこの写真のおかげでAndroidのエンジニアたちが今後このバグが発生しないようにパッチを作り始めたらしいので、それはそれで良いことですね。

Agrawalさんにとっては3回目のグレーシャー国立公園でやっと撮れた物凄く美しい写真だったのに、まさか別の意味で大バズりしてしまうとは、ちょっと悲しいですね。Agrawalさんは「これからは違うフォーマットで出力します」と話しています。