こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
25日は衆院予算委員会二日目。維新からは藤田文武幹事長を初め維新から4人が登壇し、岸田総理と論戦を交わしました。
その中で今日は、岸田総理が好んでキャッチフレーズとして使っている「勤労者皆保険」について取り上げたいと思います。
文字通りに受け取れば、働く人は誰もが等しい社会保障制度の恩恵に預かれるようにするということです。
現在の日本の社会保障制度はその実は多くが企業に依存していて、上記記事にもあるように、例えば厚生年金は企業に務めている人でないと加入することはできません。
ここは極めて重要な論点の一つで、企業に依存して・企業を通じて社会保障を提供する日本型システムが今後も本当に持続可能なのかということは、これからの日本が真剣に向き合わなければならない課題です。
企業中心の社会保障は、当然のことながら企業側の負担が大きくなり、賃金上昇を抑制することにもつながります。また企業に依存する労働者を増やし、労働市場が硬直する可能性もあります。
藤田文武幹事長が今日の質疑で繰り返し指摘したように、この「企業という船」に本当にフリーランスや個人事業主、パラレルワーカー・ギグワーカー等すべての勤労者を乗せる制度は現実的なのでしょうか?
岸田総理の現在の答弁では、まずは短時間雇用の被用者に対象を拡大していくというだけで、他の勤務形態を持つ勤労者についてはこれから制度設計を検討していくという段階であり、その全容はまったく見えてきません。
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社会のセーフティネット・社会保障制度については企業を通じて提供されるのではなく、国家・行政が責任を持って制度設計をし、企業や労働者はその楔から開放されることで闊達な活動・自由競争が促され、生産性が向上されていく。
例えば維新が提言している全国民への最低所得保障制度(ベーシックインカムまたは給付付き税額控除)は、その部分的な対案の一つです。
これまでの延長線上に解決策を見出そうとする政府与党・岸田総理に対して、維新はまったく異なる抜本改革案をプランBとしてぶつける政策論争を、引き続き衆参の予算委員会にて展開していきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年1月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。