2017年10月1日の記事を編集して再掲載しています。
世に知られていない狂気。
大量の集団自殺を扇動した人民寺院や太陽寺院など歴史に名を(悪い意味で)刻むような有名なカルト集団はたくさんありますが、世に知られていないカルト集団は何気にもっと怖かったりします。世に知れ渡っていないからこそ、何年、何十年と活動を繰り広げていたりする教団もあります。ホラー映画よりよっぽど怖い身の毛もよだつようなカルト集団6つをご紹介します。
Ant Hill Kids (蟻塚の子供たち)
1977年から1989年の間、カナダのオンタリオで活動していたRoch Thériaultという狂人がリーダーであるカルト集団。12人の大人と少なくとも26人の子供を支配していて、その子供たちのほとんどはRoch本人の子供であり、9人の妻を持っていたそうです。
デトックス・セミナーといって喫煙や飲酒をやめさせるセミナーをおこない、お客を増やしていったThériault。そのうち、仕事もやめさせ家族を捨てさせ、さらに山奥に自分と住むことを強く進め、客を信者に変えて行きました。山奥では「Ant Hill Kids(蟻塚の子供たち)」と言う名の通り、働きアリのように信者にせっせと働くよう強要するようになります。その「せっせと」というのは、尋常ではなく、仕事を拒んだりするとハンマーで信者自身の足を殴って折るらせるのです。
1979年に世界が終わる説を唱えながらもそれを外すこととなります。しかし信者たちはThériaultの元を去ろうとせず、こうしてサディストなリーダーとしての地位を築いて行きます。子供を木に縛り付けたり、信者に自分の排泄物を食べさせたり、怒りが爆発すると信者を裸にし、棒で殴りつけ、髪を一本ずつ抜いたりと、恐ろしい虐待をしていました。さらには病院へ行くことを許さず、麻酔など使わずThériault本人が手術を施していたというから驚きです。医者でも何でもないため、女性の腸を取り出そうとして死なせてしまったり、男の子に割礼をして失敗し死亡させたり。罰として吹雪の中に放置されて死んだ人もたくさんいたそうです。
そんな非道にピリオドが打たれたのが1989年。Gabrielle Lavalléeという信者が何度も虐待を受けた後両腕を切断されたところで逃げて来たのです。そしてこのカルト集団の存在が発覚。Thériaultは終身刑を言い渡されましたが、2011年に刑務所内で他の受刑者に殺害されます。現在でもなぜか残虐極まりないThériaultの教えを守り続けている信者もいるそうです。
The Carny Cult
これは「お前は仲間じゃないからあっち行け!」という仲間はずれが、ものすごく悪い方向に行ったケースと言えます。1991年、移動式カーニバルで働くWilliam Ault という男が、一緒に働いていた仲間たちが「Satan’s Disciples」というカルト集団に属していることを知り、自分も入りたいと言い出します。しかし、Mark Goodwin、Jimmie Penick、彼の兄弟のKeithとDavid LawrenceはAultを仲間に入れたくないと拒否します。するとAltはSatan’s Disciplesに入ることを諦めないだけではなく、PenickとKeith Lawrenceが18歳の男の子を殺害したという密告をSatan’s Disciplesにするのです。それが全く逆効果になりSatan’s DisciplesはAultの口封じを考えます。
Satan’s Disciplesの5人のメンバーは人里離れた場所にAultを車で連れて行き、即席で作った祭壇の上にAultに横たわるよう命じます。そして手足を切断するなどの拷問をしました。Aultを縛り付け猿ぐつわをすると、十字架を描くように首からお腹をナイフでまっすぐ切り裂き、お腹を横一文字に切って殺害。その後首を切り落とし焼いてしまうのです。その後Goodwinの父親が死体を発見。警察に通報して彼らは逮捕されることとなりました。殺害に関わったメンバーはそれぞれ8年から60年の刑期が言い渡されています。
Kashi Ashram
1970年代、ニューヨークのとある主婦がイエス・キリストと2人のヒンズー教の精霊に遭遇。彼女は彼らから新しい名前を授かり、自分の宗教を始めることとなりました。彼女こそがジュリア・ロバーツなど有名人に愛され、1990年代から2000年初めにかけて有名になったスピリチュアル集団「Kashi Ashram」の創設者であるMa Jaya Sati Bhagavatiでした。教団は親切さと思いやりをモットーとしていましたが、Ma Jayは信者たちに「私は神より偉大だ」と言っていたそうです。
マイアミ・タイムズに掲載された調査によると、何十人ものKashi信者たちは虐待、精神的支配、誘拐、性的暴行が教団ではおこなわれていたと証言しているとのこと。Ma Jaya自身による暴行や彼女が他の人に命令して暴行をさせるといったことがおこなわれていた模様。また、他のメンバーに性的いたずらをした少年を罰として殴り、彼の性器を真っ黒に塗り、施設内をパレードされたとのこと。
Ma Jayaは2番目の夫との間に何度かの流産を経験していたことから、子供に妙な執着があったと伝えられています。信者たちは子供を持つのにMa Jayaの許可が必要で、生まれた後はすぐにトレーニングの為に赤ちゃんを彼女に引き渡さなければならなかったとのこと。少なくとも1978年から1982年の間に4人の母親がMa Jayaもしくは彼女の夫の名前を生みの親として子供の出生届に記載しています。そしてMa Jayaは自分の14歳の娘を成人信者の男性と結婚させ、セックスをするよう命令、そして妊娠しているか確かめるように強要していました。Ma Jayaは2012年になくなりましたが、彼女の意志は引き継がれており、Kashi Ashramは今日もまだ活動をおこなっています。
The Fall River Cult
全ては17歳の売春婦Doreen Levesqueの遺体がマサチューセッツにある高校で見つかったことから始まりました。彼女の手首は釣り糸で縛られていて、恐ろしいほど殴打されており、性的暴行も受けていることがわかりました。警察は売春の客の1人の犯行だと目星をつけていたようですが、1年後にまた売春婦の遺体が「祭壇」で見つかったのです。
その6ヵ月後、Karen Marsdenという売春婦が身の危険を感じて警察に相談しに来ました 。彼女は、過去の2件の売春婦の殺害は売春斡旋のCarl DrewとMarsdenの女友達でもあった売春婦Robin Murphyの犯行だと訴えたのです。DrewとMurphyは悪魔崇拝のため人間を生贄にして殺害していると。Marsdenは自分が次の生贄にされるのではないかと怯えて警察に相談したのですが、警察は彼女の言い分を真剣に取り合わなかったのです。
すると6ヵ月後、歯がないMarsdenの骸骨が発見されました。1980年4月にDrewはMarsden殺害容疑で逮捕され、もう1人の容疑者Andrew Maltaisはこのカルト集団が関係している別の殺人で逮捕されています。売春婦のMurphyは第二級殺人で逮捕されましたが、カルト集団の情報を話す代わりに減刑されています。しかし、実のところはMurphyこそがこの一連の殺人を操っていた教祖的存在なのではないかとも考えられている人も多いようです。また1980年代に悪魔崇拝が流行していたため、自然と結び付けられてしまったけれど、この殺人は悪魔崇拝など関係なくただの殺人事件だったのではないかと言う人もいるとのこと。
Maltaisは刑務所で死亡、Drewは今でも殺害を首謀したのはMurphyだと自分の無実を訴え続け、仮釈放を申請していたMurphyは仮釈放委員会に信用できない判断され、2017年3月に仮釈放は却下されたそうです。
Superior Universal Alignment
Valentina de Andradeは1980年代にブラジルで始まったUFOカルト集団「Superior Universal Alignment」のリーダー。彼女は地球外生命体から「神は存在しない。キリストはエイリアンで信じる者だけを救う為に宇宙船を送る。」というメッセージを受けたそうです。そして彼女は、1981年以降に誕生した男子はみんな悪魔に取り憑かれているため粛清しなければならないと強く信じていました。
まずde Andradeは、自分たちの子供を他の夫婦や祖父母などに手渡せば、宇宙船に乗る権利を得られると何組かの夫婦に伝えます。しかし、それだけでは収まらずどんどん暴力的になっていくのです。1989年から1993年の間にこの教団のメンバーである8歳から13歳までの男の子19人は性的暴行を受け手足の切断された子や、殺害された子さえもいました。そのうちの6人は死亡、5人は行方不明、残りは逃げたと言われています。ドラッグを飲まされたり去勢など体を切断されたりなどがあったそうです。ブラジル警察が証拠を集めde Andradeと4名の男性信者を裁判にかけるまで、なんと11年も要してしまいました。4名の信者全員が男の子たちの殺害に関与したとして、何十年もの刑を課された一方、de Andrade は現場に居合わせなかったことから全ての件で無罪になりました。そして、こんなことがあったにも関わらず、Superior Universal Alignmentは現在も活動中とのことです。
Marcus Wesson: The Vampire King
2004年、57歳のMarcus Wessonは自宅から血だらけの姿で出て来ます。それを見た警察は何かおぞましいことが起きたに違いないとすぐにわかったそうです。家の中にはWessonの9人の子供と孫の遺体が積み上げられていました。
何十年もWessonは家族を精神的、肉体的に虐待・支配することで近親相姦を繰り返して来ました。キリスト教と吸血鬼を合わせて独自で作ったスピリチュアルな儀式をおこなっていて、キリストは実は吸血鬼であると信じていました。そして、警察が彼の自宅に到着したその時にちょうど世界の終わりが来たと信じていたのです。
Wessonは息子たちと娘たちを隔離し、コミュニケーションが取れないようにしていました。なぜならお互いが性的に惹かれることを恐れていたからだそうです。そして自分のことを神だと信じ、自分の娘たちは全て将来自分の妻になると考えていたのです。Wessonはまず1974年に自分の娘たちと結婚し、その娘たちにも自分の子供を産ませます。7人の自分の娘たち(そのうち5名はまだ子供だったとのこと)と18人の子供を作りました。
Wessonが自分の娘たちとその子供全員を連れてワシントン州へ引っ越しをすると宣言すると、親戚の何人かが彼を訪れ、子供たちを手放すように要求。普通の親権争いだと思って現れた警察は、全く状況の違う残忍なエンディングを目にすることに。Wessonは9件の殺人とレイプ・性的暴行の罪で逮捕され、現在は死刑宣告がされ服役中です。
Image: Evan Peters, American Horror Story、Very Bad Men、Intentional、Reporter Record
Source: CVLT NATION、Amino、Miami New Times、Bloody-Mess.net、Cult Education Institute、ABCNews