東京のコロナ破たん企業600件に – 東京商工リサーチ(TSR)

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 東京都の「新型コロナ」関連の経営破たんが1月21日、600件(倒産580件、弁護士一任・準備中20件)に達した。東京都で初のコロナ関連破たんが発生したのは2020年3月23日。その後、店舗の休業や時短営業、外出自粛などにより、影響は飲食業をはじめ幅広い業種に広がり、コロナ関連破たんは毎月コンスタントに発生している。

 2021年は年間で365件が判明し、2020年(220件)の1.6倍に増加するなど増勢を強め、第1号発生から1年10カ月で600件に達した。
 2022年1月20日現在、全国の新型コロナ破たんは累計2764件で、東京都は2割超(構成比21.6%)と突出している。2位の大阪府は287件で、東京都は大阪府の2倍以上に達する。
 業種別では、最多が飲食業の78件(構成比13.0%)。次いで、店舗休業や生活様式の変化が影響したアパレル(製造・販売)の61件(同10.1%)、建設業の51件(同8.5%)が続く。

 オミクロン株を中心とした感染者数の再拡大を受け、東京都では1月21日からふたたび「まん延防止等重点措置」が適用される。飲食業の営業制限のほか、イベント自粛なども予想され、消費関連を中心に事業環境の不透明感が漂っている。

 コロナ関連の資金繰り支援効果で企業倒産は記録的な低水準で推移するが、副作用で過剰債務に陥った企業も増えている。疲弊した企業の息切れやあきらめ型を中心に、今後もコロナ関連破たんは高水準で推移すると予想される。

※負債総額1,000万円未満を含めた法的整理/弁護士一任・準備中を対象に集計。
※原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

【産業・業種別】 ~ 飲食業が最多の78件、アパレル関連が61件、建設業51件 ~

 産業別では、最多はサービス業他の242件(構成比40.3%)。当初からコロナの影響が直撃し、飲食業や宿泊業、旅行などのサービス業他が全体の約4割を占めた。以下、卸売業116件(同19.3%)、製造業が59件(同9.8%)、小売業が55件(同9.1%)、建設業51件(同8.5%)と続く。

 業種別では、酒類提供の自粛や休業、時短営業が響いた飲食業が78件(構成比13.0%)が最多だった。再度の「まん延防止等重点措置」による影響が懸念される。
 次いで、外出自粛や在宅勤務などの広がりで販売機会の喪失が影響したアパレル(製造・販売)が61件(同10.1%)。工期延長や資材が高騰する建設業が42件(同8.5%)、飲食業の不振に引きずられた食品(製造・販売)も30件(同5.0%)と高水準だった。

【負債・従業員別】 ~ 小規模事業者に集中 ~

 負債額が判明した594件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が216件(構成比36.3%)で最多。以下、1億円以上5億円未満が169件(同28.4%)、5千万円以上1億円未満が108件(同18.1%)と続き、負債1億円未満の小規模倒産が352件(同59.2%)と約6割に迫る。

 従業員数が判明した579件の従業員数の合計は6,385人にのぼった。579件の内訳では従業員5人未満が360件(同62.1%)と約6割を占める。次いで5人以上10人未満が108件(同18.6%)、10人以上20人未満が63件(同10.8%)と続き、コロナ破たんは小規模事業者に集中している。

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