ライフハッカー[日本版]2022年1月12日掲載の記事より転載
USBドライブは、デバイス間でデータを転送する際に最もよく使用される手段です。
コンパクトで軽量なので、持ち運びできるストレージとしては最高の部類に入ると思います。しかし、USBのデータ転送速度は、メーカーが宣伝していた速度よりも遅くなることがよくあります。
その結果、処理に時間がかかり、イライラしてしまいます。
データ転送速度が低下は、USBの種類や使用年数、接続ポートなどが原因であることもあれば、システムに問題があることもあります。
そのため、データ転送速度が低下している場合は、今回ご紹介する対処法を試して、USBドライブの速度を上げてください。
1. Windowsセキュリティを「オフ」にする
Windowsのセキュリティやリアルタイム保護機能により、転送速度が制限されることがあります。
初めてUSBを接続したときや、接続しようとしているデバイスがすでにマルウェアに感染している場合などに発生しやすいようです。
正しく設定されていないと、Windowsが誤って脅威として検出し、その結果、処理が遅くなったり、毎回プロセスが停止することがあります。
したがって、Windowsのセキュリティを一時的にオフにして、データ転送が遅くならないようにすることが重要です。
Windowsセキュリティのリアルタイム保護を無効にする方法は次のとおりです。
(1)Windowsの「設定」アプリを開く。
(2)選択可能なオプションから「更新とセキュリティ」をクリックする。
(3)左サイドバーで「Windowsセキュリティ」を見つけてクリックする。
(4)「保護の領域」オプションから「ウイルスと脅威の防止」に移動する。
(5)スクロールダウンして、「ウイルスと脅威の防止」のすぐ下にある「設定の管理」を選択する。
(6)「リアルタイム保護」と「クラウド配信保護」のトグルをオフにする。
PCを再起動し、USBを接続して、再びファイルの転送を開始してください。それでも転送速度が遅い場合は、何かほかの原因があると思われるので、さらに調べる必要があります。
セキュリティを低下させないために、「ウイルスと脅威の防止」の設定で、先ほどオフにしたトグルを両方ともオンにしてください。
それが済んだら、USBドライバーを更新しましょう。
2. USBのドライバーを更新する
USBドライバーを更新すると、USBのデータ転送速度を低下させる可能性のある古い設定や破損したドライバーが修正されます。つまり、ドライバーを更新することで、USBの実際の転送速度が復活する可能性が高まります。
ドライバーの更新は以下の手順で可能です。
(1)USBをパソコンのUSBポートに差し込み、「このPC」を右クリック、「管理」を選択する。
(2)新しいポップアップウィンドウで、左側の「デバイスマネージャー」を探してクリックする。
(3)「ディスクドライブ」のカテゴリを展開し、そこから、USBドライブを右クリックして、「ドライバーの更新」をクリックする。
表示されたポップアップウィンドウで、「ドライバーを自動的に検索」を選択すると、Windowsが自動的にドライバーを探してインストールしてくれます。
ドライバーを更新しても問題が解決しないときは、ドライバーを再インストールしてください。これにより、誤った設定がデータ転送速度に影響を与える可能性がさらに低くなります。
3. USBデバイスのドライバーを再インストールする
転送速度の低下は、ドライバーの設定不良が原因であることもありますが、更新するだけでは不十分な場合もあります。このような場合には、再インストールすることで、転送速度が正常に戻る可能性があります。
USBドライバーを再インストールし、USBのコンフィグレーションやシステム設定を完全にリセットする必要があります。
再インストールしてもドライブのデータが変更されることはないので、ファイルにダメージを与えることはありません。
USBデバイスのドライバーをアンインストールする手順は次のとおりです。
(1)USBを該当するUSBポートに接続する。
(2)「このPC」を右クリックして「管理する」を選択する。
(3)左側のサイドバーにある「デバイスマネージャー」をクリックする。
(4)「ディスクドライブ」カテゴリを展開して、プラグインされたUSBデバイスを見つける。
(5)接続されているデバイスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択する。
アンインストールしたあと、USBデバイスをコンピューターから取り外し、システムを一度再起動してください。
再起動後に同じUSBデバイスを再度差し込むと、Windowsが自動的にそのUSBドライバーを見つけてインストールします。
4. 別のUSBポートを使ってみる
PCのポートもデータ転送が遅くなる原因になることがあります。接続しているUSBポートが経年劣化していたり、USBメモリーのバージョンに対応していない可能性があります。
そのため、USBデバイスをそのUSBのバージョンに対応したポートに接続し、そのポートの状態が良好であることを確認してください。
もし、USBメモリーがポートよりも高いUSBバージョンを使用している場合は、PCのどこかに一致するものがないか探してみましょう。
同様に、使用しているポートの寿命が切れている場合は、別のポートを使用することで問題が解消されます。
5. デバイスのパフォーマンス設定を変更する
デバイスの「パフォーマンス設定」を変更すると、パフォーマンスが最適化されます。
特定のディスクポリシーをいくつか有効にすることで、マシン内のデータ転送の最大速度を設定することができます。これにより、最終的にデータ転送プロセスが高速化されます。
デバイスのパフォーマンス設定を変更する手順は次のとおりです。
(1)USBドライブを適切なUSBポートに接続する。
(2)タスクバーのWindowsアイコンを右クリック。
(3)オプションのリストから「ディスク管理」を選択する。
(4)「ディスク管理」ウィンドウで、接続したUSBドライブを見つける。
(5)ドライブを右クリックして「プロパティ」を選択する。
(6)「ポリシー」タブを開き、「高パフォーマンス」の〇をチェックする。
(7)「高パフォーマンス」を選択したあと、「デバイスの書き込みキャッシュ」を有効にする。
(8)「OK」をクリックして設定を保存する。
USBドライブを再接続し、転送速度が改善されたかどうかを確認してください。改善されない場合は、USBドライブを交換するしかありません。
6. USB3.0にアップグレードする
上記のどれを試しても問題が解決しなかった場合は、USBのバージョンに問題があるかもしれません。USBが3.0未満なら、USB3.0にアップグレードすることを検討しましょう。
USB3.0はケーブルの中に2本の線があり、その転送速度と電源供給量はどちらもUSB2.0を上回ります。USB 3.0のデータ転送速度は4.8Gbpsで、USB 2.0の480Mbpsよりも高速です。
そのため、転送速度が大幅にアップすることで、データ転送の速度が飛躍的に向上します。USB 3.0は、USB 2.0や1.1、1.0よりも間違いなく優れています。
さらに、USB 3.0ドライブは必ず3.0ポートに接続する必要があります。
2.0ポートに接続すると、3.0ではなくUSB2.0の最大データ転送速度になってしまい、先進のUSBタイプを選択する意味がなくなってしまいます。
最近のマシンのほとんどは、USB 3.0ポートとUSB 3.2ポートを内蔵しているので、あとは適切なUSBドライブさえあれば大丈夫です。
USBの転送速度を上げる
USBドライブの転送速度は、この記事でご紹介した修正方法で改善されるはずです。
どれを試してみても改善されないときは、そのデバイスを別のシステムに接続してみてください。
そうすれば、問題がハードウェアに関連しているのか、OSに関連しているのかわかります。USBドライブを交換するか、アップグレードするか判断しやすくなります。
あなたは、USBメモリーを最大限に活用していますか?
そうでもないという人のために、次の記事では、USBドライブを使用してPCをロック/ロック解除する方法、ポータブルアプリを実行する方法、緊急時用にOSを保管する方法などをご紹介します。
Original Article: 6 Ways to Speed Up Your USB Data Transfer on Windows by MakeUseOf