Wi-Fi Allianceは1月5日(米国時間)、米国ラスベガスとオンラインで開催されている世界最大規模のデジタル家電展示会「CES 2022」において、Wi-Fi 6に新たな機能を追加した認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 6 Release 2(Wi-Fi 6 Release 2)」の開始を発表した。アップリンクでのMU-MIMOと、Wi-Fi子機の通信に関する新たな省電力機能が追加されるという。
MU-MIMO(Multi User Multi Input Multi Output)は、複数のアンテナにより複数のデバイスとデータを同時に送受信し、複数台接続時にも高いパフォーマンスを維持可能にする技術。上りでのMU-MIMOはWi-Fi 6 Release 1で追加された技術となるが、Wi-Fi Allianceのプレスリリースでは、Wi-Fi 6 Release 2での追加がうたわれていて、その詳細は不明だ。
また、通信しない間に子機のWi-Fiチップをスリープして電力消費を抑える「TWT(Target Wake Time)」はWi-Fi 6のRelease 1で実装されていたが、このスリープ時間がより拡張されるほか、「SMPS(Spatial Multiplexing Power Save)」の追加により、Wi-Fi子機のバッテリー駆動時間をさらに延長できるとされている。
これらの新機能は、5GHz帯と2.4GHz帯に加え、Wi-Fi 6Eが新たにサポートする6GHz帯でも適用されるという。なお、Wi-Fi Release 2に対しては、Broadcom、Intel、MediaTek、NXP Semiconductors、QualcommなどのWi-Fiチップベンダーが賛同のコメントを寄せている。
これらにより、通信のための「ウェイクアップ」時間を実現するとともに、冗長な通信を動的に遮断できるようにして、電力消費を最適化。スマートホームやスマートシティ、産業用IoT(IIoT)環境にメリットをもたらし、Wi-Fiの役割をさらに広げられるようにするとしている。