終了するISDNデータ通信に替わる回線サービス、日立ソリューションズ西日本が金融機関向けに提供 

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「Area Power セキュアモバイル回線サービス」の概要図。金融機関~「Area Powerクラウドセンタ」~取引先企業間の接続はインターネットを経由しない

 株式会社日立ソリューションズ西日本は8月5日、NTT東日本・西日本が提供している「INSネット ディジタル通信モード」(ISDNのデータ通信)の代替サービスとして、閉域網で接続できる「Area Power セキュアモバイル回線サービス」の提供を開始した。主に金融機関と取引先の企業を接続することが想定されている。

 これまで金融機関と取引先企業の通信手段として「INSネット ディジタル通信モード」が利用されてきた理由としてはセキュリティが挙げられるが、この通信サービスは2024年1月に終了する予定となっている。これに替わる通信手段が必要となっており、「インターネットのセキュリティに不安があるので別回線にしたい」「通信設備やセキュリティのための設備投資を抑えたい」「現在利用しているISDN回線費用と同程度に抑えたい」といった要望があるという。

 「Area Power セキュアモバイル回線サービス」は、インターネットを経由しないで金融機関と取引先企業が接続できるのが特徴。具体的には、金融機関に設置されたPCなどの機器はモバイルルーターを経由し、モバイルキャリア各社のネットワークを通じて「Area Powerクラウドセンタ」に接続。取引先企業も同様に「Area Powerクラウドセンタ」に接続する。これにより、インターネットとは分離された閉域網となり、また、VPNの併用により高いセキュリティを実現。金融機関と企業間などで高セキュリティが求められる伝送業務を安全に行うことができるとしている。

 ISDNから「Area Power セキュアモバイル回線サービス」の切り替えは、これまで設置していた「INSネット ディジタル通信モード」対応機器を、NTTドコモまたはauのモバイルネットワークに接続できるモバイルルーターに置き換えるだけだ。また、これまで利用していた通信ソフトも流用できるため、金融機関および取引先企業の負担を抑え、短期間で導入できるとしている。

自動振替伝送業務の通信手段としての活用例

リモート保守業務の通信手段として活用例

 料金体系は、金融機関が支払う基本料金や「Area Powerクラウドセンタ」間の月額回線利用料は、取引先の企業数に関係なく定額。一方、取引先企業に設置するモバイルルーターの費用と「Area Powerクラウドセンタ」間の月額回線利用料は、取引先企業の数により変わる。

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