フジテレビ系のニュース番組で報道された「撮り鉄」特集をめぐり、取材を受けた千葉県の私鉄・いすみ鉄道は2021年12月21日、報道をめぐって不信感を与えたなどとして、利用客らに謝罪した。
特集をめぐっては、SNS上で一部の鉄道ファンの間から、取材方法に対する疑問の声が上がっていた。
「撮り鉄」特集に物議
フジテレビは20日、「【独自】私有地侵入で線路ギリギリ 一部の”撮り鉄”トラブル多発 鉄道会社が注意喚起」という特集を、夕方の報道番組「LiveNewsイット!」などで報じた。立ち入り禁止の私有地に侵入して、列車を撮影する「撮り鉄」による迷惑行為が相次いでいるという。
特集では、いすみ鉄道の沿線で車両を撮影する人々を映した。顔は伏せられている。テレビ局のスタッフは「今、男性たちが撮影するすぐ横を列車が走っていきます。危ないですね!」などと、その様子を伝えている。鉄道会社の許可を得て、列車内から撮影したという映像では、こう説明する。
「発車してすぐ見えてきたのは、20人近くの撮り鉄。この場所は私有地のため、許可なく撮影するのは禁止です。
そして雑木林を抜けるスポットでは、列車に近づくため柵を乗り越えた位置で撮影をするなど、線路脇でカメラを構える撮り鉄はその後も相次ぎました」
この報道を受けて、一部の鉄道ファンから疑問の声が上がった。
マナーを守って撮影していたにもかかわらず、批判的に報じられたなどとして、「ルールを守っているのに晒されるのは嫌だ」と不満を呈しているのだ。また、鉄道ファンのものとみられる路上駐車などを映し出したことにも、否定的な声が寄せられている。
いすみ鉄道は放送の翌21日、公式サイトなどで「先般のテレビ取材の件について」と題した声明を発表した。