助けてくれと思う冬。
仕事に疲れたときに食べるものといえばなんだろうか。そう、チョコモナカジャンボである。社会人たちはチョコモナカジャンボを愛し、チョコモナカジャンボに生かされているのだ。そんなチョコモナカジャンボにねぎらいと感謝の気持ちをこめて大きくしたい。それが悲劇の始まりだったのだ。
チョコジャンボモナカが好きだ
チョコモナカジャンボというアイスがある。バニラアイスの真ん中にチョコが入っており、それをモナカではさんだアイスだ。森永製菓より1972年に当初は「チョコアイス」の名前で発売され、50年以上愛されてきた商品だ。
パリパリとした食感、そして「チョコモナカジャンボ」という名にふさわしい大きさ、高校生の頃から大好きで食べている。好きなアイスの1つだ。
そのままのきみもすてきだが、もっと食べたい気持ちがある。自作して大きくしたら満足するまで食べられるのではないか。
素材の量が全部多い
チョコモナカジャンボに必要なのは、バニラアイス、チョコ、モナカの皮の3品である。モナカの皮はスーパーで見かけないので、通販で頼んだら100枚来た。冗談みたいな量である。
そしてアイスはスーパーに売っているファミリー用サイズを買うことにした。スーパーでは子どもがアイスをかごに入れて「ダメよ」とお母さんに注意されていた。チョコモナカジャンボを食べてたくましく育ってほしい。なんなら今日、一緒に食べてほしい。ご家族全員でお越しください。
試しに食べてみるとホームランバーのバニラ味がする。食感としてはやわらかく、味としては濃厚なバニラアイスというよりも昔ながらのバニラアイスという味。
これをモナカに敷き詰めていくのだが、どのぐらいの大きさにすればいいのか。とりあえず、モナカの皮を並べていく。
大きい。(これ、2人で食べられるのか)と思っているとき、撮影に付き合ってくれた友人の能登さんが「これの半分でいいですよね」と言ってきた。
「でも、大きいほうが迫力があるじゃん。絵的にもいいし」と答える。
こちらはこういう撮影を何年もやってきたのだ。今、迫力のある絵がウケる時代だ。あと、たくさん食べたいし。
しかし、能登さんも撮影に付き合ってくれて6年ぐらいになる。そんな能登さんがこういった。
能登「いつも失敗するじゃないですか」
江ノ島「するはずないだろ! でもまあ、チョコレートがないから買いに行くけど」
能登「不安」
チョコレートを16枚。これでチョコモナカジャンボを作る。
ジャンボチョコモナカジャンボを作ってみよう
材料がそろったのでさっそく作っていこう。モナカの皮の上にアイスをのせる。
このアイス、溶けやすいのだ。かつてブームになったトルコアイスのようにのびたり、スプーンにくっついたり、キッチン大慌てである。
忘年会シーズンの居酒屋店員ぐらい慌てている。まだ、枝豆が5番テーブルに出てないですよ状態。
開けてくれたチョコレートをのせていく。全然関係ないがバレンタインの日、下駄箱に「江ノ島くんのことが好きです。放課後、屋上の階段で待ってます」と書かれた手紙が入っていて、ドキドキしながら迎えた放課後、意気揚々と行ったら誰もいなかったことがある。
チョコレートをのせたら再びアイスをのせる。時間をかけてはいけない。すぐに溶け始めるから。
このとき気づいたことがある。アイスが足りないのだ。買ったとき「このアイス、余ったら持って帰ってもいいですよ」と言ったのだが全然余らず、「今日、おみやげはないですよ」と伝えた。「別にいらないです」と言われたけど、あとでハイチュウ2粒あげるよ。
ジャンボチョコモナカジャンボ完成
様々な困難がありながらも完成したジャンボチョコモナカジャンボ。夢にまで見た光景が広がっている。なんとか形にしたぜ。
とにかくでかい。そのでかさ、メジャー級である。18人分あるが今日は2人しかいないので、1人9個食べないと帰れない。
能登「2人で食べる量じゃない」
江ノ島「冷凍して持って帰ってもいいですよ」
能登「このあと、用事があるんで全部食べてください」
江ノ島「無茶な企画が始まった」
とりあえず、食べてみよう。夢にまで見た大きなチョコジャンボモナカ。そのお味はいかに。
本来のチョコジャンボモナカに入っているチョコは歯でかみ切れるちょうどいい固さで、それがパリパリとした食感を生んでいる。
しかし、この大きなチョコジャンボモナカは、板チョコをそのまま入れたせいで超合金をかんでいるのかと思うほど固い。
そして、能登さんの顔を見た瞬間「失敗すると思ってました」と言った。やれやれみたいな顔をしないでほしい。
豚バラを食べさせてください
甘いものを食べたあとってしょっぱいものを食べたくなるだろう。なので、豚バラをごはんにのせて食べた。豚バラを焼肉のたれで食べるのが結局一番うまい。
反省をする
自作したチョコモナカジャンボを食べる。甘い。今日、甘さフェスティバルの日かと思うほど甘い。なんだ、甘さフェスティバルって。
まだ、12個分のチョコジャンボモナカがある。こんなに食い切れない。がんばって食べられる量じゃないので持って帰ろう。このあと、持って帰る方法を話し合った。とりあえずジップロックに入れた。今、自宅の冷凍庫の一部エリアがチョコレートで埋まっている。たまに食べると甘くておいしい。
能登「江ノ島さんってどんな企画でも最初は自信満々で撮影するじゃないですか」
江ノ島「はい」
能登「でも、企画内容を聞いたら他の人も『失敗するだろうな』と思いますよ。江ノ島さん、いつも撮影終わりに落ち込みながら『これで書くのか』と言いながら帰ってますもん」
江ノ島「やってみないとわからないじゃないですか」
能登「失敗するタイプの前向き」
夜の海で食べる雪見だいふくモナカ
あなたは失敗したとき、どうするだろうか。本能のままにやけぐいをしたり、運動して汗を流したり、銭湯に行って心を落ち着かせたりなど人はそれぞれだ。
電車の中で、寝てしまい起きたら海にいた。周りにはカップルたちが海を見ていたりしている。メリークリスマスと心の中でつぶやいた。
たぶん、大きくしないで小さいほうがよかったかもしれない。もしくは、中のアイスとチョコを高級にして、高級チョコモナカジャンボを作ったら成功したのか、今となってはわからない。
やってみてからこそわかることがある
失敗から学ぶことは多い。結果はジャンボチョコモナカジャンボを作ることはできなかったが、できないかどうかなんて作ってみないとわからないじゃないか。大事だよね、動いてみること。(そう自分に言い聞かせながらこの記事を書いている。)