リアル授業再開も車両削減に疑問 – 川北英隆

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最近気づいたのがJR西の連結車両数が少なくなっていることである。8両が6両に、6両が4両になっている。都市部を離れると列車の運行本数も減っているようだ。10月のダイヤ改正から(改正とは言わんな、改悪やな)のようだ。

赤字に陥っているから経費をカットしている。この結果、当然ながら乗客密度が高まり、密が発生する。「国土交通省からのお願いです」「時差出勤、通学を」と駅や列車でうるさくアナウンスしているのに、自分自身は密を作ろうとしているのかいな。

先日、山陰本線の亀岡駅から京都市内まで、連結車両数の減った列車に乗ってえらい目に遭った。学生の下校に出くわしたのである。文科省の指導もあり、大学はオンラインでの授業をリアル中心に切り換えている。だから通学が増えている。それと鉄道会社の経費カットとが重なった。

乗った山陰本線の列車、京都市内の嵯峨嵐山でいつも観光客が乗ってくる。この段階で立ち客が出てきた。そこまでは想定の範囲内だった。

その先、花園でたいへんな事態になった。学生がどっと乗ってきて、通勤ラッシュ時並みの混み具合となった。こちらは次の次の駅、二条で降りようとしたのだが、これが一苦労、ドアに近寄れない。乗ってこようとした乗客にJRに代わって謝りつつ、ついでに学生だったと思うが、誰かの足を踏んでようやく降りられた。

その列車に乗る時、嫌な予感がして(いつも嵯峨嵐山で混むのを体験しているせいだろう)、座っている席の窓を開けておいた。それが大正解で、コロナが小躍りしそうな車内環境だけは回避できたと思う。

国のコロナ対策は通り一遍のものだけ、もしくは人気取りのバラマキ大作戦に熱を上げている。その結果、対策の一貫性が崩れた。というか、一貫性なんて意識の外ではないのか。

繰り返しておく。文科省がリアルの授業を推奨し、コロナがとりあえず減少した夏休み明けから学校側はリアルに切り替えた。その時期に合わせるように、鉄道会社は経費カットと運行車両数の削減とを実施した。完全にちぐはぐである。鉄道会社と、その親分の国土交通省は現実を見ていない。

鉄道会社を監督する国土交通省としては、鉄道運行への補助金を支給して運行車両数を維持させ、密を避けるように働きかけるべきである。時差出勤をうるさくアナウンスさせるだけが能ではあるまいに。この状態を無視してGoToトラベルなんてやったら、目も当てられない。

文科省も国土交通省と連携すべきである。教室で密を避けさせているのに、通学で超過密になったら何をしていることか。自分の庭だけを綺麗にするのが役人の仕事ではない。

コロナに対してイメージをふくらませ、現実を見て、国民も役所も対応すべきである。そうそう、国民も気が緩んでいるようで、列車の中での会話が増えている。この分では再びというか、3回目のコロナの冬になるだろう。

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