株式会社ジャストシステムは、日本語ワープロソフトの最新バージョン「一太郎2022 [ATOK 40周年記念版]」を2022年2月10日に発売すると発表した。「オンラインも、リアルも。ハイブリッド一太郎」をコンセプトに掲げており、テレワークやWeb会議システムの普及といった環境の大きな変化にも対応しながら進化したとしている。
希望小売価格は、通常版が2万3100円、バージョンアップ版が9900円など。上位版パッケージの「一太郎2022 プラチナ [ATOK 40周年記念版]」は、通常版が4万2900円、バージョンアップ版が3万1900円など。いずれものパッケージも、対応OSはWindows 11/10/ 8.1。また、日本語入力ソフトのサブスクリプションサービス「ATOK Passport」がバンドルされる。
Web会議に対応する「プロテクトモード」などの新機能
「オンライン」への対応としては、まず、Web会議などのオンラインでの画面共有で見やすい文書を手間なく作成できるようにした。
具体的には、用途に応じたスタイルサンプル「きまるスタイル」において、新たに「スライド」カテゴリーを追加。スライド用のスタイルを30点用意しており、オンライン画面共有やプレゼンテーションに適した文字サイズやレイアウトの文書スタイルを素早く設定できるとしている。
このほか、文書スタイルの「用紙」において、画面共有に適した比率の「スライド(16:9)」を追加。また、スライド背景イラストも30点追加した。
スライドモードをより使いやすくするために「スライドコントローラー」も一新。オンライン画面共有でも見やすい大きなサイズのポインターやレーザーポインターに切り替えられる。
また、文書作成・編集の際には便利な推測候補や履歴といった機能が、オンライン画面共有で文書を表示する際には逆に、気まずさや情報漏えいのリスクになる場合があることにも配慮。これを防ぐ新機能として「プロテクトモード」を搭載し、最近使った文書やコピーの履歴などが意図せず相手に見えてしまうのを抑制する。
さらに、テレワークにおける情報漏えい対策の新機能として、在宅勤務や公共スペースなど周囲の視線が気になる場所での使用を想定した「プライバシーモード」も搭載した。推測候補の自動表示、ファイル履歴や検索履歴、コピー履歴、文書情報、添削情報、付箋・注釈マーク、タイトルバーの文書名などの表示を抑制するほか、カーソル行以外を半透明で表示するといった“丸見え防止”対策のためのモードとなっている。
「オンライン」対応の機能強化の一方で、印刷物や文書ファイルをゴールとする「リアル」の文書作成でも、日本語文書としての表現力をさらに追求したという。冊子のノド側に「隠しノンブル」を設定可能にしたほか、A4用紙・三つ折りのリーフレットやパンフレットを作成できるテンプレート30点を追加した。
このほか、縦組みの脚注番号の機能を強化し、“縦中横”の脚注の記述に対応。脚注番号のカッコは縦組みだが、カッコ内の半角数字は横組みで記述できるようにした。また、三点リーダー、ダッシュ、くの字点について、行をまたいで分離しないよう自動結合されるようにした。
日本語入力ソフトは「ATOK Passport [プレミアム]」、macOS/Android/iOSでも使用可能
一太郎にバンドルされる日本語入力ソフトは今回の新バージョンより、「ATOK for Windows」ではなく「ATOK Passport [プレミアム] 1年」に変更。一太郎のユーザーは、ATOK Passport [プレミアム]のフルサービスが利用でき、Windowsだけでなく、macOS、Android、iOSのマルチOSでATOKを利用できることになる。
「凸版文久体」「フォントワークスデザイン書体」計12書体をバンドルする上位版
上位版パッケージの「一太郎2022 プラチナ [ATOK 40周年記念版]」には、一太郎とATOK Passportに加えて、グラフィックソフト「花子2022」、PDFソフト「JUST PDF 5」、表計算ソフト「JUST Calc 4 /R.2」、プレゼンテーションソフト「JUST Focus 4 /R.2」、日本語音声読み上げソフト「詠太12」、画面切り抜き・加工編集ソフト「画面カッター Neo」、辞書ソフト「デジタル大辞泉 for ATOK」の各ソフトのほか、「凸版文久体」5書体、「フォントワークスデザイン書体」7書体のフォントもバンドルしている。