2021年11月25日に、東京・恵比寿にオープンした豚まん屋「羅家 東京豚饅」が注目を集めている。理由は一つしかない。この新しい豚まん屋が、豚まん界のレジェンド「551蓬莱」創業者の孫が監修しているらしいからだ。
ほーん、もしもこの「羅家 東京豚饅」のクオリティが551に比肩するものであれば、同店舗は都民の抱える551の豚まんへの渇望を癒せる、ビッグなスポットとなり得るかもしれない。これは食べ比べてみるしかねぇ……!
・話題
東京で暮らす者にとって、551の豚まんが持つ魅力は、ともすれば関西民にとってのそれ以上かもしれない。なぜなら551は東京に出店していないから。まあ、たまにデパート等に期間限定で出店したりしているのだが。
ちなみに、Jキャストニュースが報じたところによると、「551蓬莱」は「羅家 東京豚饅」の事を全く把握しておらず、我々同様にその存在をネットニュースで知ったもよう。
どうやらオフィシャルにレシピを提供したわけではなく、また「羅家 東京豚饅」側も551のレシピは知らないようだ。あくまで551創業者の孫の知る豚まんの味を再現したものと言うことらしい。ヒュー、なんだか世間がザワつきそうなストーリーだぜ。
まあ、背景がどうあれ絶対混むだろう。その状況をお伝えするのも記事のネタとしては悪くない。2~3数時間程度なら余裕で待つ用意はあるというもの。ということで、開店から約30分後の、お昼の12時5分に現場を撮影した写真がこちら。
行列は角を曲がり、まだ10メートルほど続いているようす。詳細な人数は不明だが、ぱっと見100~150人くらいだろうか? 中には複数人のグループで綺麗に一列になっていはいない感じのも見えたので、もっと多いかもしれない。
こうして撮影している間にも列が伸びてしまっているので、早々に切り上げて最後尾に並ぶ筆者。あれはTV局だろうか? 大きいカメラを担いだ人の姿も。世間的にも注目度が高いことをうかがわせる。
お値段は通常の「豚饅」が1個200円。他にも種類があるようだが、この日は既に売り切れていた。ということで、今回は「豚饅」を4つ注文しようと思う。
・ゲット
色々あって詳細は長くなるため本文では割愛するが、そこから待つ事ざっと8時間。20時過ぎにゲットした豚まんがこちら。
お値段は税込み800円……の予定が、色々あって「お待たせして大変申し訳ございませんでした。本日のお代は頂いておりませんので」ということで、無料だった。まあ、8時間待ったしな。誠意は感じるが、800円を無料にしてカバーできるかというのは、それぞれの時間に対する金銭感覚次第だろう。8時間だし。
・551との比較
その足で素早く編集部へ。これから本家551と比べてみようと思う。ちなみに本家の豚まんは、公式からネットでオーダーして、昼間のうちにつつがなく届けられていた。
551のものは段ボール箱で届けられたが、中に紙袋も入っていたため並べてみたのがこちら。どちらも白地に赤だ。
豚まんそのものが入っている箱はこんな感じ。これは結構違う。
裏はこう。どちらもレンチンの場合、1個につきラップして600Wで1分のもよう。おや、551の電話番号って、最後の3ケタは551なんだな。……あれ? そういえば、「羅家 東京豚饅」の電話番号もラスト3ケタが……
551! 偶然なのか、狙ったのか。詳しいことはわからないが、551を匂わせてくる。
・味は
それではいよいよ味を比べていこう。きっと皆さんが最も気になるのはこの部分。ちなみに筆者の551体験は、かつて「神楽坂五十番」と551を比較した時の1度きりという貧相なものだ。
そこで今回は、関西出身の和才雄一郎と中澤星児の二人にも参加してもらうことに。特にミスター和才は帰省のたびに551を食べるという話なので、今回の企画にはうってつけだろう。
まずはミスター和才から。
和才「味の差はほぼ無いというのが率直な感想。厳密には違うのだろうが、私の舌では違いを感じ取れなかった。これが例えば餃子なら、大阪王将と餃子の王将では明らかに違う。牛丼でも、吉野家と松屋とすき家ではそれぞれ違う。しかし、今回に関してはほぼ同じ。そのクリソツぶりにビビった。」
続いてミスター中澤。
中澤「ぶっちゃけ味はほとんど変わらない。豚肉の旨味が豊かな餡の味はもちろん、持ったら指に油がつく皮の質感まで一緒。食べ比べれば食べ比べるほど、どっちがどっちか分からなくなった。2つ並んでたら安い方を買う。要するに価格でしか選べないレベルである。」
・断面は違う
筆者(江川)としても、おおむね彼らと同じ。味からは違いがとんとわからぬ。もしかしたら中身はマジで同じな可能性も否定できない。しかし、半分に切ってみると、意外な事実が明らかに。
わりと具材が細かくミンチされている感のある「羅家 東京豚饅」に比べて……
「551蓬莱」の方が具材がラフな感じがする。特に玉ねぎなど、目に見えて大きい。こうして目の当たりにすると結構違いそうなのだが、しかし、このカットしたヤツを食べ比べてなお、味からはその違いがよくわからない。
「羅家 東京豚饅」の風味は、マジで「551蓬莱」に近い……と言っていいのではなかろうか。少なくとも、筆者を含めてこの日両者を食べ比べた3人のおっさんたちに、両者の味の違いは検知できなかった。
ちなみ551蓬莱の豚まんは、公式通販だと2個で税込み380円。1個190円の計算だ。対して「羅家 東京豚饅」は1個で税込み200円。551の方が10円安いが、東京で551を通販でゲットすると送料がかかる(今回は4個買ったが、送料は1050円だった)。
そう考えると、「羅家 東京豚饅」は551の味を東京で食べられるスポットとして、かなり期待できると思う! とはいえ、当分はマジで混むだろうし、待ち時間もある程度覚悟しなければならないだろう。その辺りをふまえた上で、それぞれ食べてみてはどうだろう。
逆に、551の味とほぼ同じということで、もしご自宅から恵比寿までの交通費が送料より高くなるなら、すぐ家に届く(今回は発送の翌日に届いた)551の通販で良いとも言えてしまうわけだが……。マジで味の違いがわからんかったし。