教会・図書館・灯台などが加わり作物生産体制が一変する「プエルトリコ20」拡張セット1「新たな建物」プレイレポート

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2002年登場のボードゲーム「プエルトリコ」の新版日本語版「プエルトリコ20」には、過去に発売された拡張セット3つと、さらに第4の拡張セットが同梱されています。ファーストプレイを経てルールに慣れたところで、拡張1「新たな建物」を導入してのプレイに挑んでみました。

基本セットでのプレイの様子は以下の記事にまとまっています。

農地開墾・建物建設・作物出荷を繰り返して新世界の成功者を目指すボードゲーム「プエルトリコ20」をプレイしてみた – GIGAZINE


◆拡張1で追加された建物タイルの内容
拡張1「新たな建物」は、建物タイル12種、大きな建物タイル2種で構成されています。写真左側が基本セットの建物タイル、右が拡張1の建物タイルで、名前が緑色なのが拡張1なのですぐに見分けが付きます。プレイ時は、スタートプレイヤーから順番に、基本・拡張1の建物タイルのうち1種類を選んで建設コストに応じた場所に置いていき、選ばれなかった建物タイルはゲームから除外します。今回はせっかくの拡張ということで、すべて拡張1の建物タイルでプレイします。


追加された建物「水路」は、「大きなインディゴ桶」「大きな製糖所」で最低1個の作物が生産されたとき、追加でもう1つの作物を得られます。「小さなインディゴ桶」「小さな製糖所」では効果は得られません。


基本セットには、生産した商品が2種類なら1ダブロン、3種類なら2ダブロン、3種類なら3ダブロン、4種類なら5ダブロンが追加で得られる「工場」がありましたが、拡張1の「専門工場」は最も多く生産した種類の商品の生産量マイナス1のダブロンが得られます。たとえばインディゴを3、砂糖を4生産した場合、4マイナス1で3ダブロンがもらえます。トウモロコシは工場では作られないので考慮されません。


基本セットの「造船所」は、船長フェイズ時に任意の1種類の商品駒すべてを独自の貨物船に積み込む(貨物船に詰むことなくサプライに戻す)ことで対応する勝利点を得られる建物でした。拡張1の「小さな造船所」も「造船所」と同様の扱いですが、異なる種類の商品駒を独自の貨物船に積み込めます。代わりに、商品駒2つにつき1勝利点しか得られません。


同じく船長フェイズに関わってくるのが基本セットの「小さな倉庫」「大きな倉庫」、そして拡張1の「保管所」です。船長フェイズの出荷で貨物船に乗せきれなかった商品駒は、任意の1つだけ港に保管し、他はすべて捨てる(サプライに戻す)ことになります。しかし「小さな倉庫」があればプラスでいずれか1種類の商品駒すべて、「大きな倉庫」なら2種類の商品駒すべてを保管できます。「保管庫」は、任意の商品駒3つを保管できる建物で、港の保管容量と合わせると「4種類の商品駒を1個ずつ」や「ある種類の商品駒4個」などを保管可能です。


基本セット「波止場」は商品を出荷するたびに追加で1勝利点を得られる建物です。拡張1の「灯台」は「波止場」に似ていますが、勝利点の代わりに追加で1ダブロンを得ます。「集会所」は、船長フェイズで初めて手番をプレイするとき、商品を出荷する前に、港にある同じ種類の商品駒2つごとに1勝利点を得ます。


商人フェイズに関連するのがこの3つ。基本セットの「小さな市場」は商品売却時に追加で1ダブロンを得られる建物で、「大きな市場」は追加で2ダブロン得られるもの。一方、拡張1の「交易所」があると、プレイヤーは商店に商品を売却するか、任意の商品駒1つを自分の交易所に売却(サプライに戻す)することで通常額のダブロンを得られます。商店はすでにある商品次第では売却できないことがありますが、交易所なら重複が発生しないのでどの駒でも売却できるというわけです。


「木こり小屋」は開拓者フェイズに関連する建物で、獲得した農園タイルを裏向けにして「森林」として置くことができます。森林2枚ごとに、建設コストを1ダブロン減らせます。すでに配置済みの農園を森林に変えることはできません。以下の写真だと森林が4つあるので、建設コストを2ダブロン減らせます。


「闇市」は、建物建設時に最大で労働者駒1・任意の商品駒1・1勝利点までを支払うことができるという効果があります。ただし、使用後にダブロンが手元に残っていてはいけないので、ダブロンが足りない分を労働者駒・商品駒・勝利点で補うというイメージです。「教会」は建設時には何も得られませんが、以後の建築家フェイズでゲームボード2段目・3段目の建物を建てるごとに1勝利点、4段目の建物(大きな建物)を建てるごとに2勝利点を得られます。


「旅館」には親方フェイズ時、労働者駒を2つまで置くことができます。旅館にいる労働者は、任意のタイミングで建物・農園・採石場に移動させて、可能なら効果を得ることができます。「図書館」があると、役割の特権の効果が2倍になります。開拓者の場合、最初の特権発動では農園か採石場を得ることができますが、2度目の特権発動時は採石場を得ることはできません。


大きな建物は基本セットが5種類、拡張1が2種類。これも通常の建物タイルと同様に7種類から5種類を選んで使用します。今回はギルドホールと公邸を除外しました。


追加されるのは「彫像」と「修道院」。「彫像」は建てるとゲーム終了時に8勝利点が獲得でき、労働者の配置も不要です。ただし、追加効果はありません。「修道院」は島タイル(いずれかの農園・採石場)3枚を1セットとして、ゲーム終了時に1セットあれば1勝利点、2セットなら3勝利点、3セットなら6勝利点、4セットなら10勝利点を追加で獲得できます。


その他の準備は基本セットのときと同じ。スタートプレイヤーと2番手プレイヤーはインディゴ農園タイル、3番手プレイヤーと4番手プレイヤーはトウモロコシ農園タイルを持ち、それぞれの初期資金は3ダブロンです。


◆ゲームプレイ
今回のプレイは4番手になったのでトウモロコシ農園を持った状態でスタート。最初のフェイズは「開拓者」だったので、砂糖農園を入手。


フェイズ2が「建築家」なので、2ダブロンを支払って小さな製糖所を建設。


フェイズ4で自分が役割を選ぶ番ですが、1ラウンド目の4番手はまだ生産体制がろくに整っていないため、「金脈掘り」で地味にダブロンを貯めます。


やがてタバコ農園が手に入りましたが、タバコを生み出すための「タバコ保存所」がまだ手に入っておらず、労働者も1人しかいないので、トウモロコシ農園に配置。


他のプレイヤーの生産が整わないうちに、生産できたトウモロコシを「商人」で商店に売却。トウモロコシの売却価格は0ダブロンですが、商人の特権で1ダブロンを得ます。売店には同種の商品を並べることはできないので、他人が何も置いていないうちに売ってしまわないと、手持ちの商品が不良在庫になってしまう恐れがあります。


さらに開墾が進み、コーヒー農園も誕生。


「建築家」の上に1ダブロンが置かれている機会を得たので、その1ダブロンと建築家特権のコスト-1ダブロン、さらに手持ち4ダブロンを利用して、6ダブロンの「コーヒー焙煎所」を建設。


その後の「親方」フェイズで、労働者をコーヒー農園とコーヒー焙煎所にそれぞれ配置。コーヒー生産の体制を整えました。


しかし、ただちにうまく生産できるわけではなく、金脈を掘って我慢するフェイズも。


合間にトウモロコシを出荷し、1勝利点をゲット。


隣のプレイヤーは「闇市」と建築家の特権を利用することで、手持ちは2ダブロンながら、5ダブロンかかる「交易所」を建設していました。


生産量はそれほど多くない我が農園ですが、「監督」特権でコーヒーを追加で1個獲得。


ちょうど手番で「商人」を実行できたので、4ダブロンでコーヒーを売却したうえに追加で1ダブロンを獲得。さらに「商人」カード上に1ダブロンが貯まっていたので、合計で6ダブロンと、かなりおいしい収入を確保。


港には出荷後、任意の1つの商品駒だけ保管しておくことができますが、「保管庫」があると追加で任意の商品駒3つを保管できます。これで出荷できずにサプライに戻される商品駒の数を減らし、次以降のフェイズでの収入に変えていきます。


だいぶ手元にダブロンが貯まってきたので……


一気に10コストの「彫像」を建設。


再びダブロンを貯め、手番で「建築家」を取れたので2つ目の大きな建物「修道院」を建設しました。


「修道院」の恩恵をできるだけ受けられるように、農園の開墾をどんどん進めていきます。この状態だとトウモロコシ、タバコ、コーヒーと3枚組が3セットできているので、追加で6勝利点が得られます。


しかし、最後まで砂糖農園を手に入れることができず、点数は47点。


1位のプレイヤーは序盤からインディゴ生産を推進。大きな建物を建てることはできませんでしたが、水路と専門工場を建てることで、1度の生産でインディゴ5つ+4ダブロンを得てぐんぐんと設備を拡張。60点を獲得していました。


この拡張1は、基本セットの建物とすべて入れ替える必要はないため、プレイするたびに異なる組み合わせが生まれ、プレイスタイルも変わることになり、とても新鮮味があります。

続いては拡張2に挑みます。記事は後日掲載予定なので、お楽しみに。

<つづく>

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