人に頼み事をする際は「締め切りを決めない方がいい」ことが判明

GIGAZINE



期限がある仕事や課題をうっかり忘れて間に合わなくなったり、逆に人に頼み事したのに先延ばしにされて結局やってもらえなかったりした経験がある人は多いはず。タスクと締め切りの設定の関係について調べた研究により、「人に何かを依頼をする際は締め切りを設定しない方がより早く確実にやってもらえる」ことが分かりました。

Procrastination and the Non-Monotonic Effect of Deadlines on Task Completion
https://ideas.repec.org/p/pra/mprapa/109501.html

12 November 2021, Otago researchers discover best way to avoid procrastination, News, University of Otago, New Zealand
https://www.otago.ac.nz/news/news/otago834751.html


ニュージーランド・オタゴ大学の経済学者であるスティーブン・ノウルズ教授らの研究チームは、課題の締め切りとその遂行率の関係について調べるため、ニュージーランドの選挙人名簿から無作為に選んだ約3000人に対して、オンラインでのアンケートに協力するよう依頼する実験を行いました。

アンケートへの依頼状には、アンケートに回答するとニュージーランドで有名な慈善団体に10ドル(約1100円)が支払われると記載されていました。また、回答期限は「1週間」「1カ月」「期限の設定なし」の3つに分かれていました。

この実験の結果が以下。アンケートの回答率は「期限の設定なし(下)」「1週間(上)」「1カ月(中)」の順で高くなりました。また、回答の時期も期限までが短い「1週間」より「期限なし」の方が早く、「1カ月」が一番遅くなる傾向がありました。


研究チームは、期限が「1カ月」より「1週間」の方が回答率が高いことは予想していましたが、「1週間」より「期限の設定なし」の方が成績がよかったのは想定外だったとのこと。研究チームによると、この結果は「期限を明示しないことで、かえって『いつかは締め切られるはずだ』ということが意識された可能性がある」ということを示唆しているそうです。

ノウルズ教授は、今回の実験結果について「締め切りまでの期間が長いと、締め切りまでの期間が短かったり締め切りの設定がなかったりする場合より、助けを求められた際に感じる切迫感が少ないと考えられます。つまり、期限まで余裕があると、人は頼み事を先延ばしにしてもよいと考えたりうっかり忘れたりしてしまうので、やってもらえる確率が下がるということです」とコメントしました。


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