レゴレゴしているところに向かう路線はアツいのだ。
名古屋にあおなみ線という路線がある。
東京には東京ディズニーリゾート、大阪にはユニバーサル・スタジオジャパン、名古屋にはレゴランド。このレゴランドに行く路線があおなみ線だ。
名古屋の人に話を聞くと「レゴランドに行く親子しか使わないと思う」との声。どうもマイナー路線のようだ。
どんな路線なのか乗ってみると、これがめちゃめちゃメリハリがあって面白かった!
あおなみ線に何度か乗って気づいた。乗らなければもったいない。その理由を伝えたい。
海に向かう路線
あおなみ線は、名古屋駅から金城ふ頭駅までを結ぶ路線・・・といっても土地勘がない人にはさっぱりだ。
名古屋駅から南下して港のそのまた先の埠頭の付け根まで行く。その付け根のところにレゴランドがある。そこまでを結ぶ路線だ。
ディズニーリゾートへもUFJへも都心から海に向かうが、レゴランドへもまた海に向かうのだ。
データをみるとあおなみ線は全長15kmちょっとで、駅数は11駅。
ポジション的には以前北村ヂンさんが紹介した、東京の日暮里舎人ライナーに近いかなと思い調べると…
日暮里舎人ライナーは全長10km弱で駅数は13と、似てるけどもっと密な感じだ。
ちなみにあおなみ線は2004年に、日暮里舎人ライナーは2008年に開通していて、どっちも近年できた路線だ。
日暮里舎人ライナーは新交通システム、あおなみ線は一般的な電車。
…といった違いはあるけれど、日暮里舎人ライナー利用者にとってはあおなみ線は親近感を感じるかもしれない。
一度乗りにいったときはキャンペーン期間だったのか、あおなみ線がエヴァンゲリオンの綾波レイとかけて、「あやなみ線」キャンペーンをうっていた。
そもそも「あおなみ線」は、「青」の電車と名古屋の「な」と港の「み」で「あおなみ」なんだとか。なるほど。
ここからは名古屋駅からあおなみ線に乗り、だいたい各駅の個人的なツボポイントを順に紹介していく。
1駅目ささしまライブ駅
インパクトのある駅名「ささしまライブ駅」が最初の駅だ。
降りると線路がずらり。そこを跨ぐ橋を通ると大都会感。そして広がる線路がドーンと、いきなり満足な景色が広がるのだ!
3駅目荒子駅
2駅目の小本駅は飛ばして、つづいては3駅目の荒子駅に。
駅前に商店街のようなものはないのに、ベーカリーやチョコレート専門店やアイスクリーム専門店など、一角にスイーツ店が集中していた!ちょっと途中下車して別腹で食べないともったいない!
4~5駅目南荒子駅~中島駅
南荒子駅から次の中島駅にかけて、車窓に普段見慣れないコンテナがずらりと並ぶ。
名古屋貨物ターミナルのすぐ横を走るので、すぐ近くでコンテナを見られるのだ。コンテナが目の前、ワクワクが止まらない!
6駅目名古屋競馬場前駅
あおなみ線は視覚や味覚だけでなく、聴覚でも攻める。
名古屋競馬場前駅につく前に、英語、中国語、それに聞きなれない言語のアナウンスがある。
ポルトガル語だ。
愛知県にはポルトガル人ではなく、ポルトガル語を使うブラジル人が多いのだ。電車の中でポルトガル語アナウンスが聞けるのは多分途中駅では名古屋競馬場前駅だけ!
なぜここだけポルトガル語のアナウンスがあるのかというと、外国人は競馬好き……というわけでなく、日本在住外国人がお世話になる入国管理局があるのだ。
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英語中国語の後にポルトガル語でのアナウンスがやってくる。
7駅~8駅目荒子川公園駅~稲永駅
再びあおなみ線は味覚で訴えてくる。
住宅地であり工場も景色に混じってくるこの辺は一見何も見どころはなさそうだが、ちょっと歩くとトルコの食堂に、トルコのスーパーに、エジプトの食堂に、パキスタンの店にスリランカの店に…とエスニックすぎるエリアなのだ。
いきなりの海外旅行気分。楽しくて美味しかった!
9駅~10駅目野跡駅~金城ふ頭駅
いよいよレゴランドに近づき、ようやっとレゴレゴしい光景が見えるかと思えば、見えてきたのは工業地帯ど真ん中。様々な巨大工場を通り過ぎる!
おまけに新車や中古車を金城ふ頭駅から輸出するとあって、車がズラリ!
さらに巨大船まで間近に迫る!これはもう社会科見学ゾーンですよ!
社会を知る路線、あおなみ線
名古屋の人も「レゴランドに行く路線」という認識だったが、なかなかどうして超個性派な駅を擁す路線だった。
車内を見てみると、この日は会社帰りのサラリーマンでごった返し、それに混ざって入管目当ての外国人が乗り、レゴランド目当てのファミリー層は少なかった。
しかしそれだけではない魅力があるあおなみ線。この記事でグッときたら、ぜひ名古屋に行ったら一日乗車券でふらふらしてみよう。
ちなみにGoogleMapの航空写真で見ると、工業地帯や倉庫の間を縫って走るのが見てわかる。乗車前に調べると車窓を見るのがもっと楽しくなるはず!