石垣島フリークなら、『とうふの比嘉』の名を聞いたことがあるだろう。しかし、実際に同店の豆腐を食べたことがある人はそこまで多くないように思う。なぜなら、お店は石垣島の中心地から離れた場所にあるだけでなく、最寄りのバス停も遠く、たどり着くだけでもひと苦労。
さらに、品切れ次第店じまいなので、午前中で閉店してしまうこともよくあるほどの人気ぶり。私(耕平)も過去に2回、原付バイクをレンタルして訪問したが、いずれも閉店していた。
ところが、つい先日。三度目の正直で訪問したところ、無事入店することが出来たぞ! そして、お店の最強ボリュームメニュー『ゆし豆腐セット(超)』にチャレンジしてきたのでレビューしていこう。
知らない人のために簡単に説明しておくと、『とうふの比嘉』は「ゆし豆腐」の専門店。ゆし豆腐とは沖縄名物の1つで、柔らかい口当たりが特徴だ。
・豆腐だけで約1kg
さて、同店では看板メニューの「ゆし豆腐セット」が(小)、(大)、(特)、(超)の4種類から選べるようになっている。
「(並)って無いのだろうか?」と疑問が湧いたが、この中で間違いなく、(超)の文字が気になりすぎる。牛丼で言うところの「メガ」なのだろうか?
まぁ、牛丼のメガサイズくらいなら、私は月1くらいで食べている。そこで、店員さんに「超ってどれくらい量があるんですか?」と聞いたところ……
「1kgくらいですかね。」
と満面の笑みで説明してくれた。ぬぬぬ……さすがにサイズを聞いておいて頼まないと、男が廃(すた)るだろうと、意味不明なプライドが芽生え、ドヤ顔で「じゃあ、これでおねがいします。」と注文。
待つこと数分。出てきた定食が……
なんじゃ、こりゃ〜!!!!!
いや、ご飯と豆腐のバランスが明らかにおかしいだろ。というか、ラーメンの器でもこんな大きなもの使うのか? って感じのどんぶり一杯の豆腐の量って……リミッター無ぇのかよ?
ヘルシーな食材も、これだけの量で攻めて来られると時には暴力に変わることを思い知らされた瞬間だった。
・まるで沼
実食に移ろうとしたが、まずはこのバケモノをどう攻略するかだ。
さっそく一口、レンゲを入れてみると、レンゲごと どんぶりの中に沈んでしまうような深さ。
まるで沼だ。ということで、まずは何もつけずに口に運ぶと……
うん、優しい口当たりだ。豆腐自体は非常にあっさりしているが、さすがにこの量を何もつけずに食べ続けることは地獄に近い。
ということで、テーブルにある調味料。これが攻略の鍵になると予想。
中でも、自家製の味噌が調味料で一番相性が良さそう。
試しに一杯、投入。
食べてみると……
うん、美味い!!!!!
これは合うぞ。おそらく、お店の人気の秘密の1つに、この自家製の味噌が入っているに違いないだろうと推測。そして、ご飯と一緒に食べすすめる。
うん、ご飯とも相性バッチリだ。ただ、食べても食べても一向に減る気配がない。
そこで今度は、また味変を試すべく「島とうがらし」を投入。泡盛に島のとうがらしを漬け込んだものだ。
こちらも一口。
なるほど。私が知っている島とうがらしの味より泡盛が濃い感じがするが、ゆし豆腐には最適の濃さなのかもしれない。
その後、七味を入れたり……
八重山諸島の島胡椒「ぴーやし」を入れたり……
いろんな調味料で食べすすめて、ようやく半分の量まで到達する。
・ラストスパート
ここまで約10分、そろそろ満腹中枢が刺激される時間なので、ここからスパートをかける。豆腐なので、ご飯や麺類と違ってスルスル喉を通っていき、一気に残り3分の1まで食す。
ここで原点回帰。豆腐といえば醤油ということで、フィニッシュを目指すべく投入。
とうとう完食!
と思いきや、最後にすっかり忘れていた、セットの豆乳が姿を現す。
あまりにどんぶりが大きいため、その影に隠れていて存在を忘れていた。とにかく、豆乳を一気に飲み干し、今度こそ本当に完食。正直、最初は完食できるかどうかは半々だと思っていたが、食べ終わってみれば量の割には胃もたれもなく、ゆし豆腐の奥深さを感じた。
・お店を出て振り返ると……
ちなみに、このとき時間は午前11時ちょうど。お会計時、店員さんに「結構、食べられちゃうでしょ」と話しかけられたので、「イケちゃいましたね」と返事し、お店に後にして振り返ると、すでに閉店になっていた。さすが人気店だ。
1食でこれほど豆腐を食べることは一生ないだろうというくらいの量だったが、個人的には、サイドメニューの有料トッピングがあれば、もう少しくらい行けていたような気がするくらい美味しかった。
──ということで、もし石垣島に訪れた際には、ぜひ『とうふの比嘉』を訪問してほしい。ただし、場所などは事前によく調べ、早めの時間に行くことを強くオススメする。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 とうふの比嘉
住所 沖縄県石垣市字石垣570
時間 6:30~15:00(品切れ次第終了)
定休日 日曜日
Report:耕平
Photo:RocketNews24.