つい先日、所用で愛知県にお邪魔したのだが、福岡出身の者として看過できないブツに遭遇した。それは『名古屋コーチン』という名で、長登屋という会社が販売している饅頭だ。
愛知の銘菓ですもの、名古屋コーチンをウリにするのはわかる。がしかし、問題はそのビジュアルだ。かなり引っかかる。だって、これはどっからどう見ても……福岡のひよ子ですやん!
・ひよ子……?
愛知銘菓である『名古屋コーチン』に記者が出会ったのは、名鉄バスセンター内だ。帰る前に飲みものでも買おうと寄ったコンビニにて、16個入り1080円で販売されていた。
中が見えるようディスプレイしてあり、その中身が “いかにも” であったため目にとまったという訳だ。饅頭の包み紙は、まあ名古屋コーチンっぽい仕様になっている。
とさかや羽の色など、随所に名古屋コーチンらしさがあふれ、名古屋土産にぴったりだ。がしかし、包み紙を開けた様子はどうだろう。これは、あの……ひよ子では????
いやしかし、これだけで判断するのは性急だ。ディスプレイの都合上、どうしてもそのような形になっているだけかもしれない。実際に購入の上、確かめるっきゃねぇ!
いそいそと手に取り、自宅に持ち帰り開封。「ひよ子っぽく見えたのは、気のせいやったんやなー」という展開をかすかに期待していたが、現実はそう甘くなかった。
めっっっっちゃ、ひよ子やん!!!! とさかの焼き印でも押してあるかもしれないと思ったが、どこからどう見てもひよ子そのもの。
手元にたまたま福岡産のひよ子があったので比べてみたが、若干名古屋コーチンの方が鼻が大きいくらいで、形はほぼ同じ。質感は名古屋コーチンがザラっと、そしてひよ子はサラッとしている……くらいしか違いがない。
もしかして、明らかに味が違うのだろうか。口に入れてみたが、その舌触りやもったり感、甘みなど、よく似ている。福岡出身の記者でさえ、目をつぶって食べれば、どちらがどちらかわからないレベルだ。
・問い合わせてみた
これはエライことである。もう少し形を変えたり、滋賀の『かいつぶり』のように銘を入れるなどできなかったものだろうか。
不安になってきたので、製造元の長登屋に問い合わせてみることにした。一体全体、我々はどこから “名古屋コーチンらしさ” を感じ取れば良いんですかぁぁぁぁー!!???
「お問合せありがとうございます。この度は弊社の商品をお買い求めいただき、ありがとうございました。
名古屋コーチン饅頭ですが、名古屋コーチン卵を使用しており普通の卵よりも黄身が濃厚のためコクがある仕上がりになっているかと思います」
なるほど……? 味については了解したが、形についてはどう捉えたらよいのだろう。そのあたりについては、特に情報は得られなかった。
とにもかくにも、愛知で作ったものは名古屋コーチン、福岡で作ったものはひよ子という解釈で宜しいだろうか。というか、そう思うしかないな! いずれも美味しいので、細かいことは無問題ということにしておこう。
それにしても、世にはひよ子によく似た饅頭がたくさんあふれているようだ。記者が知らないだけで、ほかにも同じような饅頭が存在する可能性がある。また気付きがあれば、この場を借りて報告させていただくのでお楽しみに!
参考リンク:長登屋「名古屋コーチン饅頭」
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.