Twitter、Facebookなど複数のSNSから追い出された状態のアメリカ前大統領ドナルド・トランプ氏が2021年10月に立ち上げを発表した独自のSNS「TRUTH Social」が「Mastodon(マストドン)」の流用である疑いについて、Mastodon創業者のオイゲン・ロチコ氏が苦言を呈し、ライセンスに基づいて正式にソースコード公開を要求したことを明らかにしました。
Trump’s new social media platform found using Mastodon code: Our statement – Official Mastodon Blog
https://blog.joinmastodon.org/2021/10/trumps-new-social-media-platform-found-using-mastodon-code/
トランプ氏は2021年10月、かねてから明らかにしていた通り、独自のソーシャルメディア「TRUTH Social」の立ち上げを発表しました。
ドナルド・トランプが新ソーシャルメディア「TRUTH Social」を発表 – GIGAZINE
しかし、ベータ版公開以前に有志により発見されたばかりか、中身が2016年リリースのソーシャルメディア「Mastodon」であることが判明。「Mastodon」はソースコードを公開してAGPLv3ライセンスを適用すれば商用利用・改変が認められていますが、「TRUTH Social」はライセンスの条件を満たしていませんでした。
ドナルド・トランプの新ソーシャルメディア「TRUTH Social」がMastodonのライセンスに抵触していることが判明 – GIGAZINE
すでにロチコ氏は「ライセンス違反は問題になるでしょう」と苦言を呈し、このたび改めて公式ブログで、TRUTH Socialの最高法務責任者に対して正式な書簡を送り、ライセンスに準拠してソースコードを公開するように求めたことを明らかにしました。AGPLv3ライセンスでは、著作権所有者から通知を受けたのち30日以内にライセンスに準拠することが求められており、従わない場合はライセンスが取り消される恐れがあるとのこと。
なお、「個人的に、私はトランプ氏を我慢できません」と述べているロチコ氏は、「個人的感情としてはもちろん、価値観に反した人間が我々の成果物を利用して利益を上げるようなことがないように願っています」と言いつつも、「フリーソフトウェアとして取り組むということは、誰が利用できるか・利用できないかを選択する可能性を諦めるということでもあります」と述べ、ライセンスを守る限りにおいて、トランプ氏がMastodonのコピーを作ることは認められるという姿勢を示しました。
2021年10月30日時点で、TRUTH Socialはまだソースコードの公開を行っていません。
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