LinkedInが中国から撤退しアメリカの主要なSNSが中国から完全消滅

GIGAZINE



Microsoft傘下のビジネス特化型SNSであるLinkedInが2021年10月14日に、中国政府による検閲や規制の強化を受けて中国でのサービスを打ち切ると発表しました。LinkedInは今後、ユーザーによる記事の投稿や共有機能を持たない求人プラットフォーム「InJobs」を開始するとしています。

China: Sunset of Localized Version of LinkedIn and Launch of New Injobs App Later This Year | Official LinkedIn Blog
https://blog.linkedin.com/2021/october/14/china-sunset-of-localized-version-of-linkedin-and-launch-of-new-injobs-app

LinkedIn becomes the LAST US social media app to operate in China | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/news/article-10092513/LinkedIn-social-media-app-operate-China.html

Microsoft to shut down LinkedIn in China
https://www.cnbc.com/2021/10/14/microsoft-to-shut-down-linkedin-in-china.html

2010年にGoogleが中国から撤退したのを始め、FacebookやTwitterなどアメリカの大手IT企業が次々と中国から手を引く中、LinkedInは2014年の中国進出から約7年間にわたり中国でサービスを続けてきました。LinkedInは、2020年の時点で4400万人の中国人ユーザーがいると報告しており、中国はLinkedInにとって世界で3番目に大きな顧客基盤とのこと。

しかし、中国当局は最後のアメリカ産SNSへの風当たりを強め、2021年に入ると中国を拠点とするLinkedInユーザーが次々とLinkedInでの活動が制限されていることを報告するようになりました。

中国を拠点とするコンサルタントのJ Michael Cole氏は6月2日に、LinkedInから「プロフィールに禁止されているコンテンツがあるのでプロフィールやそのほかのコメントなどは中国からは閲覧できません」と通告されたとTwitterに投稿。


アジアで活動するスウェーデン人作家のJojje Olsson氏は6月17日に、プロフィールから「禁止されているコンテンツ」を削除するよう勧めるLinkedInのメッセージを投稿した上で、「私はプロフィールに、天安門事件についての論文を書いたことを掲載しています。LinkedInのこの対応は、私のプロフィール全体を中国のユーザーに対して検閲するというもので、全く信じられません」と述べました。


こうした中国でのサービスのあり方について、LinkedInは声明の中で「中国でのローカライズ版LinkedInの運営により、我々は中国のメンバーが仕事や経済的なチャンスを見つけるのを支援することに成功してきましたが、情報の共有といったソーシャルな側面では同じレベルの成功を収めることはできませんでした。中国の事業環境は非常に厳しく、コンプライアンス上の要求も厳しくなってきています」と述べて、規制当局による激しい圧力があったことを示唆しました。

LinkedInによると、中国版LinkedInのサービスは2021年末で終了するとのこと。これに代わるサービスとして、LinkedInは年内に求人アプリの「InJobs」をリリースすることを発表しました。LinkedInはInJobsについて「このアプリにはソーシャルフィードはなく、記事や投稿を共有する機能はありません」と述べて、SNS機能がない純粋な求人情報サービスだと説明しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

Source

タイトルとURLをコピーしました