[東京 5日 ロイター] –
5日の東京株式市場で、日経平均は7日大幅続落した。中国問題や米債務問題、原油高によるインフレ懸念といった要因に、金融所得課税など岸田新内閣の政策に対する警戒感も重なり、一時、前日比950円を超える下げとなった。突っ込み警戒感から後半は下げ渋ったものの、菅前首相が退陣表明する以前の水準まで下落し、調整が長期化するとの見方が広がっている。
4日の米国株式市場は、国債利回りが上昇する中、主要ハイテク株やグロース株を中心に売りが出たことで、急落した。連邦債務上限が引き上げられず、米国がデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が払拭されていないことも重しになった。
これを受けて日本株も大幅続落してスタート。買い材料が見当たらないまま、原油高を好感したエネルギー関連や、ディフェンシブ銘柄の一角を除いて幅広く売られる展開となり、「菅前首相が退陣表明した後に期待感が上昇した分が完全に剥落した格好となった」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)という。
市場では「個人投資家に追い証が発生するなど需給悪化が顕著になっている」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声が聞かれるほか、アルゴリズムやHFT(高頻度取引)といった機械取引による売りも下げを加速したとみられている。
ただ「悪材料が複合的に発生したことが要因であり、それぞれが本質的な問題だとは思っていない。目先の機械取引の売りが一段落すれば相場は落ち着きそうだ」(アイザワ証券・国内情報課長の坂瀬勝義氏)といった指摘もあった。
TOPIXは1.33%安。東証1部の売買代金は3兆6152億6700万円と大商い。東証33業種では、精密機器、機械、情報・通信業などが値下がりし、鉱業など資源関連の上昇が目立つ。
個別では、東京エレクトロンなど半導体関連株が下落したほか、指数寄与度が大きいファーストリテイリングが大幅下落。半面、INPEXや三井住友フィナンシャルグループなど銀行株がしっかりだった。
東証1部の騰落数は、値上がり288銘柄に対し、値下がりが1843銘柄、変わらずが52銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 27822.12 -622.77 28050.39 27460.29
─28058.67
TOPIX 1947.75 -26.17 1954.33 1928.45
─1958.36
東証出来高(万株) 151132 東証売買代金(億円) 36152.67
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