とてもいやらしい話、丸亀製麺の「丸亀うどん弁当」が売れに売れているらしい。なんと累計販売数は約5カ月で1200万食を突破ァァアアア! ざっくり1日8万食も売れている超メガヒット商品である。8万て……そこそこ立派な町やがな。
それはさておき、その絶好調「丸亀うどん弁当」の最新作『さんま天と定番おかずのうどん弁当』(税込490円)が、2021年10月2日(土)から発売される。一足先に試食させてもらったところ、これが激ウマ! だがしかし、1つだけ足りないものが判明してしまった次第だ。
・丸亀うどん弁当、爆売れ
2021年4月に発売をスタートし、衝撃のウマさと驚愕のコスパで瞬く間に超人気メニューとなった丸亀うどん弁当。その後も丸亀うどん弁当は進化を続け、これまで『夏の丸亀うどん弁当』などが展開されている。
10月2日(土)から発売開始となる『さんま天と定番おかずのうどん弁当』は、その名の通り旬のさんま天がドーーンとトッピングされた丸亀うどん弁当の最新作。食べる前から絶対にウマいやつ……! 今回も爆売れの予感しかしない。
・不機嫌なアホ
なんとその『さんま天と定番おかずのうどん弁当』を丸亀製麺がいち早く試食させてくれるというから行くしかねえ! ところがアホの上司でお馴染みの当サイトのYoshioは、何やら不機嫌な様子である。
「なになに? 丸亀うどん弁当の新作? さんま天ねぇ……フーム」
──え、超ウマそうじゃないですか? というか、絶対にウマいでしょ。
「厳しいことを言うようだけど、ちょっとこれは足りてないよね……? いや、丸亀の丸亀うどん弁当は大好きなのよ? 逆に愛ゆえによ?」
──逆ってなんだよ。
「さんま天、たぶん美味しいよね。いや、100%ウマいよね。俺の懸念は、さんま天だけで本当に足りてるのかってこと。ただ単純にさんま天さえ入ってりゃイイってわけじゃないだろうよ!」
──なんでキレているのか?
「よし、わかった。俺も一緒に行くわ。で、確かめるわ……さんま天と定番おかずのうどん弁当が本当に足りているかどうかをさ」
──えっ、普通に来ないで欲しいです。
なぜYoshioはキレているのか? 『さんま天と定番おかずのうどん弁当』なのだから、とりあえずさんま天が入っていればいいではないか? 本当は連れて行きたくなかったが、仮にもYoshioは私の上司。仕方なく丸亀製麺の本社に同行した。
・さんま天、トリプルでウマすぎた
で、相変わらず立派な丸亀製麺のオフィスにてYoshioと一緒に『さんま天と定番おかずのうどん弁当』を待っていると……
キターーーーーーー!
おいおい待てよ、このドデカいさんま。器からはみ出しそうな勢いではないか。食べる前からもうわかった、完全に優勝です。どうもありがとうございました。貝類と同じくらい青魚が好きな私としては、ビジュアルだけで100点満点をあげたい気分だ。
んでもって、メインのさんま天が超絶ウマい!! これだけで20個は食える! さんまは生でも焼いてもウマい魚だが、天ぷらも最高オブ最高!! もし私がさんまに転生したら、どうか丸亀製麺の天ぷらにしてもらえるよう願わずにはいられなかった。
さらに言うと、天ぷらそのものが美味しいだけではなく、さんま天のタレが爆ウマ! 聞くところによると、このタレは『さんま天と定番おかずのうどん弁当』のために開発された特製のタレで、甘辛い味付けがさんま天のウマさを極限まで引き出している。
またそのタレがうどんのだしと混ざり合い、うどん自体もワンランク上のウマさになっていたから文句なし!! 各店舗でひとつ一つ手づくりしているからこそのウマさと説得力……丸亀うどん弁当が売れているのも納得だ。
結論としては さんまが大好きなことを差し引いても、個人的には「過去最高の丸亀うどん弁当」と断言してしまおう。最低でも週3、普通に週6、ピーク時には週12イケる。というか、タレ付きのさんま天も別売りして欲しい。
・怒れるアホ
だがしかし、ウマいウマいと『さんま天と定番おかずのうどん弁当』を食べる私を横目に、Yoshioはどうしても納得がいかない様子。何やら1人でブツブツと呟いているではないか。
「……ちげーんだよ。……足りないんだよ……。」
──ん? 何が足りないんですか?
「これだから3流のライターはイヤなんだよ。そんなことは自分で考えろよ! 目の前に答えは出てるだろうが!!」
──いや、いつも通りうどんもウマいですよ。これが店舗で麺を手づくりしてる強さなんだろうなぁ。今回はさんま天のタレが加わって、なんなら進化しちゃってますよ。
「違う! 俺はうどんのことを言ってるんじゃない!! このチョビヒゲ野郎が!」
──ヒゲ生えてねーよ。じゃあ、他のおかずのことですかね? いや、野菜バラ天も ちくわ磯辺天もウマかったけどな。サイドに徹したときのちくわ天の安心感ってヤバいですよね? 懐刀的な?
「ちくわは刃物じゃないだろ! それでも一児の父かよ!! ヒントは季節だ、季節!」
──あんたは二児の父だろ。え、本当に何でキレてるのかわからない。さんま天だけでもかなり季節感はあったけどなぁ。だって “秋の刀の魚” と書いてサンマですからね?
「だから刃物の話をしてるんじゃないんだよ! もういい!! 正解は秋だ! 見た瞬間にそれとわかる秋が全く足りてないんだよ!!」
──いや、さんまだけで十分に足りてるでしょ。むしろ秋しか感じない。
さすがアホの上司、話が全くかみ合わない。だがしかし、Yoshioは「ちょっと待っとけ!」と言い残すと、1人私を丸亀製麺のオフィスに取り残しどこかへ行ってしまった。
~15分経過~
・アホ無双、発動
もう、帰りたい……。丸亀製麺の関係者御一行様数名に対し、私を1人ぼっちにするとは何の罰ゲームなのか?
マジで挨拶して帰ろう……Yoshioには後日改めて土下座でもしてもらうしかあるまい。その時であった。
「おーーい! 待った?」
そこにいたのは、ニコニコしながら巨大な植物を抱えるYoshio。え、人様のビルディングに何を持ち込んでいるの? アホなら何をしてもいいの?
「お待たせ! 俺が足りないと思っていた秋をそのまま持って来たぜ……そう、紅葉(もみじ)だ!」
──ちょっと……ここ丸亀のオフィスですよ? 恥ずかしいからアホを出すはうちの事務所だけにしてください。
「シャットアップ! さんま天がウマいことはよく分かった。ただ俺はポテンシャルを最大限に引き出して欲しいんだ。美味しいものを1番美味しく食べて欲しいんだ。それには秋、紅葉が必要だってばよ!!」
──わかりました、わかりましたから。紅葉を見ながら食べればいいんですね?
「イエス。さあ、紅葉を見ながら、目で秋を感じながら『さんま天と定番おかずのうどん弁当』を食べてみろ。絶対にこっちの方がウマいから」
──はい、では……(もぐもぐ)
「どや? どないなんや?」
──いや、ウマいです……というか、元が超ウマいから……。
「さっきと比べてどうなんや? YOU、言っちゃいなよ!」
──うーん、確かに美味しくなった……かもしれません。
「せやろ? せやったろ? わかってくれればええんや。舌で味わうだけが料理やない、目で味わうのも料理なんや。足りなかったのは紅葉じゃなく、YOUの想像力やったんやで」
──ぐぬぬ。
「と同時に、これは俺から丸亀へのメッセージでもあるんや」
──メッセージ。
「紅葉の花言葉は “大切な思い出” や。丸亀うどん弁当が大切な思い出になることもきっとある……。ワシはそんな思いを丸亀製麺に伝えたかったんや。これからも初心を忘れず、ウマいうどんを作ってくれよ、ってな」
──いったい誰のつもりなのか?
・丸亀うどん弁当に足りないものなどなかった……が
当然ながら、紅葉があろうと無かろうと『さんま天と定番おかずのうどん弁当』のウマさは変わらない。これはある意味で490円の奇跡──。ぶっちゃけ、490円かけて自分で作るよりも絶対にウマい。結論としては、足りていないものなど1つも無い、全部足りていた。
なお、秋の丸亀うどん弁当はもう1つ『えび天とまいたけ天 定番おかずのうどん弁当』(590円)も登場だ。王者「えび天」と、秋の天ぷら王「まいたけ天」の強力タッグは間違いなしのウマさ。特に肉厚ぶりぶりのまいたけ天は絶品でしかないので、さんま天弁当とローテを推奨する。まいたけ天って何であんなにウマいのかね?
というわけで、個人的に『さんま天と定番おかずのうどん弁当』は丸亀うどん弁当の最高傑作だと確信しているので、興味がある人はぜひご賞味いただきたい。『さんま天と定番おかずのうどん弁当』と『えび天とまいたけ天 定番おかずのうどん弁当』は10月2日発売開始だ。
ちなみに──。
丸亀のオフィスに持ち込んだそこそこ立派な紅葉の木は、なぜか私が1人で持ち帰ることになった。Yoshioが「緊急対応!」とか抜かしつつ、一足先に帰ってしまったためである。
重さおよそ20kgの紅葉を抱えながら、渋谷の道玄坂をくだった秋を俺は忘れない──。
俺に足りていないのは「賢い上司」であった。
──完──