2021年9月11日からフジテレビ系で土・日に一挙放送中のアニメ「鬼滅の刃」特別編集版で、9月19日は「那田蜘蛛山(なたぐもやま)編」が19時から放送される。
2019年にTOKYO MXで放送された「鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編」を再構成して一挙放送中だが、その中の山場でもある「那田蜘蛛山編」には見どころも盛りだくさんだ。
累と炭治郎兄妹の「絆」のすれ違い
「鼓屋敷編」に続く那田蜘蛛山編は、鬼が縄張りを張っている那田蜘蛛山が舞台。竈門炭治郎・我妻善逸・嘴平伊之助の同期隊士3人組(ファンからは「かまぼこ隊」と呼ばれる)が夜の那田蜘蛛山に派遣されるが、先遣の鬼殺隊士たちが「下弦の鬼」の累(るい)と仲間の鬼に苦戦し多くの犠牲者を出していた。
累は見た目は子どもで、実際病弱な少年だったところを鬼舞辻無惨により鬼にされたが、ただ鬼として強いだけでなく、炭治郎・禰豆子の兄妹とは対極の存在として描かれている。仲間の鬼に父・母・姉・兄と役目を与えて疑似家族を形成しているが、最も強い累が他の鬼を支配し、気に要らなければ制裁を加える恐怖支配で鬼を縛り付けていた。このような累のやり方に炭治郎は怒り、戦闘が始まる。初放送時の18話「偽物の絆」というタイトルが累と炭治郎が考える「絆」の違いを示す。
一度は累に圧倒される炭治郎だが、窮地に陥ったところを妹の禰豆子が助ける。兄妹の関係を「あれこそ本物の絆だ」と嫉妬した累は、今度は禰豆子に執着し、彼女を鬼にしようとする。なぜ累がこれほど家族に執着するのかも鬼になった経緯の中で判明してくるが、このようにセリフの応酬もあるのが累との戦いだ。彼らの感情は声優の演技と映像でどう表現されているかも見どころだろう。TOKYO MXでの放送時には4話を割いて描かれたほどの山場だ。
そして鬼としての累の強さも「鼓屋敷編」までとは別格になる。鬼は頸を斬り落とせば死ぬはずだが、一度頸を斬ったはずの累が生きていて炭治郎はさらに窮地に陥る。何度もピンチに陥る炭治郎の前に「水柱」の冨岡義勇が9月11日放送の「兄妹の絆」以来の再登場で彼を助ける。冨岡義勇ら「柱」の鬼殺隊士が本格的に活躍し始めるのも那田蜘蛛山編からだ。